円熟期に突入した王道クリエイター ……

当ブログに於いての“最多登場デザイナー”であるトム フォードさん。

2005年に御自身のシグネチャー ブランドを創設以来、本業(デザイナー)以外でも映画監督として『 A Single Man ( シングルマン )  2009 』、『 Nocturnal Animals ( ノクターナル アニマルズ )  2016 』で世界的権威のある映画賞を数多く受賞したり、正に“天才マルチクリエイター”として才能炸裂中で御座います。

因みに、2014年にはリチャード バックリーさん ( Richard Buckley : 1948〜 ) との同性婚を発表。あらゆる意味で“21世紀を代表するファッション クリエイター”として、後世に長くソノ名前を残すのは間違いないかと思われます……………

 

 

トム フォードさん ( Tom Ford : アメリカ , 1961〜 )

 

 

シグネチャー ブランドのスタート時は、“サヴィル ロウ ( Savil Row : オーダーメイド テイラーで有名なロンドン ストリート ) スタイル”を彷彿とさせる芸風でありましたが、次第にGUCCIで世界を魅了した“トム フォード流ラグジュアリー テイスト”を醸し出し、今やTom Fordと云えば、ハリウッド セレブからジェームズ ボンドまで御用達。もはや、現代を代表する“スーパー ブランド”として完全に確立されました。

 

 

 

 

そんなトム フォードさん。

最近特に異彩を放っておりますのは、意外にもドレスやスーツではなく、極めて“スタイリッシュでシンプル”なサングラスと、何とも“美しくて妖麗”なレディース シューズで御座います……………

 

 

 

 

 

サングラスに関しましてはボストン、ウエリントンetc.ベーシック デザインが中心でありますが、デザイナー サングラスに有りがちな“手抜き感ゼロ”のクラフツマンシップを感じさせます。加えて広告写真も、最近では珍しい“王道路線”を徹底した、“直球勝負”の力強さ漲る広告シリーズを展開中。

 

そして、サングラスよりも更に注目すべきは、“まるで宝石ライク”な美しさとユーモア センスに満ちたレディース シューズ……………

 

 

 

 

❇️ 1980年代のパリ。

尊敬する“某誌 ファッション エディターさん”から「“魅力的な女性”にハイヒールをプレゼントするなら、CHARLES JOURDAN ( シャルル ジョルダン ) かYves Saint Laurent ( イヴ サンローラン ) を選べば間違いない。」と教わりました。

( 私の記憶が正しければ、CHARLES JOURDANさんとYves Saint Laurentさんは、同じ製造元で生産されており木型も殆ど同じだったと思います。確かに1970年代〜1980年代に於いて、コノ2ブランドは“エレガントさ”で他ブランドを一歩リードしていた感がありました。)

 

❇️ 2018年現在。

「“危険な香りの女性”にハイヒールをプレゼントするなら、Tom Fordを選べば間違いない。」と断言させて頂きます!

 

 

 

 

“Tom Fordさん作品で踏まれたい(?)”変態オッサンでありました……………

 

 

 

 

( 画像1、5〜12はトム フォードさんのTumblrから拝借。画像2〜4はネットから拝借。)

ニューヨークのベルギー人 ……

2015年春。

我が国では無名に近い監督による“あるドキュメント映画”が公開されました。

世界的に良く知られたイベントの“制作過程”を描いたソノ作品は、登場する業界に興味がない方々の間でもケッコーな話題となり、チョット不思議な現象を巻き起こしたのを覚えております……………

 

 

『 Dior and I ( ディオールと私 ) / 監督 : Frederic Tcheng  , 2015 』

 

 

所謂“業界の裏側”にフォーカスしたドキュメンタリーは、過去にも数多く存在致しますが、本作品が“予想外に一般受けした”背景には以下の理由があると考えられます。

 

❇️ 1 ) “Christian  Dior ( クリスチャン ディオール )”という知名度が高い“老舗 名門メゾン”がテーマである。

❇️ 2 ) “オートクチュール ( 超高級 注文服 )”という“世間離れした世界”に触れられる。

❇️ 3 ) “表舞台の華やかさ”ばかりではなくデザイナー、縫製係、演出スタッフetc.の苦悩と情熱が丁寧に表現されている。

 

 

ところで上記作品の“主人公”は、2012年にChristian Diorのクリエイティブ ディレクターに就任したラフ シモンズさん ( Raf Simons : ベルギー , 1968〜 ) であります。

