SF映画の金字塔再び ……

巨匠リドリー スコットさんのキャリアを語る上で、紹介不可欠な作品である『 Blade Runner ( ブレード ランナー ) 1982 』。公開当初は全く不評でありまして、興行成績も同時期に公開された『 E.T 』に圧倒されて、世界中でアッサリと公開打ち切りになってしまいました。ところが数年後のビデオ発売によって再考され、斬新な映像美やシド ミードさんデザインによるセット デザイン、ヴァンゲリスさんによる幻想的なテーマ曲etc.は、全世界にディープな『 Blade Runner 』フリークを大量発生させました。そして主演のハリソン フォードさんを、ハリウッド トップスターに押し上げたので御座います。

リドリー スコットさんの芸風や作品特性を考慮致しますと、おそらく続編の製作は困難だろーと考えておりましたが、昨年「現在『 Blade Runner 』続編を撮影中、2017年公開予定。」と、突然の公式発表がありました……………

 

『 Blade Runner 2049 』と命名された続編が、いよいよ来月27日に我が国でも公開されます(以下引用)。

 

【 “伝説”の30年後に愕然!『ブレードランナー 2049』25分のフッテージから見えてきたヒント 】( Movie Walker )

映画のみならずカルチャー史におけるターニングポイントとして、公開後35 年にわたり影響を与え続ける『ブレードランナー』(82)。その30年後を描く続編となる『ブレードランナー 2049』が10月27日(金)に公開となる。前作の主人公・デッカードをハリソン・フォードが再演し、新たなブレードランナー“K”に『ラ・ラ・ランド』(16)が記憶に新しいライアン・ゴズリングが扮する。

去る9月6日、TOHOシネマズ新宿にて、本作の世界初公開映像を含むマスコミ向けフッテージ上映会が行われた。会場には数十人のセキュリティスタッフが配備され、金属探知機での荷物検査を実施するなど厳戒態勢が敷かれており、いかに本作が高い注目を集めているかを窺わせるものとなっていた。( 2017年9月21日 )

 

✳️ 10月27日(金)、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

 

“近未来”というワードすら既に死語とさえ感じる程に、あらゆるテクノロジーが想像以上に発達してしまった現代。そんな時代に“SF名作映画”の続編を製作するに当たり(しかも35年振り)、製作陣にとっては“やり難い事情”も数多く存在したと思われますが、ソレらは同時に造り手にとって“オイシイ事情”でもあったハズです。

『 Blade Runner 』の続編が製作中であると聞いた時、リドリー スコットさん御自身は諸般の事情によりメガホンは取らず、製作総指揮に徹底するのでは?と予想されましたが、代わりに“映像美に定評があるビッグネーム監督”を起用して、前作と同じテイストながらも“全く香りの異なる続編”を提供して下さると期待しておりました……………

 

しかしながら正直なところ、先ず違和感を感じたのはキャスティングで御座います。

何と監督に抜擢されたお方は、新鋭のドゥニ ヴィルヌーヴさん( Denis Villeneuve : カナダ , 1967〜 )。並びに主演が昨年ミュージカル映画『 ラ・ラ・ランド 』で大いに話題となった、俳優兼ミュージシャンのライアン ゴズリングさん( 本名 Ryan Thomas Gosling : カナダ , 1980〜 )でありました。言うまでもなく、単純に私の勉強不足でありまして、実際にはコノお二人は本作品に相応しい逸材なのでしょーが、個人的には何とも拍子抜けのキャスティングでありました。

独断と偏見による“妄想劇場”で言わせて頂けば……………

例えば監督は、“独自の映像美を持ちストーリー テリングも巧み”であるデヴィッド フィンチャーさん。もしくは反対に“ドキュメント タッチで肉厚的映像がウリ”のポール グリーングラスさん。主演はむしろ“線が細くて知的な捜査官”が勇猛果敢に困難を乗り越える。という新しい『 Blade Runner 』ヒーロー像を構築する意味で、例えばベネディクト カンバーバッチさん。もしくは30代の中堅“女優”。

変態オッサンが観たかったのは、ソノ様な“全く新しい香り”の『 Blade Runner 』で御座います。

 

 

ところで前作では、舞台となった“退廃的未来都市”のモチーフがジャパンでありまして、重要シーンでは実在するジャパン企業名や“怪しいジャパニーズ”が度々登場致しました。中でもリドリー スコットさんは何故か「 うどん 」がヒジョーにお気に入りらしくて、後に製作された『 Black Rain ( ブラック レイン ) 1989 』に於いても、重要シーンで「 うどん 」が登場したのは有名なお話。

因みに『 Blade Runner 2049 』予告編を拝観したところ、エントランス上部に大きなハングル文字が確認出来ます。つまり、どーやら本作品の未来都市モチーフは“コリア”で御座います。

という事は、重要シーンで登場するのは「 ビビンバ 」なのでしょーか?……………

 

『 Blade Runner 2049 / 監督 : ドゥニ ヴィルヌーヴ ( Denis Villeneuve ) 2017 』

 

( 画像は全てネットから拝借。)

“SF映画の金字塔再び ……” への2件の返信

  1. 重要シーンでは間違いなくビビンバが登場すると思われます…
    Blade Runner 2049、最近はSF映画を拝見していないので今から公開が楽しみです。
    SF映画で思い出したのですが、一昨年、「Back to the Future」(1985)を見る機会があったのですが、ストーリーで未来の設定が30年後だったわけですが、ちょうど見ていた時と同じ2015年で、「な~んだ今年じゃ~ん!!」と近くで若い女性がつぶやき、思わず見ていた観衆全員が「ハァ~」と拍子抜けした感じになりました。2049年までは、あと32年もありますので、本映画については、その心配は全くの無用と思われますが…
    ところで、ビビンバのシーン、字幕では「クッパ」と誤訳されるのではと危惧しております…

    1. やはり時代は“ビビンバ”でしょーか?……………
      テイストが前作と同じなら、今回も未来都市のモチーフはジャパンでも良かったと思いますが、欧米では未だに“クール コリア続行中”である証拠デスなぁ……………
      ところで、親方が仰る様にSF映画の設定が現実年だった場合には、映画と現実のギャップに戸惑ったりシラケちゃったりしますよねぇ!
      但し現在のスマホは、昔のSF映画やSFアニメに登場した“小型無線機”と性能並びにデザインが近いかと思います……………
      何れにしても『 Blade Runner 2049 』、個人的にはキャスティングにガッカリで御座いますが、本年度の“最重要作品”である点は変わりませんので、親方も宜しかったらどーぞ!!

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