大いなる音楽遺産 ……

御無沙汰しております。

お陰様で持病(心臓弁膜症)は安定しておりますが、病気による“早寝”並びにバイト先の繁忙期につき、ブログ更新が極めて滞っている変態オッサンで御座います……………

以前、アメリカ人メル友が「“ジャズの本場”ニューオリンズでさえ、現在はジャズを教える音楽スクールが皆無であり、若者のジャズ離れは“深刻な問題”だと考える。このままでは、ジャズと云う音楽は後世に残る事なく音楽史に埋没してしまう。」と嘆いておりました。

マイルス デイヴィスさんの人生を描いた映画『 MILES AHEAD / アメリカ : ドン チードル監督 ( 2016 ) 』も興行的に成功したとは言い難く 、アメリカのみならず“世界中”でジャズに対する冷風が吹いている様に感じます。

そんなアメリカ人メル友から先日「ヒップホップも良いけれど、我が国には“ジャズと云う世界最高峰の音楽文化”があるんだよ、と息子に教えてやったら、ケッコー楽しそうにマイルス聴いているわな。」とのメールを戴きました。御存知の様に音楽は“音を楽しむ”と書きますから、父親の趣味を押し付けられた子供さん(年齢不詳)は若干お気の毒だと同情致しますが、上記の現状を考えてみれば“ジャズに触れる良い機会”だったと思います。

「 Miles Davis – The Martin Committee Trumpet in B Flat, model T3460 ( 2019年、“約3000万円で落札”されたマイルス デイヴィスさんの愛機 ) 」

因みに、父親はエルビス プレスリー、母親はアルゼンチン タンゴという音楽環境下(?)に生まれた私は、中学でレッド ツェッペリンやディープ パープル等の“ブリティッシュ ロック”にドップリ浸かり、高校ではマイルス デイヴィス、ウェザー リポートetc.に浸かりかけましたが、何故かロックに比べて熱中する事はありませんでした。

今にして思えば当時“ロックは思春期の音楽、ジャズが分かって初めて大人と認める”とか、“BGMとしてジャズが流れている店はオシャレな店”的な社会的風潮があり、ソレらがジャズを好きになれなかった大きな理由かと。

ところが、今年に入って何故かマイルス デイヴィスさんが無性に聴きたくなりました。しかしながら、我が家のオーディオ セットは御臨終状態であり、よって高校時代に購入したアナログ盤は再生不可能。かと云って、東京時代に購入したマイルス デイヴィスさんのCDは、全て友人にあげてしまったので再購入を決定……………

そこで再購入盤として選んだのは、マイルス デイヴィスさんにとって“すこぶる評価が低い晩年の作品”で御座いました。

『 The Man With The Horn / Miles Davis ( 1981 ) 』

ここで、簡単にマイルス デイヴィスさんの“オサライ”をさせて頂きます。

1926年に誕生して1945年にデビューしたマイルス デイヴィスさんは、1970年頃からバンドにエレキギター、キーボード他“電子楽器”を取り入れ、自らのトランペットにも電気的エフェクターを好んで採用。コノ時代は所謂“エレキ(エレクトロ)時代”と呼ばれており、コアなファンからはヒジョーに低評価なのが現実であります。

1972年に愛車「 LAMBORGHINI MIURA ( アイキャッチ画像参照 ) 」を運転中に、車を全損する大事故(グローブボックスのコカインを同乗者が始末した逸話あり)を起こして以降は体調、メンタル面で極めて不安定になってしまい、1975年頃から5〜6年間“雲隠れ期”に突入(ドン チードルさん監督、主演の作品は主にコノ時期を描いている)。

『 The Man With The Horn 』は、そんなマイルス デイヴィスさんの華々しいカムバック アルバムで御座いましたが、ロック&ポップ色が濃いサウンドは、“マイルス信者”から総スカンを喰らいセールス的にも大失敗……………

マイルス デイヴィスさん ( 本名 Miles Dewey Davis III / アメリカ、1926〜1991 )

例えどんなに器用なクリエイター(アーティスト)であっても、ファン(支持者)が求めるサウンドと、自分が創造したいサウンドに相違点が生じるのは仕方ない事態であり、故に“駄作”と呼ばれる作品が登場してしまうのですが、反対に云えば“評価の低い作品=駄作(本当にダメな作品)”という図式が必ずしも成り立つ訳ではなく、改めて聞けば“新しい感動を伴う名作(迷作)”を発掘出来る可能性もあります( DEEP PURPLEさんの『 Come Taste the Band ( 1975 ) 』が好例 )。

『 The Man With The Horn ( 1981 ) 』もジャズ、ロック、ポップの垣根を超えた謂わば“マイルス デイヴィス ミュージック”の真骨頂。特にマイク スターンさんのギターが凄まじく、むちゃくちゃ“ロックっぽい”のに、トランペットやベースとの絡みは如何にもジャズそのもの、何とも新鮮で心地良く耳に残ります(マイク スターンさんは後のインタビューで「マイルスからは常に“ジミヘンっぽく弾け”と言われて疲れた。」と語っておりました)。

但し、初めて聴いた際“曲順がおかしいんじゃねーの?”と違和感を覚えましたが、今聴き直してもやはり同感なので“シャッフル再生”を強くオススメ致します。何れにしても、むしろ“ジャズに興味の無いロック ファン”に是非とも聴いて頂きたいアルバムと云えます。

ところで、マイルス デイヴィスさんを再考される上で“最も重要なポイント”を申し上げます……………

『 Sorcerer / Miles Davis ( 1967 ) 』

『 On the Corner / Miles Davis ( 1972 ) 』

『 You’re Under Arrest / Miles Davis ( 1985 ) 』

上記のアルバム ジャケット シリーズを御覧になれば一目瞭然。

とにかく“アルバム ジャケットのセンスが悪い”ので御座います。特に『 You’re Under Arrest ( 1985 ) 』に於かれましては、マイケル ジャクソンさん、シンディー ローパーさんの名曲カバーを収録する“激ポップ アルバム”にも拘らず、黒装束でライフルらしき物体を抱えた物騒さ……………

誠に失礼ながら、ジェフ ベック先生を凌ぐ“世界一アルバム ジャケットのセンスが悪いミュージシャン”の称号を贈呈したいと思います。

ですから皆さんは決してジャケットに惑わされない様、くれぐれも宜しく御願い致します!