 

 

 

 

ラフ シモンズさんは大学で工業デザイン、映像、写真を学び、卒業後は“インテリア デザイナー”としてキャリアを重ねますが、同じベルギー人の有名ファッション デザイナーであるマルタン マルジェラさん ( Martin Margiela : ベルギー , 1957〜 ) に触発されて、“一流デザイナー製造工場”と呼ばれる「 アントワープ 王立美術アカデミー 」の入学を試みますが、学校側から「ウチに入学するよりも、資金援助しますから“御自身のブランドを設立”されては?」と促されてしまいます。

よって、1995年に自身のシグネチャー ブランド「 Raf Simons 」を設立してしまった“破格の天才”なので御座います。

紆余曲折の後、Jill Sander ( ジル サンダー ) を経てChristian Dior入りしたラフ シモンズさんにとって、 Christian Diorのクリエイティブ ディレクターは正に“天職”かと思われました。故に『  Dior and I 』公開後のChristian Diorは、ラフ シモンズさんによる“長期 安定政権”に突入したものと信じて疑いませんでしたが……………

 

何と“僅か3年”で電撃辞任してしまい、次に向かった先はChristian Diorとは真逆に位置する、“世界一の機能美”Calvin Klein ( カルバン クライン ) IN アメリカで御座いました!

しかも、Calvin Kleinのチーフ クリエイティブ オフィサー3年目にして、今回の「 New York Collection 」モチーフは余りにも意外(以下引用)。

 

 

【 着想源は「ジョーズ」 ラフの「CK」はあらゆる対立構造を飲み込み“コンテクスト主義”を提唱 】( WWD JAPAN.com )

ベルギーで生まれ、長らくヨーロッパで活躍してきたラフ・シモンズ(Raf Simons)は、「カルバン クライン(CALVIN KLEIN.以下、CK)」のチーフ・クリエイティブ・オフィサー就任を機にアメリカに移住。以降、異国人として、もっともアメリカンなブランドの刷新に挑み、マーチングバンドや警官の制服、それにチアガールのポンポンやカウボーイのブーツなどのアメリカンアイコンを彼のミニマルな世界観に取り込み、それをデヴィッド・ボウイ(David Bowie)の「This Is Not America」にのせて発表するなど、アメリカ的な世界と非アメリカ的な世界を融合することで「CK」の国際化に取り組んでいる。

今シーズンは、スティーブン・スピルバーグ(Steven Spielberg)の映画「ジョーズ」と、チャールズ・ウェッブ(Charles Webb)の小説を原作とした映画「卒業」の2つがインスピレーション源という。( 2018年9月17日 )

 

 

 

『 Calvin Klein ー Spring / Summer 2019 ー New York Collection 』

 

 

「 ジョーズ 」は主に“パニック映画”としてカテゴライズされますが、巨大で不気味なサメを“困難ながらも立ち向かうべき権力”と見なせば、“反体制”をテーマにしたヒューマン ドラマであるとも云えます。

一方の「 卒業 」も、有名過ぎるラスト シーンを“アナーキーな倫理観”の象徴と捉えれば、「 ジョーズ 」同様の“反体制”をテーマにしたヒューマン ドラマとしての解釈が可能で御座います。

 

 

『 JAWS / 監督 : スティーブン スピルバーグ , 1975 』

 

『 THE GRADUATE ( 卒業 ) / 監督 : マイク ニコルズ , 1967 』

 

 

“コッテコテのヨーロッパ人”であるラフ シモンズさんから見れば、“トランプさん政権下のアメリカ”は、おそらく奇妙キテレツで同調しかねる部分が多いのだと推測されますが、全てを受け入れて“ニューヨークのベルギー人”であろうとするラフ シモンズさん。

 

 

 

 

『 Calvin Klein ー Spring / Summer 2019 ー New York Collection 』

 

 

1996年冬。

エージェントから提示された条件「当面の生活費5万ドルを自前で用意する事。」が満たせず、“ニューヨークの日本人”になれなかった変態オッサン……………

 

“アメリカで闘い続ける”ラフ シモンズさんに、心よりエールを送らせて頂きたいと思います!

