新時代クロスオーバー ……

❇️ パリの思い出(1980年代)。

日曜日になると市内の大きな公園では、クラシックをメインとした“フリー コンサート”が行われるのでありますが、出演メンバーが“世界的な楽団etc.”何とも豪華で驚いたのを覚えております。

当ブログのプロデューサー“秀津風親方さん”曰く「最近は都内の“フリー コンサート”でもクラシック、ジャズ、ロック等の一流ミュージシャンが登場する。」との事でありますから、“地方都市での普及”には更に時間が掛かるにせよ、我が国でも音楽が“より身近な存在”になりつつあると実感致します。

 

しかしながら、私が驚いた点は他にもあります。

楽団としての演奏終了後、ヴァイオリニストさんが“ロックやポップスの名曲”を演奏するというサービスがあるのですが、ソレがむちゃくちゃカッコ良くて感動した件。

過去に“世界的オペラ歌手”によるビートルズ楽曲を何度か聴いた経験がありますが、ポピュラー ミュージックに於ける“プロの凄み”はテクニック云々ではなく、他人には再現不可能な“オンリーワンの音”であると確信していた私は、失礼ながら“ビートルズ by 世界的オペラ歌手”にはイマイチ共感出来ず、以降“クラシック ミュージシャンのポップス介入”には懐疑的で御座いましたが……………

ー “ヴァイオリニストは意外とイケるかも?” ー

思わず「 リュクサンブール公園 ( Jardin du Luxembourg ) : パリ6区 」で立ち尽くした変態オッサンであります。

 

❇️ 時代は変わって(2018年)。

インターネットの普及で世界は著しく狭くなりました。

先日、“ジャパニーズ アニメ好き”のアメリカ人メル友から「最近は“ロック ヴァイオリニスト”Ayasaがお気に入りデス。」とのメールを頂戴しましたが、アニメが苦手な私にとっては「AyasaってWho?ロック ヴァイオリニストってWhat?」状態なので、早速調べましたらところ……………

 

 

【 Ayasaさん / 本名 : 島村 絢沙 ( シマムラ アヤサ ) , 東京都出身 , 1991〜 】

 

 

Ayasaさんは3歳よりヴァイオリンの英才教育を受け、イタリアの有名ヴァイオリニストであるサルヴァトーレ アッカルド ( Salvatore Accardo ) さんに師事した本格派ながらも、後にポピュラー ミュージックに転向して御活躍中。

アニメ好きで自称“ヲタリスト”でもあるAyasaさんは、アニメソングをヴァイオリンでカヴァーしたYouTube動画で大注目。ヒジョーに魅力的な“女性ロック ヴァイオリニスト”で御座いました。

 

 

 

 

2016年のSONYさん「 XPERIA 」CMを覚えていらっしゃる方も多いかと……………

 

 

『 VOICES Strings ver. 〜 feat Ayasa ー Xperia  ( 2016 ) 』

 

 

因みにヴァイオリンは、1500年代に登場した際には既に“現在と同様の形状と機能”を有しており、誕生とほぼ同時に“完成”していた特異な楽器であります。よって1700年代製のAntonio Stradivari作品(所謂“ストラディバリウス”)は、“超高級工芸品”であると同時に立派な“実用品”として現役活躍中。

つまりヴァイオリンは、“クラシック(トラディショナル)かつモダンな楽器”であり、故に時代を超越して我々を魅了するのかも知れません……………

 

 

『 BEST I / Ayasa  ( 2017 ) 』

 

 

“クロスオーバー ヴァイオリニスト”としては、Taro Hakaseさん ( 葉加瀬 太郎 , 大阪府出身 , 1968〜 ) が余りにも有名でありますが、Ayasaさんもクラシックを主軸に置きつつ、ジャンルに拘らない“異種格闘技 音楽フィールド”で、是非とも挑戦し続けて頂きたいと思います!

 

 

 

 

ところでAyasaさん。

Twitterのヘッダーには“バヨリン弾き”と表示されておりますが、“ヴァイオリニスト”よりも“バヨリン弾き”の方が、遥かにバタ臭くて古風であります。

 

“美しくてスタイリッシュなルックス”にも拘らず、意外にも“骨太音楽家”の香りが……………

 

 

『 Rosenkreutz 〜 Ayasa Theater episode 2  ( 2017 ) 』

 

 

 

 

 

( 画像1、5、6、7、11はAyasaさんのTwitterから拝借。画像2、3、4、8、9、10、12はネットから拝借。)