『 Miles Davis & Chaka Khan : Human Nature ( Live in Montreux 1989 ) 』

( 画像1、2、4〜8はネットから拝借。画像3は自身のInstagramより。)

Sustainable Fashon ( 持続可能なファッション ) ……

例えファッションに興味が無い方でも、私と同世代(50代)もしくはソレ以上の方であれば、“ステラ マッカートニー(Stella McCartney)”という名前を聞いて、“ひょっとして?”と思うに違いありません……………

御察しの通り、ビートルズのフロントマンだったポール マッカートニーさん ( 本名 “Sir” James Paul McCartney : イギリス , 1942〜 ) の娘さん(次女)で御座います。

ステラ マッカートニーさん ( 本名 Stella Nina McCartney : イギリス , 1971〜 )

12歳頃からデザインに目覚めたステラ マッカートニーさんは、僅か15歳で“パリの一流メゾン” Christian Lacroix ( クリスチャン ラクロワ ) に入店。パリコレ等で貴重な経験を積んだ後は、ロンドンに戻ってサヴィル ロウで“メンズ テーラード スーツ”の基礎を学びました。

1995年、先日御紹介した故アレキサンダー マックイーンさんと同様に、「 セントラル セント マーチンズ 」卒業作品で一躍有名になった彼女は1997年、“パリの名門” Chloé ( クロエ ) のチーフ デザイナーに抜擢(何と“故カール ラガーフェルド先生”の後釜として)。

2001年、自身のシグネチャー ブランド 「 Stella McCartney ( ステラ マッカートニー ) 」でパリ コレクションに初参加。現在に至ります。

『 Stella McCartney / 2019〜2020 Autumn & Winter Collection in Paris 』

経歴並びに功績を見る限り、正にアレキサンダー マックイーンさんに勝るとも劣らない“天才デザイナー”であります。加えて、自分のヴィジョンを短期間で具現化する行動力は、ビジネス センスにも秀でた証拠であり、謂わば“トム フォードさん的プロデュース力”さえ持ち合わせております。

しかしながら本日は、ステラ マッカートニーさん“デザイナーとしての才能”ではなく、“人間としてのポリシー”に関するお話をさせて頂きます。

上記2点は「 Stella McCartney ロンドン本店 」の店内。

数点のポイントが御座いまして……………

❇️ 1 ) 壁には、混凝紙(こんくりがみ)と呼ばれる“リサイクル壁紙”を使用している。

( 原料は「 Stella McCartney ヘッドオフィス 」から出たシュレッダー書類。)

❇️ 2 ) 殆どの家具には、“リサイクル クッション材”を使用している。

❇️ 3 ) マネキン人形には、“サトウキビ由来バイオ プラスチック”を使用している。

❇️ 4 ) 外壁は、“解体ビルから出た古いコンクリート”を使用している。

つまり、“トップモードの旗艦店”にも拘らず、“環境への配慮”が徹底されているのであります。

過去にも“環境問題”を提起するデザイナー(ブランド)は数多く存在致しましたし、天然皮革製品の自粛をアピールする企業(メーカー)も珍しくありませんが、ステラ マッカートニーさんの“主張及び行動”は一味も二味も違います(以下引用)。

【「ステラ マッカートニー」が“ファー フリー ファー”の米商標登録を目指して活動中 】( WWD JAPAN.com )

「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」は、フェイクファーを使用したアパレルやハンドバッグ、アクセサリー類を“ファー フリー ファー(FUR-FREE FUR)”製品と呼んで米国での商標登録を目指しているが、その道が開けそうだ。

米国特許商標庁は、「商標登録に値するほどの特徴がない」として同ブランドの申請を却下したが、商標登録に関する訴訟の審理を行う行政裁判機関である商標審判部が3月29日の審判でこれを覆した。商標審判官のトーマス・ショー(Thomas Shaw)は、「“ファー”という言葉が1つのセンテンス内でリアルファーとフェイクファーの両方の意味で使用されており、矛盾があるところが特徴的だ」と述べた。( 2019年4月8日 )

ステラ マッカートニーさんが提唱する「 ファー フリー ファー ( FUR-FREE FUR ) 」は、直訳すれば“本物の毛皮を使用していない毛皮”であります。

( 因みに、我が国の慣例では人工皮革も“Leather”という表示が許されており、天然皮革は“本皮”又は“Genuine Leather”と区別するのが一般的。)

使い古された“フェイクファー”よりも、聞き慣れない“ファー フリー ファー”というワードは、良い意味で“耳に残る”誠に斬新な商標で御座います。

考えてみれば、ファッションは“最も身近な芸術”であり、未来永劫に続くべき“人類の財産”でもあります!