 

 

https://youtu.be/CMOhk3ufVN8

『 Calvin Klein ー Spring / Summer 2019 ー New York Collection 』

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

 

今、覚えておくべき名前 ……

音楽プロデューサー、ミュージシャン、MC、服飾デザイナーetc.正に“スーパー マルチ アーティスト”であるカニエ ウェストさん ( 本名 Kanye Omari West : アメリカ , 1977〜 ) につきましては、今更説明の必要は無いかと思われますが、そんなカニエ ウエストさんの“イメージング ディレクター”的存在だった、ヴァージル アブローさんという人物を御存知でしょーか?……………

 

 

ヴァージル アブローさん ( Virgil Abloh : アメリカ , 1981〜 )

 

 

ヴァージル アブローさんを御存知ないお方の為に、極めて雑なオサライをさせて頂きますと……………

大学で建築を学んで「 博士号 」まで所得したヴァージル アブローさんは、卒業後カニエ ウエストさんと出会ってミュージック シーンに関わります。ソノ後、“お互いの共通趣味”であったファッション分野で切磋琢磨した結果、お二人共に“破格のマルチ アーティスト”として大成功を納めた訳で御座います。

特筆すべきは2009年、お二人揃ってイタリアの老舗ブランド「 Fendi 」に於いてインターンシップ(実務研修)を敢行した点であります。

既にセレブの仲間入りを果たしていた有名人が、本当に“週休500ドル”で他のインターン同様に働いていたのか?と懐疑的な声も多く聞かれましたが、当時の「 Fendi 」CEOマイケル バークさん ( 現「 Louis Vuitton 」CEO ) は「2人の真面目な働きぶりと、周辺に与えた好影響には感嘆した。」と語っており、ファッション業界では有名な“神話”となっております。

 

そんな“斬新かつ積極的体験”が功をなし、ヴァージル アブローさんは2014年に御自身の服飾ブランド「 OFF-WHITE 」を設立。そして2018年3月には“黒人初”の「 Louis Vuitton 」メンズ部門、アーティスティック ディレクターに御就任。

フランス、パリの王宮パレ ロワイヤルで6月21日に開催された『 Louis Vuitton ー Spring / Summer 2019 』で華々しくデビュー致しました。

 

 

『 Louis Vuitton ー Spring / Summer 2019 ー Paris Men’s Collection 』

 

 

どちらかと云えば“型破りアウトロー タイプ”であるヴァージル アブローさんを、“コンサバ系の老舗”「 Louis Vuitton 」さんが指名したのには驚きましたが、“想像も絶するであろう重圧”を見事に跳ね返し、実に堂々としたコレクションを披露したヴァージル アブローさん……………

誠にアッパレで御座います。

 

 

『 Louis Vuitton ー Spring / Summer 2019 ー Paris Men’s Collection 』

 

 

因みに、こんな“新アーティスティック ディレクター記念商品”まで登場。

 

 

『 Air Jordan 1 ( Nike × Louis Vuitton )  2018 』

❇️ お値段、何と“約45万円”……………

 

 

ところで、ヴァージル アブローさんは“現役真っ只中のクリエイター”でありながら、世界的美術館での“回顧展”が2019年に予定されております(以下引用)。

 

 

【 ヴァージル・アブローの回顧展がシカゴで開催決定 ファッション、音楽、建築までキャリアを網羅 】( WWD JAPAN )

ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の回顧展「ヴァージル・アブロー:フィギュアズ オブ スピーチ(Virgil Abloh: Figures of Speech)」が、2019年6月8日から9月下旬まで米シカゴ現代美術館(The Museum of Contemporary Art)で開催される。

回顧展は、ヴァージルがカニエ・ウェスト(Kanye West)のクリエイティブ・エージェンシーのドンダ(DONDA)や、動画プロジェクトとしてスタートした「パイレックス ヴィジョン(PYREX VISION)」、ヘロン・プレストン(Heron Preston)らと立ち上げたアート集団ビーントリル(BEEN TRILL)などで働いていた時から現在までのキャリアを追う展開で構成される。そのうち、半分か4分の3はファッションについての展示になるという。( 2018年8月7日 )

 

 

おそらく“向こう10年間、最も注目すべきパワー セレブの1人”であると推測出来ます。

 

今の時代、クリエイターにとって最も重要なのは“如何に学んで、如何に表現するか”という謂わば「 セルフ プロデュース力 」だと、改めて実感した変態オッサンでありました!