世界公認 ……

昔の飲み仲間で、ロンドンと東京を往復していたイギリス人のお方がおりました。

20年近く前のお話でありますが、彼と六本木で飲んでおりましたら……………

「ジャパニーズは外国の情報に長けているけれども、肝心な“自国の偉人”を知らない場合が多い。例えば今、ロンドンやパリのファッショナブルなBARで“好きなジャパニーズ ミュージシャンは?”と訊ねたら、おそらく殆どの人が、BOOM BOOM SATELLITESもしくはBONNIE PINKと答えるに違いない。ところが先週、六本木で周りのジャパニーズにソノ話をしたら、何と彼等はBOOM BOOM SATELLITESもBONNIE PINKも知らなかった。コレって、オカシイと思わないかい?だって、自国の有名ミュージシャンだぜ。」との御言葉。

BOOM BOOM SATELLITESのヴォーカリスト、川島 道行さん(残念ながら2016年に他界)は、英語のネイティブ スピーカーではありませんでしたが、全ての楽曲を英語で作詞し、欧米人ネイティブ スピーカーから「スンナリと耳に入って来るクールな歌詞。」と評価されました。加えて、メロディー並びにリズムもオリジナリティーが高かったBOOM BOOM SATELLITESさんは、言ってみれば充分な“世界品質”を持っていた訳であります。対するBONNIE PINKさんの世界観と音楽性も又、誰にも似ていない“オンリーワンの魅力”に溢れていた様に思います。

 

時代は変わりまして……………

記憶に新しいところでは、BABY METALさん(ガールズ ダンス&ヴォーカル ユニット)が、楽曲に英語歌詞を用いなくとも、ジャパニーズ ポップ カルチャーを前面に押し出したパフォーマンスと確かなスキルによって、欧米の音楽ファンのみならず、多くの“大御所ロック スター”さえも虜にしてしまい、ココ数年“欧米で最も有名なジャパニーズ ミュージシャン”として定着した感があります。

 

そこで本日は、某アメリカ人メル友が今ハマっている“ジャパニーズ ガールズ バンド”を御紹介致します。

先ずは、先入観なしに以下のビデオ クリップを御覧頂きたいと思います。

 

 

『 Choose Me / BAND-MAID  2017 』

 

 

“コンセプト一目瞭然”のBAND-MAIDさん。

過去に秋葉原「 メイド喫茶 」で働いていた中心メンバーのMIKU ( 小鳩 ミク ) さんが、“メイド ファッションとロックを組み合わせたら面白い”との発想で結成して、2013年にメジャー デビューした5人組ガールズ ロック バンドであります。

 

 

 

 

注目すべき点は、“コンセプト先行のプロジェクト バンド”かと思いきや、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムが極めて高レベルで融合されており、デビュー5年で既に“円熟期”の貫禄さえ感じられます。2016年にはイギリス、フランス、イタリア、ドイツ、スペインetc.ワールド ツアーを敢行して、ヨーロッパ 音楽専門チャンネル等で大きく取り上げられました。

 

 

SAIKIさん ( ヴォーカル )

MIKUさん ( ギター、ヴォーカル )

KANAMIさん ( ギター )

MISAさん ( ベース )

AKANEさん ( ドラムス )

 

 

SAIKIさんの力強いヴォーカルは、“テヨンさん(少女時代)”を彷彿とさせる本格派でありますし、ツイン ギターの厚みと小気味良いドラムス、的確なベース ラインは、“70年代アメリカン ロック”を彷彿とさせる存在感で御座います。

しかも、そんな真面目で上質なサウンドにも拘らず、ライブ活動を「 お給仕 」と呼び、ファンを「 御主人様 」と呼ぶ“ジャパニーズ コンテンポラリー”な演出……………

 

某アメリカ人メル友が、スッカリ“骨抜き状態”にされてしまったのも頷けます。

 

 

 

 

かつて我が国のミュージシャンが、世界を目指して言語、文化、技術、感覚、環境の違いによって挫折した時代が御座いました。

インターネットの普及は情報の時間差を解消し、“アジア人のデメリット”が昔に比べて激減した事も重要なアドバンテージではありますが、世界に認められるには、やはり“誰にも似ていない独自性”が必須条件かと……………

よって、昨今のヤング ジャパニーズ ミュージシャン、とりわけガールズ グループの大躍進には、心から“アッパレ”と叫びたくなります!