『 Stella McCartney / 2019〜2020 Autumn & Winter Collection in Paris 』

❇️「 Sustainable Fashion ( 持続可能なファッション ) 」の為には、ステラ マッカートニーさんの様な方が是非とも必要なのでは?と、改めて実感した変態オッサンでありました………



( 画像は全てネットから拝借。)

明暗を分けた老舗 ……

当ブログでは以前、ギター メーカーの“2大巨頭”であるFenderさんとGibsonさんの現状についてお伝え致しました。

オーディオやアパレル分野に進出し、着実に“新たなブランド価値”を高め続けるFenderさんに対して、“M&A(合併&買収)”によって次々とオーディオ、電気メーカーetc.を傘下に収め“世界一の音響帝国”を目指すも大失速。2018年初頭には我が国の“民事再生法”に相当する「 米連邦破産法第11章 ( 通称“チャプター11” ) 」の適用を申請して、事実上“倒産状態”でひたすら救援を待ち続けるGibsonさん……………

両社共に“多角経営”というヴィジョンは同様ながらも、“アプローチの違い”によって明暗を分けた形となってしまいました。


Fenderさん並びにGibsonさんは、ピアノ メーカーに例えるならば Steinway & Sons ( スタインウェイ&サンズ : アメリカ , 1853〜 ) さんや Bechestein ( ベヒシュタイン : ドイツ , 1853〜 ) さんの様な“超名門ブランド”であります。

よって、多くの“世界的ギタリスト”が愛用しておりますので、“Gibsonユーザー有志連合”が何らかの手を差し伸べるのでは?との期待もありましたが、やはり“ビジネスライク”に考えればそんなに生温いハズもなく、改めて“老舗企業の問題点”を考えさせられた気が致します。


❇️ ところで先日、ソレを象徴する(?)トピックを新たに発見……………

“Gibsonイメージを代表するビッグネームの1人”である、かのジミー ペイジ先生 ( Jimmy Page OBE : イギリス , 1944〜 ) に関しましては、今更説明の必要も無いかと思われますが、Led Zeppelin ( レッド ツェッペリン : イギリス , 1968〜1980 ) のギタリストとして活躍した“スーパー ロック ギタリスト”であります。

そんなジミー ペイジ先生が、予想外にも“Fender”からシグネイチャー モデルを発売!

しかも、自らのメジャー キャリア原点である Yardbirds ( ヤードバーズ : イギリス , 1966〜1968年に在籍、当初はベーシストとして参加 ) 時代の愛機を、“一筆入魂 オリジナル ペインティング”で再現した正に翠玉の逸品。

「 Jimmy Page Dragon Telecaster 」by Fender Custom Shop 2019

左はポール ウォーラーさん ( Fender Custom Shop マスター ビルダー )

そもそも、ジミー ペイジ先生はアート スクール出身でありまして、若い頃からステージ衣装もプライベートの服装も、オリジナリティー溢れるファッショナブルさが特徴的でありました。今回のシグネイチャー モデルも単なる“ライセンス付与”ではなく、アーティストとしてのクリエイティビティーを充分に感じさせる、謂わば“ジミー ペイジ先生 責任監修品”で御座います。

因みに、まるで“ドキュメンタリー映画”ライクなジミー ペイジ先生による“商品解説 プロモーション ムービー”はコチラ。

『 The Making Of Jimmy Page‘s Mirrored and Dragon®️ / Fender 2019 』

Yardbirds加入後、最初に使用したテレキャスター(後に“Dragon Telecaster”に変貌)は、何と“ジェフ ベック先輩からのプレゼント”だったお話や、その他レアなお話が次々と登場する傑作プロモーション ムービー。

本プロモーション ムービーの見事な出来映え、及び商品完成度の高さを見るにつけ、“ジミー ペイジ先生にも見捨てられたGibsonさんの悲哀”を、ひしひしと感じる変態オッサンでありました。

❇️ Gibsonさんよ何処へ行く……………

( 画像は全てネットから拝借。)


本年も宜しく御願い致します ……

当サイト(ブログ)数少ない読者の皆様に於かれましては、いつも誠に有難う御座います。

2019年も宜しく御願い致します。

さて、本年度第1回目に当たり、“2019年最も注目するべき人物”を御紹介しようと決めていたのでありますが、複数分野からお1人ずつ御紹介するよりも、“ベリー ベスト”を1人だけ御紹介しようと決めましたが……………

さんざん迷った挙げ句“音楽分野”に決定し、しかも敢えて不得意な“若手ニュー ウェーブ系女性ヴォーカリスト”ジャンルから、“とっておきのオススメ女性ヴォーカリスト”を御紹介させて頂きます。

❇️ ビリー アイリッシュさん ( Billie Eilish : アメリカ , 2001〜 )。

若干17歳の“シンガー ソングライター”ビリー アイリッシュさん。

世界中で“SNSインフルエンサー”として既に有名であり、若い世代の“ファッション リーダー”としても定着しつつありますが、ヴォーカリスト(シンガー ソングライター)として重要なのは、云うまでもなく“サウンド&リリック(歌詞)”だと考えますので、先ずは、彼女を一躍有名にしたビデオ クリップを御覧頂きたいと思います。

但し、“倫理上(精神衛生上)不適切と思われる演出”を一部含んでおり、謂わば“社会的問題作”である点を御理解の上で御覧下さい……………


『 Watch / Billie Eilish 2017 』

上記のビデオ クリップは公開当初、「イジメ(パワハラ及びセクハラ)を受けた女の子が、焼身自殺するのをイメージさせる。」と否定的な御意見が多数でありましたが、主に10代〜20代の視聴者は「弱い自分を焼き払って、強い自分に生まれ変わって歩み始める。」と極めて“肯定的に捉える方々”も多く、賛否両論を巻き起こして、世界中でチョットした社会現象となりました。





彼女の“音楽性並びにメッセージ”は、1970年代〜1980年代で云えば「 パンク ( Punk ) 」と呼ばれていたジャンルに近いのですが、現在では「 オルタナティブ ポップ ( Alternative Pop ) 」と呼んだ方が分かり易いかと。


因みに、ビリー アイリッシュさん。

生まれながらにして「 聴覚情報処理障害 」が持病であり、よって“一度も学校に通わず、自宅教育(ホーム スクール)で学習した”という若干特異な経験をお持ちでありますが、過去のインタビューで「学校に通わなかった代わりに、地元合唱団での活動から多くを学んだ。」と仰っておりました。

通常ならば“学校(集団行動)”で学ぶべき多感な時期に、ひたすら“自分と向き合う孤独”で身に付けた世界観が、物哀しく切ないメロディーに象徴されているのかも知れません……………



『 Lovely / Billie Eilish ( with Khalid ) 2018 』

“オリジナリティー溢れる音楽性”や“ダイレクトなメッセージ”に加えて“スタイリッシュなルックス”、そして何よりも“心に染み渡る不思議なメロディー”……………

過去10年間に登場した“ティーンエイジャー ディーヴァ”の中でも、あらゆる意味で特出した実力派で御座います。

❇️ 改めてココに断言致します。

2019年は“ビリー アイリッシュさん”から目が離せません!