 

 

『 Highlights from Louis Vuitton Men’s Spring ー Summer  2019 』

❇️ “実音(生演奏)バージョン”が若干長いので、“BGMアフレコ バージョン”で御了承下さい。

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

 

 

前衛とクラシックの融合 ……

映画ファンにとっては「 007シリーズ 」のボンドカーとして特に有名なAston Martinさん ( Aston Martin Lagonda Limited : イギリス , 1913〜 )。

イギリス(ヨーロッパ)を代表する高級スポーツカー メーカーとして、自動車産業の歴史に輝かしい栄光を刻み続けておりますが、FERRARIさんやPORSCHEさんに比べると、あらゆる意味で“一味違う香り”の名車かと……………

 

 

『 Aston Martin DB5 & Mr. Sean Connery 』

『 Aston Martin DB5 & Mr. Daniel Craig 』

 

 

チョットだけAston Martinさんの“おさらい”をさせて頂きますと、生産量並びに企業規模に関しましては、LAMBORGHINIさんとFERRARIさんのちょうど中間に位置しており、極めて“ハンドメイドに近い工法”を得意とする高級スポーツカー メーカーで御座います。

しかしながら、ソノ知名度はスーパー スポーツカーの中ではマイナーの部類に属し、故に1970年代に大勃発した所謂“スーパーカー ブーム”の際にも、名前が登場する事は殆ど無かったと記憶しております。つまりAston Martinさんは、謂わば“軟派モーター ファンを排他するオーラ”を発散しており、ある種“別世界のブランド”として認識されている訳であります。

 

 

 

 

ところで……………

ファッション フォトグラフに興味をお持ちで、ブルース ウェーバーさんやマリオ テスティーノさんを御存知のお方でも、ニック ナイトさんは御存知ないのが現状かと思われます。

 

 

ニック ナイトさん ( 本名 Nicholas David Gordon Knight OBE : イギリス , 1958〜 )

 

 

1980年代、我が国が世界に誇るYohji Yamamoto ( 山本 耀司 ) さんのワールド キャンペーン フォトによって、一躍“スター フォトグラファー”に躍り出たニック ナイトさん。

 

 

『 Yohji Yamamoto / Nick Knight  1986 』

『 Yohji Yamamoto / Nick Knight  1988 』

 

 

今にして思えば、ファッション フォトグラフに於いて“CGリタッチ”が本格導入される以前でしたので、誰もが“初めて目にするヴィヴィッドな作品群”はおそらく、“ライティングとプリント テクニック”によって生み出されたのであろうと想像致します……………

 

 

『 Nick Knight  2018 』

 

 

 

1980年代、ファッション フォトグラフに大革命を起こし、最近では“イギリス王室 公式写真”を手掛ける等、多様なジャンルで“イギリス(ヨーロッパ)を代表するスーパー フォトグラファー”ニック ナイトさん。

2017年にはジャパンで個展が開催されたにも拘らず、一般知名度は乏しいままであり、未だに“日本語版ウィキペディア”すら存在しておりません。

 

そんな“Aston Martinライクなフォトグラファー”ニック ナイトさんが、コノ度「 Aston Martin DBS Superleggera 」プロモーション ビデオの“監督及び撮影”を担当。

只今“絶賛公開中”なので御座います。

 

 

 

『 Beautiful is Absolute ー The new DBS Superleggera / Nick Knight  2018 』

 

 

上記作品のポイント……………

❇ 1 ) ニック ナイトさんが自動車メーカーのプロモーション ビデオを撮るならば、メーカーはAston Martinさん以外には考えられない。

❇ 2 ) Aston Martinさんがプロモーション ビデオを制作するならば、監督はニック ナイトさん以外には考えられない。

正に“世界最強タッグ”に相応しい「 Nick Knight ✖ Aston Martin 」のコラボレーション!

 

 

因みに、某友人 ( 30代女性、国際A級ライセンス所有、自称“北川 景子さん似” ) の独り言……………

「私の夢は40歳〜60歳でFERRARIやPORSCHEを乗り継いで、60歳を過ぎたら“真っ赤なAston Martin”に乗る事です。」

 

 

『 Aston Martin DBS Superleggera  2018 』

 

 

変態オッサンは“あと4年で60歳”を迎えますが、どー頑張っても「 Aston Martin DBS Superleggera ( お値段“約3500万円” ) 」は買えそうにありません。

よって、当サイト プロデューサーの“秀津風親方さん”に是非とも御購入頂きたいと思います……………

 

 

 

 

 

( 画像1〜7はネットから拝借。画像8〜9はニック ナイトさんのインスタグラムより。画像10〜13はネットから拝借。)