 

“長生きして良かった”と改めて実感した変態オッサンでありました。

 

 

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

 

世界を魅了するジャパニーズ アウトロー ……

私が住んでおりました80年代のフランスでは、既に「 和食 」がポピュラーな存在でありましたが、世界中で“ポピュラーかつ高級料理”として完全な市民権を得たのは80年代〜90年代でありまして、折しも世界的中を席巻した“ヘルシー フード ブーム”が追い風になったのは間違いありません。

特定国の文化が外国で定着する条件としては……………

✳️ 1 ) ソレ自体に“ワールド クラスの魅力”がある。

✳️ 2 ) ソレを後押しする“世界的ムーブメント”が背景にある。

上記2点が重要なファクターであるかと思われます。

例えば80年代には、「 きゃりーぱみゅぱみゅ 」さんや「 BABYMETAL 」さんの様なパフォーマーがジャパンから発信され、そして世界的スターになるなんて夢にも思いませんでしたが、「 きゃりーぱみゅぱみゅ 」さん&「  BABYMETAL 」さんは上記2点を満たしており、よって「 日本アニメ 」同様の“ジャパニーズ ポップ カルチャー”として、世界中から圧倒的支持を受けている訳で御座います。

 

そこで本日は、私にとって“誠に予想外”であったにも拘らず、世界中で今“極めてホットなジャパニーズ カルチャー”を御紹介させて頂きます。

 

我が国の多くの方々が、自動車に関する“チューナー”と云えばダイムラー ベンツさん系「 AMG 」さんとか、BMWさん系「 M 」さんとかを思い浮かべるのではないでしょーか?コレらの会社は、ダイムラー ベンツさんやBMWさんの関連企業でありまして、オリジナル車両を知り尽くしたエンジニアさんが、オリジナル状態では満足出来ないお客様の為に、エンジンをチューンナップしてボディーをドレスアップするという、謂わば“サブ自動車メーカー”でありました。

ところが昨今、ジャスティン ビーバーさん他ポップ スターやハリウッド スター、各国セレブの皆様を虜にしておりますチューナーは、何とも“アウトロー”なジャパニーズ御二人で御座います。

 

先ずは愛知県、尾張旭市を拠点とする「 Liberty Walk ( リバティー ウォーク ) 」主宰者である加藤 渉(カトー ワタル)さん。

加藤 渉さんの「 Liberty Walk 」は既に以下の国(地域)に支店(系列店)を展開されております。

 

そして、もう一人は千葉県、柏市を拠点とする「 RAUH-Welt BEGRIFF ( ラウヴェルト ベグリッフ、通称“RWB” ) 」主宰者である中井 啓(ナカイ アキラ)さん。

因みに、中井 啓さんの「 RWB 」もアメリカ、イギリス、カナダetc.に支店(系列店)を展開なさっており、御二人共に時間の許す限り海外ワークショップに出掛けて、クライアントさんの要望を直接聞きながら、御自分の手で“切断〜加工〜仕上げ”を行うとの事であります。

 

御二人の作品に共通しておりますのは、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェ、マクラーレン等“数千万円〜数億円の超高級車”に惜しげも無くメスを入れて、ヘビメタ ファッションの如く“派手なビス留め”で仕上げたワイルドなルックスで御座います!

失礼を承知で申し上げるならば、ソノ仕上げセンスは所謂70〜80年代の“族車(暴走族用改造車)”を彷彿させ、ややもすれば“チョットお下品なセンス”にも見えます。故に私は“決して欧米人には受けないだろーし、超高額車を依頼するクライアントなんて居ないだろー”と思っておりましたが……………

✳️ 「高級車ボディーを大胆に切断して、大量のビス留めで仕上げる度胸とテクニックは正にサムライだね。」by 某アメリカ人メル友さん

✳️ 「まるで“スタッド アート(鋲打ち芸術)”だよ。あんなセンスは初めて見たね。」by 某オーストリア人メル友さん

 

「 Liberty Walk 」さん並びに「 RWB 」さんのアイディア、テクニック、センスは欧米人にとって“極めて東洋的斬新さ”であり、加えて、そのクラフツマンシップは驚嘆と尊敬を持って迎えられたのであります。

⬆️ “入魂作業中”の中井 啓さん。

 

プロ野球解説者のお方がよく「アメリカの“ベースボール”と日本の“野球”は似て異なる。」と仰いますが、自動車業界に於かれましては「欧米の“チューニング”や“ドレスアップ”と日本の“改造”は似て異なる。」のかも知れません。

つまり、加藤 渉さんと中井 啓さんによる“改造車”は、世界に誇る“ジャパニーズ カルチャー”なのだと改心した変態オッサンでありました……………

 

( 画像は全て公式ウェブサイトを含むネットから拝借。)