アルバム『 Don‘t Smile At Me / Billie Eilish 2017 』

せめて音楽業界だけでも“若者が悩みとメッセージを自由に表現出来る世界”であって欲しい……………

心より願う“2019年初頭の変態オッサン”でありました。

( 画像は全てネットから拝借。)

London Calling ……

❇️ 1960年代のロンドンと云えば、当ブログでも何度か御紹介した『 BLOW – UP ( 邦題 : 欲望 ) イギリス、イタリア合作 / ミケランジェロ アントニオーニ監督 1967 』や……………

❇️ “ミニスカートの妖精”ツイッギーさん ( Twiggy : イギリス , 1949〜 ) や……………

❇️ “労働階級の若者”から発生した「 Mods ムーブメント ( ロンドン , 1950年代〜1960年代 ) 」や……………

❇️ 今更“説明不要のロック グループ”ビートルズ ( BEATLES : イギリス , 1957〜1970 ) ……………

上記は何も“ポップ カルチャー”として、ロンドンから発信されたコンテンツでありまして、当時の世界中を見渡しても極めて“オリジナリティー溢れる”象徴的なコンテンツ(ムーブメント)で御座いました。

よって、世界中の若者に何らかの影響を与え続けたロンドンは、“最も影響力がある都市”として世界中に知れ渡り、ファッション、音楽、ライフ スタイル、思想に於ける先進都市としてソノ後長期間に渡って君臨致します。

つまり、“新しい風”は常にロンドンから吹いて来たのでありました。

そんな“ロンドンが熱かった時代”を知る上で貴重な資料であり、かつ娯楽性に富んだ話題作が、2019年早々に我が国でも公開されます。

『 My Generation ( 邦題 : マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!) イギリス / デビッド バッティ監督 2017 』

出演 : ビートルズ(ポール・マッカートニー&ジョン・レノン)、ローリング・ストーンズ、ザ・フー、マリアンヌ・フェイスフル、ツィギー、デイヴィッド・ベイリー、メアリー・クワント、ジョン・レノン、デイヴィッド・ボウイ、ヴィダル・サスーン、デイヴィッド・ホックニー、ジョーン・コリンス、サンディ・ショウ……………

❇️ 2019年1/5(土)よりロードショー ( Bunkamura ル・シネマ他 )。

誠に失礼ながら勉強不足な私は、“デビッド バッティ ( David Batty ) さん”と聞いても“元サッカー選手”しか思い浮かびませんので、イギリス人メル友に尋ねましたところ「BBCのドキュメンタリー番組でケッコー有名な監督だよ。」との御言葉。

ひょっとしたら今後、ブレイク必至の“新進気鋭監督”かも知れません……………

ところで、本作品。

“プロデューサー兼主演”を、イギリスの名優マイケル ケインさん ( Michael Caine , CBE : イギリス , 1933〜 ) が担当されております。

マイケル ケインさんは所謂“名作(傑作)”ばかりではなく、多くの“珍作(怪作)”にも御出演され、女王陛下から“大英帝国勲章並びにナイト称号”を授与された、正に“イギリスを代表する名優”であります。

因みにマイケル ケインさんは、ロンドン生まれロンドン育ちで御座いますので、“実体験を有したストーリー テラー”であり、本作品の“プロデューサー兼主演”は実に適任かと思われます。

出演者はロック スターやモデルばかりではなく、“巨匠ファッション フォトグラファー”のデイヴィッド ベイリーさんや、“地球一有名なヘアドレッサー”ヴィダル サッスーンさんetc.何とも豪華絢爛。映画の枠を超えた“文化&ファッション教材”としても有益な逸品。

但し、強く感じるのは“50年後の未来から現代を顧みた時、はたして“こんなにも刺激的で輝いているのか?”という疑問……………

何れにせよ、是非とも御覧頂きたい作品で御座います!


『 My Generation ー Official Trailer ー ( 2017 ) 』

❇️ 1981年、ロンドン。

“ニュー ロマンティック全盛期”のロンドンを訪れた変態オッサン。オシャレな男女が皆んな“眉毛を剃っていた”のを見て、“コレしかない”と早速ホテルで両眉毛を剃り、夜のロンドンに颯爽と繰り出しました。

ロンドン滞在中はさておき、東京に戻って以降の数ヶ月間“ヒジョーに恥ずかしかった”のは言うまでもありません……………

( 画像は全てネットから拝借。)


脱力系ヴォーカリスト世界一 ……

❇️ 1985年、パリ。

TV文化に於いて謂わば“発展途上国”であったフランスは、正直なところ興味深いTVプログラムが皆無であり、私は主にアメリカのMTVをフランスで独自に編集した“MTV フランス編集版”を観ておりましたが、圧倒的な人気を誇るビデオ クリップが存在致しました……………

ロバート パーマーさんの「 Addicted To Love ( 邦題 : 恋におぼれて ) 」で御座います。


『 Addicted To Love / Robert Palmer  ( 1985 ) 』


今にして思えば、マイケル ジャクソンさんやデュラン デュランさんetc.“制作費ン億円”の豪華絢爛ビデオ クリップ全盛期。むしろ“チープ&プリミティブ”なロバート パーマーさんのビデオ クリップは極めて新鮮だった上に、当時のCHANEL ビューティー広告と“ヘアメイク イメージが似ていた”ので、フランスで大ブレイクしたのだと思われます……………


ロバート パーマーさん ( 本名 : Robert Allen Palmer , イギリス , 1949〜2003 )

