破壊衝動は創造衝動 ……

現代的には多少“不謹慎な表現”ではありますが、1960年〜1980年代に“映画のテロリスト”と呼ばれたジャン リュック ゴダールさんにつきましては、今更説明の必要もないかと思われます……………

 

ジャン リュック ゴダールさん [ Jean-Luc Godard ( 別名義 Hans Lucas )  : フランス並びにスイス国籍 , 1930〜 ]

 

 

“ヌーヴェルバーグ(ニューウェーブ)の騎手”としてフランス映画界を牽引し、世界中の映画監督に多大な影響を与えたジャン リュック ゴダールさんは、所謂“アヴァンギャルド”なイメージ満載でありますが、2002年には我が国の「 高松宮殿下記念 世界文化賞 」を受賞しており、名実共に“現代を代表する偉大なアーティスト”で御座います。

 

しかしながら、1980年代に私がパリで実感した“予想外な実態”は……………

 

❇️ 1 ) 実は“ゴダールはフランスの誇り”と言いながらも、“ゴダール作品を1本も観た事がないフランス人”が多い。

❇️ 2 ) 実は“極一部のインテリ層フランス人”しか作品内容を理解していない。

 

つまり、自国でさえ“大衆改革”を成し遂げておらず、決して“映画のテロリスト”とは言い難いのが現実であります。

 

 

『 Le Mépris ( 軽蔑 ) / 監督 : Jean-Luc Godard  1963 』

 

『 Made in USA ( メイド イン USA ) / 監督 : Jean-Luc Godard  1966 』

 

 

先日、以前からチョット気になっていた“正体不明のアーティスト”が、“本物のアート テロ”とも云えるデモンストレーションを敢行致しましたが、何故かジャパンでは話題になっておりません(以下引用)。

 

 

【 1.5億円で落札の絵がシュレッダーに 作者の反応は… 】( 朝日新聞 DIGITAL )

素性が知られていない著名なストリートアーティスト、バンクシーの代表作がロンドンでオークションにかけられ、約104万ポンド(約1億5500万円)で落札された。だが、その直後、絵画が勝手に動き始め――。5日にロンドンであった競売大手サザビーズのオークションには、赤い風船に手を伸ばす少女が描かれた2006年の絵画が出品され、バンクシーの作品では過去最高額に並ぶ104万2千ポンドで落札された。

だが、落札直後、作品が突然、自動的に額縁からすり抜けて下側に動き始め、細かく裁断された状態に。バンクシーは自身のインスタグラムに動画を投稿し、「数年前に内密にシュレッダーを仕込んでいた」と種明かしした。サザビーズの担当者は「どうやら私たちは『バンクシーされた』ようだ」と声明を発表。ただ、事前に裁断を知っていたのかなどは明らかにしていない。バンクシーは投稿した動画に、ピカソの言葉を引用してこんなメッセージも載せた。「破壊衝動は創造衝動でもある」と。( 2018年10月8日 )

 

 

キース へリングさん ( Keith Haring : アメリカ , 1958〜1990 ) やジャン ミシェル バスキアさん ( Jean-Michel Basquiat : アメリカ , 1960〜1988 ) がかつてそうだった様に、バンクシーさん ( Banksy : 国籍 , 年齢 , その他一切非公開 )も“グラフィティ(違法街頭落書き)”からスタートし、ロンドンを中心に活動するストリート アーティストでありますが、バンクシーさんの特徴は“覆面芸術家”を徹底している点で御座います。

故に正体は“某ロックバンドのフロントマン説”とか、“イスラエル在住イギリス人説”とか、1人ではなく“5〜6人の芸術集団説”とか、ミステリアスな魅力は更に拡がり続けております……………

 

 

『 無政府主義のネズミ 』

 

『 バスルームの窓からぶら下がる裸の男 』

 

『 分離壁に描かれた絵 』

 

 

“社会風刺”がバンクシーさんのメインテーマでありますが、「 メトロポリタン美術館 ( ニューヨーク ) 」の様な有名美術館に“無断展示”したり、大手CDショップに“無断陳列”したりと、ソノ表現手段は多種多様の反則技。

活動範囲に関しましても“イギリス〜アメリカ〜中東etc.”と誠にワールドワイドであり、正に“史上最強のストリート アーティスト”で御座います。

 

 

『 少女と爆弾 』

 

『 ネズミ 』

 

『 倒れるまで買う 』

 

 

❇️ 因みに、今回の「 サザビーズ バンクシー シュレッダー事件 ( 仮称 ) 」……………

サザビーズと云えば“超一流オークション ハウス”。そんなサザビーズのスタッフが、“シュレッダーが仕込まれた怪しい額縁”に気付かないハズはなく、加えて、ハンマー プライスと同時にシュレッダーをスタートする為には、“バンクシーさん自身が会場で遠隔操作した”と考えるのが妥当であります。

つまり、「最初から“シュレッダー粉砕ありき”のオークションだった。」と私は確信しております。

 

 

『 1億5000万円超の絵画がシュレッダーに  ( 2018 ) 』

 

 

ところで、“某女優さんとの熱愛報道”で話題沸騰中の“某社長”さんは、過去に“数百億円”でバスキアさんの作品を落札した後、インタビューで「世界平和に貢献した。」と仰っていた気が致します。

確かに“超高額購入”によって市場は刺激されますし、多くの方々に“喜びと驚き”を提供したのは間違いありませんが、例えば“同額を難民に寄付”した方が遥かに世界平和に貢献出来たのでは?と、失礼ながらヒジョーに違和感を感じました……………

 

バンクシーさんの“反骨精神溢れる芸術作品”が、“ああいう方々”に高額購入されない事を願う変態オッサンで御座いました!

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

 

 

“破壊衝動は創造衝動 ……” への2件の返信

  1. 確かに胡散臭さを感じます…
    最大の謎は、シュレッダーがどの様にして作動が開始されたかですなぁ。無線や携帯電話の電波を使用したなとが考えられますが、作動するタイミングがあまりにも良すぎますので、仰る様にオークション会場にバンクシーさんご本人か内通者がいたことは間違いありませんなぁ。
    ただバンクシーさんの期待に反して(?)、このオークションの作品は落札者が今回の事件が「美術史の歴史」になるとして所持を続けると表明している様であります。もしかすると、今回の件でさらに価値を上げたのかもしれません。

    1. 全く同感で御座います……………
      バンクシーさんは“覆面芸術家”を徹底しておりますが、“ホテル デザイン”等の明らかに“事前打ち合わせ”が必要な仕事も数多く手掛けております。
      したがって、業界内では当然ながら“正体バレ”していると思われます。
      おそらく今回の件も、サザビーズ側と綿密な“事前打ち合わせ”があったんでしょーねぇ……………
      ところで私も、“シュレッダー粉砕後”の状態がカッコイイと感じますので、むしろ“付加価値アップ”かも知れません!

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