ロバート パーマーさんと云えば、「 Addicted To Love 」 ( 後に全米シングルチャート1位獲得の大ヒット ) と同時期に、パワー ステーション ( デュラン デュラン並びにシックのメンバーも参加 ) での活動が有名でありますので、“パワー ステーションのロバート パーマー”として御存知の方も多いかと。

そんなロバート パーマーさん。一体何がどの様に凄いのか……………

❇️ 1 ) “古き良き時代”のプレイボーイ感満載。

ソノ点に関しましてはブライアン フェリーさん ( ロキシー ミュージック ) と双璧で御座います。

ブライアン フェリーさん ( Bryan Ferry , イギリス , 1945〜 )

❇️ 2 ) “脱力感”。

1987年には何とグラミー賞の「 最優秀男性ロック ヴォーカリスト賞 」を獲得しており、誠にソウルフルな“熱い歌唱力”をお持ちながら、決してソノ“武器”を使う事なく、ひたすら“ポップでカジュアル(時にトロピカル?)”なヴォーカル スタイルを徹底。

❇️ 3 ) “スタイリッシュ”。

ステージやビデオ クリップでは主にアルマーニ製スーツを愛用。しかもタイドアップ(ネクタイ着用)で極めてダンディー。

因みに、「 Addicted To Love 」のワールド ビッグヒットで気を良くしたロバート パーマーさんが、次に放ったシングル曲のビデオ クリップが……………

『 I Didn’t Mean To Turn You On / Robert  Palmer  ( 1985 ) 』

❇️ 前回と“まんま同じ”じゃねーの!

しかしながら、“二匹目のドジョウ”を狙える程に音楽業界は甘くありませんので、当然コノ曲は“大ハズレ”に終わると誰もが予想しましたが、意外にも“全米シングルチャート2位”と大健闘致しました。

まるで“コントの様に同じネタ”を使い回す点も、“元祖 脱力ヴォーカリスト”のロバート パーマーさんらしい魅力で御座います。

❇️ 2003年9月26日、パリ。

15歳年下のガールフレンドとバカンス中、心臓発作により若干54歳で他界されたロバート パーマーさん。

“プレイボーイ”を貫いた人生でありました。

私がロバート パーマーさんを知ったのがパリで、 ロバート パーマーさんが最期を迎えられたのもパリ。

皮肉な運命を感じます……………


代表作品『 Riptide / Robert Palmer  ( 1985 ) 』

ベストアルバム『 Best of Both Worlds: Anthology 1974-2001 / Robert Palmer  ( 2002 ) 』

❇️ ところで、変態オッサンは考えます。

今の時代だからこそ、“実力派 脱力ヴォーカリスト”がロバート パーマーさんの楽曲をカバーしたり、「 Addicted To Love 」のビデオ クリップを“オマージュとしてパロディ化”したらヒジョーに面白いのでは?……………

1980年代ロックを未体験の世代にとっては、“クイーン現象”に通じる“カッコ良さ”を見出せる気が致します。

例えば、我が国を代表する“プレイボーイ系ヴォーカリスト”横山 剣 さん ( クレージーケンバンド ) なんぞ適任だと思います。

横山 剣さん ( Ken Yokoyama , 神奈川県出身 , 1960〜 )

( 画像は全てネットから拝借。)


新時代クロスオーバー ……

❇️ パリの思い出(1980年代)。

日曜日になると市内の大きな公園では、クラシックをメインとした“フリー コンサート”が行われるのでありますが、出演メンバーが“世界的な楽団etc.”何とも豪華で驚いたのを覚えております。

当ブログのプロデューサー“秀津風親方さん”曰く「最近は都内の“フリー コンサート”でもクラシック、ジャズ、ロック等の一流ミュージシャンが登場する。」との事でありますから、“地方都市での普及”には更に時間が掛かるにせよ、我が国でも音楽が“より身近な存在”になりつつあると実感致します。

 

しかしながら、私が驚いた点は他にもあります。

楽団としての演奏終了後、ヴァイオリニストさんが“ロックやポップスの名曲”を演奏するというサービスがあるのですが、ソレがむちゃくちゃカッコ良くて感動した件。

過去に“世界的オペラ歌手”によるビートルズ楽曲を何度か聴いた経験がありますが、ポピュラー ミュージックに於ける“プロの凄み”はテクニック云々ではなく、他人には再現不可能な“オンリーワンの音”であると確信していた私は、失礼ながら“ビートルズ by 世界的オペラ歌手”にはイマイチ共感出来ず、以降“クラシック ミュージシャンのポップス介入”には懐疑的で御座いましたが……………

ー “ヴァイオリニストは意外とイケるかも?” ー

思わず「 リュクサンブール公園 ( Jardin du Luxembourg ) : パリ6区 」で立ち尽くした変態オッサンであります。

 

❇️ 時代は変わって(2018年)。

インターネットの普及で世界は著しく狭くなりました。

先日、“ジャパニーズ アニメ好き”のアメリカ人メル友から「最近は“ロック ヴァイオリニスト”Ayasaがお気に入りデス。」とのメールを頂戴しましたが、アニメが苦手な私にとっては「AyasaってWho?ロック ヴァイオリニストってWhat?」状態なので、早速調べましたらところ……………

 

 

【 Ayasaさん / 本名 : 島村 絢沙 ( シマムラ アヤサ ) , 東京都出身 , 1991〜 】

 

 

Ayasaさんは3歳よりヴァイオリンの英才教育を受け、イタリアの有名ヴァイオリニストであるサルヴァトーレ アッカルド ( Salvatore Accardo ) さんに師事した本格派ながらも、後にポピュラー ミュージックに転向して御活躍中。

アニメ好きで自称“ヲタリスト”でもあるAyasaさんは、アニメソングをヴァイオリンでカヴァーしたYouTube動画で大注目。ヒジョーに魅力的な“女性ロック ヴァイオリニスト”で御座いました。

 

 

 

 

2016年のSONYさん「 XPERIA 」CMを覚えていらっしゃる方も多いかと……………

 

 

『 VOICES Strings ver. 〜 feat Ayasa ー Xperia  ( 2016 ) 』

 

 

因みにヴァイオリンは、1500年代に登場した際には既に“現在と同様の形状と機能”を有しており、誕生とほぼ同時に“完成”していた特異な楽器であります。よって1700年代製のAntonio Stradivari作品(所謂“ストラディバリウス”)は、“超高級工芸品”であると同時に立派な“実用品”として現役活躍中。

つまりヴァイオリンは、“クラシック(トラディショナル)かつモダンな楽器”であり、故に時代を超越して我々を魅了するのかも知れません……………

 

 

『 BEST I / Ayasa  ( 2017 ) 』

 

 

“クロスオーバー ヴァイオリニスト”としては、Taro Hakaseさん ( 葉加瀬 太郎 , 大阪府出身 , 1968〜 ) が余りにも有名でありますが、Ayasaさんもクラシックを主軸に置きつつ、ジャンルに拘らない“異種格闘技 音楽フィールド”で、是非とも挑戦し続けて頂きたいと思います!

 

 

 

 

ところでAyasaさん。

Twitterのヘッダーには“バヨリン弾き”と表示されておりますが、“ヴァイオリニスト”よりも“バヨリン弾き”の方が、遥かにバタ臭くて古風であります。

 

“美しくてスタイリッシュなルックス”にも拘らず、意外にも“骨太音楽家”の香りが……………

 

 

『 Rosenkreutz 〜 Ayasa Theater episode 2  ( 2017 ) 』

 

 

 

 

 

( 画像1、5、6、7、11はAyasaさんのTwitterから拝借。画像2、3、4、8、9、10、12はネットから拝借。)

今、覚えておくべき名前 ……

音楽プロデューサー、ミュージシャン、MC、服飾デザイナーetc.正に“スーパー マルチ アーティスト”であるカニエ ウェストさん ( 本名 Kanye Omari West : アメリカ , 1977〜 ) につきましては、今更説明の必要は無いかと思われますが、そんなカニエ ウエストさんの“イメージング ディレクター”的存在だった、ヴァージル アブローさんという人物を御存知でしょーか?……………

 

 

ヴァージル アブローさん ( Virgil Abloh : アメリカ , 1981〜 )

 

 

ヴァージル アブローさんを御存知ないお方の為に、極めて雑なオサライをさせて頂きますと……………

大学で建築を学んで「 博士号 」まで所得したヴァージル アブローさんは、卒業後カニエ ウエストさんと出会ってミュージック シーンに関わります。ソノ後、“お互いの共通趣味”であったファッション分野で切磋琢磨した結果、お二人共に“破格のマルチ アーティスト”として大成功を納めた訳で御座います。

特筆すべきは2009年、お二人揃ってイタリアの老舗ブランド「 Fendi 」に於いてインターンシップ(実務研修)を敢行した点であります。

既にセレブの仲間入りを果たしていた有名人が、本当に“週休500ドル”で他のインターン同様に働いていたのか?と懐疑的な声も多く聞かれましたが、当時の「 Fendi 」CEOマイケル バークさん ( 現「 Louis Vuitton 」CEO ) は「2人の真面目な働きぶりと、周辺に与えた好影響には感嘆した。」と語っており、ファッション業界では有名な“神話”となっております。

 

そんな“斬新かつ積極的体験”が功をなし、ヴァージル アブローさんは2014年に御自身の服飾ブランド「 OFF-WHITE 」を設立。そして2018年3月には“黒人初”の「 Louis Vuitton 」メンズ部門、アーティスティック ディレクターに御就任。

フランス、パリの王宮パレ ロワイヤルで6月21日に開催された『 Louis Vuitton ー Spring / Summer 2019 』で華々しくデビュー致しました。

 

 

『 Louis Vuitton ー Spring / Summer 2019 ー Paris Men’s Collection 』

 

 

どちらかと云えば“型破りアウトロー タイプ”であるヴァージル アブローさんを、“コンサバ系の老舗”「 Louis Vuitton 」さんが指名したのには驚きましたが、“想像も絶するであろう重圧”を見事に跳ね返し、実に堂々としたコレクションを披露したヴァージル アブローさん……………

誠にアッパレで御座います。

 

 

『 Louis Vuitton ー Spring / Summer 2019 ー Paris Men’s Collection 』

 

 

因みに、こんな“新アーティスティック ディレクター記念商品”まで登場。

 

 

『 Air Jordan 1 ( Nike × Louis Vuitton )  2018 』

❇️ お値段、何と“約45万円”……………

 

 

ところで、ヴァージル アブローさんは“現役真っ只中のクリエイター”でありながら、世界的美術館での“回顧展”が2019年に予定されております(以下引用)。

 

 

【 ヴァージル・アブローの回顧展がシカゴで開催決定 ファッション、音楽、建築までキャリアを網羅 】( WWD JAPAN )

ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の回顧展「ヴァージル・アブロー:フィギュアズ オブ スピーチ(Virgil Abloh: Figures of Speech)」が、2019年6月8日から9月下旬まで米シカゴ現代美術館(The Museum of Contemporary Art)で開催される。

回顧展は、ヴァージルがカニエ・ウェスト(Kanye West)のクリエイティブ・エージェンシーのドンダ(DONDA)や、動画プロジェクトとしてスタートした「パイレックス ヴィジョン(PYREX VISION)」、ヘロン・プレストン(Heron Preston)らと立ち上げたアート集団ビーントリル(BEEN TRILL)などで働いていた時から現在までのキャリアを追う展開で構成される。そのうち、半分か4分の3はファッションについての展示になるという。( 2018年8月7日 )

 

 

おそらく“向こう10年間、最も注目すべきパワー セレブの1人”であると推測出来ます。

 

今の時代、クリエイターにとって最も重要なのは“如何に学んで、如何に表現するか”という謂わば「 セルフ プロデュース力 」だと、改めて実感した変態オッサンでありました!

 

 

『 Highlights from Louis Vuitton Men’s Spring ー Summer  2019 』

❇️ “実音(生演奏)バージョン”が若干長いので、“BGMアフレコ バージョン”で御了承下さい。

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

 

 

秀作か迷作か ……

先日、“我が国が世界に誇る”探査機「 はやぶさ 2 」が小惑星「 りゅうぐう 」の撮影に成功した際、ロックバンド Queenのギタリストであるブライアン メイさん ( 本名 Brian Harold May : イギリス , 1947〜 ) が、“お祝いコメント”を寄せて下さったのが話題となりました。ブライアン メイさんは高明な天文学者でもあり、1960年代には何と「 イギリス 宇宙ロケット 開発プロジェクト 」の中心メンバーだったお方です。

Queen ( クイーン : イギリス , 1971〜 ) は、天文学者ブライアン メイさんの他にも“豪華絢爛インテリ メンバー”を揃えた特異なバンドで御座いまして、生み出されるサウンドもインテリジェンス溢れる“複雑なロックンロール”でありました。特にデビュー当初〜中期の活動期間は、敢えて“シンセサイザー未使用”を前面に押し出し、恐ろしい回数の“オーバーダビング”によってなし得た“超ド級サウンド”を貫きました。

 

因みに「 人生に於ける 感動ライブ ベスト5 」では、未だに堂々1位をキープしております(以下参照)……………

 

❇ 1 ) Queen

❇ 2 ) U2

❇ 3 ) David Bowie

❇ 4 ) Girls‘ Generation ( 少女時代 )

❇ 5 ) Edgar Winter

 

 

ブライアン メイさん ( Guitar )

フレディー マーキュリーさん ( Vocal )

ロジャー テイラーさん ( Drums )

ジョン ディーコンさん ( Bass )

 

 

そこで本日は、秀作か否か不明の“要注意作品”を御紹介させて頂きます。

 

『 ユージュアル サスペクツ ( The Usual Suspects )  1995 』で脚光を浴び、ソノ後は『 X-メン ( X-MEN ) 』シリーズ等の娯楽大作や、スキャンダルな話題作を数多く手掛けたブライアン シンガーさん ( Bryan Singer : アメリカ , 1965〜 ) が、ヴォーカルの故フレディー マーキュリーさんを中心にバンド ストーリーを描いた、“Queen 伝記映画”を監督すると発表したのは7〜8年前だったと記憶しております。

 

 

 

 

❇「 ブライアン シンガー ✖ Queen 」何とも魅力的なコラボレーション。

私は第一報を聞いて狂喜乱舞致しましたが、待てど暮らせど“クランクアップした”という話が全く聞こえません。

本来の芸風が“かなりアーティスティック”であるブライアン シンガーさん。『 X-メン 』シリーズや『 スーパーマン リターンズ ( Superman Returns )  2006 』等の娯楽大作は極めて“ストレスの元”だったらしく、アイディアに行き詰まると“勝手に現場を離れる”とか、約束の時間に現れず連絡も取れないとか、次第にネガティブな噂まみれの“ブラック監督”に……………

 

誠にイヤ〜〜な雰囲気真っ只中、予想通りの結末が訪れたのは昨年で御座いました(以下引用)。

 

 

【 クイーンの伝記映画、シンガー監督の解任後新たな監督を発表。『キック・アス』出演のデクスター・フレッチャー 】( rockin’on.com )

『X-MEN』シリーズなどで知られるブライアン・シンガー監督が撮影現場放棄を理由に『Bohemian Rhapsody(原題)』の監督を解任されたことは先日報じた通りだが、解任の発表からわずか2日で新たな監督が決定したことが公表された。

「Variety」によると新しく監督を務めるのはデクスター・フレッチャーで、あと2週間ほど残っている『Bohemian Rhapsody(原題)』の撮影を引き継ぐとのことだ。デクスター・フレッチャーは俳優としても活動しており、『キック・アス』や『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』などへの出演で知られる。ブライアン・シンガー監督のように大作の監督経験はないものの、2014年の『ワイルド・ビル』で監督デビューを果たしたあと『サンシャイン 歌声が響く街』と『イーグル・ジャンプ』(日本未公開)の監督を務めている。( 2017年12月7日 )

 

 

ソノ様な紆余曲折を経て、やっと“完成のお知らせ”が届きました(以下引用)。

 

 

【 フレディ・マーキュリーの自伝映画『Bohemian Rhapsody』のトレーラーが解禁に 】( ARBAN )

クイーンのボーカル、故フレディ・マーキュリーの伝記映画『Bohemian Rhapsody』のトレーラー映像が、日本時間5月15日(水)午後10時にクイーンのオフィシャルYoutubeなどで解禁される。これに先駆け、クイーンの公式SNSでは約10秒のティザー映像と約1分の映像『Behind The Scene on Bohemian Rhapsody』、ポスター・ビジュアルが公開されている。

11月2日(金)に公開が予定されている同作は、1970年のクイーン結成から1985年の英ウェンブリー・スタジアムでの「ライブ・エイド」に至るまで、彼らがスターダムへと上り詰めるまでを描いた内容となっている。同作でフレディに扮するのは、映画『ナイトミュージアム』や『バトルシップ』などにも出演した俳優のラミ・マレック。そのほか、ブライアン・メイ(G)役にグウィリム・リー、ロジャー・テイラー(Dr)役にベン・ハーディ、ジョン・ディーコン(B)役にジョゼフ・マゼロが起用されている。( 2018年5月16日 )

 

 

つまり、ブライアン シンガーさんが“99%撮り終えて解雇”された作品を、デクスター フレッチャーさん ( Dexter Fletcher : イギリス , 1966〜 ) が仕上げた上に、「私はチョットしか関わっていないので、ブライアン シンガーさん名義で発表して下さい。」と申し出た事により、目出度く“ブライアン シンガー作品”として公開に至った訳で御座います。

過去にも“監督交代作品”は数多く存在致しましたが、正直なところ、殆どが“大ハズレ作品”でありました。

但し本作品は、若くして散ったフレディー マーキュリーさんという“不世出なヴォーカリスト”を知る意味でも、特に“Queen世代ではない若い方々”が是非とも観るべき作品かと思われます。

 

正にQueen世代の奇才監督による“珍作”……………

 

 

『 ボヘミアン ラプソディ ( Bohemian Rhapsody ) / 監督 : ブライアン シンガー  2018 』

2018年11月2日(金曜日)公開予定。

 

 

 

❇ 1991年11月、渋谷、某BAR カウンター席。

 

バーテンさん ( 30代男性 )「フレディー マーキュリーさんがAIDSで亡くなったの御存知ですか?」

隣のお客さん ( 20代女性 )「フレディー マーキュリーって誰ですか?」

変態オッサン ( 当時29歳 )「人生で観た(聴いた)中で、間違いなく“世界一のヴォーカリスト”ですよ!」

 

そそくさとBARを出て帰宅。

徹夜でQueenのレコードを聴きまくった変態オッサンでありました……………

 

 

 

『 Bohemian Rhapsody : The Movie – Official Teaser  2018 』

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

 

 

 

 

 

 

職人的音楽写真家 ……

1900年代前半のファッション フォトグラフに於いて、革新的技法を用いて偉大な足跡を残した写真家セシル ビートンさん ( 本名 : Cecil Walter Hardy Beaton , イギリス , 1904〜1980 ) は、同時にイギリス王室お抱えの「 宮廷写真家 」としても有名であり(後に“大英帝国勲章”受章)、写真に興味をお持ちの方なら「 宮廷写真家 」と云えば、即ちセシル ビートンさんを思い浮かべるかと思われます。

本来、肩書きやキャッチフレーズは“特定ジャンルに長けたスペシャリスト”を意味致します。つまり肩書きで呼ばれるクリエイターには、どこか職人的で特別な魅力を兼ね備えた方が多く、肩書きは、クリエイターを知る得る重要なツールの一つだと考えます……………

 

鋤田 正義さんは、正に“我が国が世界に誇る”「 音楽写真家 」で御座います。

 

 

鋤田 正義さん ( スキタ マサヨシ : 福岡県直方市出身 , 1938〜 )

 

 

鋤田 正義さんは1970年〜80年代に掛けて、主にイギリス ロックスターのジャケット写真に代表される“ポートレート フォト”で、御自身のスタイルと評価を確立されました。何気ない表情ながらもヒューマニズム溢れる独特の作風は、世界中のトップ ミュージシャンから圧倒的に支持されましたが、故 デヴィッド ボウイさんとの交友は特に有名であり、デヴィッド ボウイさんを被写体とした作品は、ロック ファンにとっての“マスターピース”となっております。

 

因みに、変態オッサンにとってデヴィッド ボウイさんは、「 シリアス ムーンライト ツアー 1983 」横浜公演で一度拝観しただけでありますが、1993年に再婚されたイマン アブドゥルマンドさん(スーパー モデル)には、私がヘアメイク時代、パリコレで色々と教えて頂いた経験があります……………

よって身勝手に“縁”を感じておりますので、本日は鋤田 正義さん作品群の中から、デヴィッド ボウイさん関連作品の一部を紹介させて頂きます。

 

 

『 DAVID BOWIE , HEATHEN , 2002 』

『 DAVID BOWIE , A DAY IN KYOTO 4 ー TELEPHONE BOX , 1980 』

『 DAVID BOWIE , JUST FOR ONE DAY , 1977 』

『 DAVID BOWIE , A DAY IN KYOTO 2 ー HANKYU TRAIN , 1980 』

『 DAVID BOWIE , JUST WATCH ME NOW , 1978 』

『 DAVID BOWIE , HANG ON YOUR SELF , 1973 』

 

 

上記作品の特徴として、単なる肖像写真ではなく“信頼関係が確立されたフォト セッション”である点が挙げられます。

暖かいポートレート フォトや臨場感まで伝わって来るドキュメント フォトは、まるでデヴィッド ボウイさんのお宅にて、“プライベート フォト アルバム”を拝見している気分になりますし、お二人が極めて強い信頼関係で結ばれていたのは、これらの作品からも容易に想像出来ます。

 

更には、お二人の強い信頼関係を証明する誠にユーモラスな実例も……………

 

 

『 The Next Day / DAVID BOWIE  2013 』

 

 

デヴィッド ボウイさんが実に10年のブランクを経て、2013年1月8日(デヴィッド ボウイさん66歳の誕生日)に突如リリースが発表された本アルバムは、レコーディング スタッフ、スタジオに出入りしていたフード サービスまでもが、“他言無用誓約書”にサインさせられた事が話題となりました。

そんな“極秘プロジェクト”のジャケットに採用されたのが、本日のアイキャッチ画像でも使わせて頂いたデヴィッド ボウイさん代表作品、『 HEROES / DAVID BOWIE  1977 』by 鋤田 正義さんの何と“セルフ パロディ”で御座いました!

但し、肝心のサウンドは“ライブ的でヒジョーに軽い音”なので、正直なところガッカリでありました。しかしながら、ジャケット写真を含めての“プロモーション戦略”には改めて脱帽……………

 

ところで、“鋤田 正義さんワールド”を覗けるドキュメンタリー映画が、ジャパンで現在公開中であります。

 

 

『 SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬 / 監督 : 相原裕美  2018 』

( C ) 「 SUKITA 」パートナーズ 2018

【 新宿武蔵野館(新宿)、YEBISU GARDEN CINEMA(恵比寿)にて、2018年5月28日(月曜日)迄公開中 】

 

 

鋤田 正義さんのオリジナル プリントは、当然ながら立派なお値段で御座いますので(特にニューヨーク、ロンドンで高騰中)、せめて映画なんぞ如何でしょーか?……………

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)