罪と罰 ……

2017年度末から本年度に掛けて発生した事件で、“進展”もしくは“終息”を待って御紹介したいと考えていた“ある案件”がありましたが、マス メディア並びに在米メル友からも新情報が提供されませんので、本日ココに取り上げさせて頂きます。

2017年、ハリウッドの超大物プロデューサー、ハーヴェイ ワインスタインさんが“セクハラ問題”で失脚。余波は世界中のあらゆるジャンルへと飛び火して、現在“世界的 #MeTooムーブメント真っ只中”なのは御存知の通りでありますが、今回の案件は“バイ セクシャル問題”も含んでおり、事態はチョット複雑であります(以下引用)……………

 

 

【 今度の性被害者は男性モデル!ヴォーグ誌が著名写真家を「クビ」に 】( Newsweek )

米ヴォーグ誌が、セクハラ疑惑の渦中にある著名なファッション写真家2人を「クビ」にした。13日にニューヨーク・タイムズ紙は、写真家のマリオ・テスティーノ(63)とブルース・ウェバー(71)のセクハラを告発する多くの男性モデルの声を伝えた。これを受けてヴォーグのカリスマ編集長アナ・ウィンターは、テスティーノとウェバーには「当面の間」仕事を依頼しないと発表した。

テスティーノに対しては13人の男性モデルおよび元アシスタントがセクハラ被害を訴えているほか、ウェバーに対しては15人の男性モデルから、性的な行為を強制されたほか、撮影の最中に必要もないのに裸にさせられたとの声が上がっている。ウェバーは、カルバン・クラインのセクシーなCMを撮影したことでも知られる。「セクハラは絶え間なく続いた」と、テスティーノと90年代に一緒に仕事をした元アシスタントは述べている。( 2018年1月15日 )

 

 

当ブログではスッカリお馴染みのブルース ウェーバーさん。

今現在“存命している写真家”の中で、ファッション フォトグラフに於いては間違いなく“世界の頂点に君臨する写真家”で御座います。

 

 

左からブルース ウェーバーさん、アナ ウィンターさん ( ヴォーグUSA 編集長 ) 、ラルフ ローレンさん ( デザイナー ) 、何とも豪華な“モード界 大御所3ショット”。

 

そんなブルース ウェーバーさんと“双璧を成す存在”のマリオ テスティーノさん。

[ Mario Testino : ペルー ( 現在はイギリス国籍 ) , 1954〜 ]

 

 

ブルース ウェーバーさんの芸風が“グラマラス”や“スキャンダル”という表現に象徴され、“緊張感”と“説得力”を強烈にアピールした写真であるのに対して、マリオ テスティーノさんの世界観は、“ブルース ウェーバーさんを若干ソフトにした感じ”と云えば分かり易いかと思います。故に“2大ファッション フォトグラファー”と称されるお二人でありますが、マリオ テスティーノさんに関しましては、故 ダイアナさんのポートレイトが特に有名かと……………

 

 

『 DIANA / MARIO TESTINO  1997 』

 

 

因みに、ヘアメイク時代の私にとってマリオ テスティーノさんは、ブルース ウェーバーさん同様に“憧れのスーパー フォトグラファー”として、極めて特別な存在でありました。

 

 

『 GUCCI / MARIO TESTINO  1996 』

 

『 MICHAEL KORS / MARIO TESTINO  2015 』

 

 

現時点では“アメリカ版のみ”でありますが、ブルース ウェーバーさんとマリオ テスティーノさんが“天下のVOGUE誌”から締め出されたという事実は……………

 

❇ メジャー リーグ ベースボールに例えた場合。

「 ニューヨーク ヤンキース 」さんと「 ロサンゼルス ドジャース 」さんの2球団が、ペナントレース中に“協会を不可逆的脱退”に相当。

❇ F1 グランプリに例えた場合。

「 フェラーリ 」さんと「 メルセデス AMG 」さんの2チームが、シーズン中に“連盟を不可逆的脱退”に相当。

 

つまり、モード界の歴史に残る大事件であると同時に、ファッション エディトリアル界にとって“前代未聞の大損失”なので御座います!

 

 

『 British Vogue / MARIO TESTINO  2016 』

 

『 French Vogue / MARIO TESTINO  2016 』

 

『 American Vogue / MARIO TESTINO  2015 』

 

 

確かに“セクハラ”は許し難い重大犯罪でありますので、ペナルティーとしてソノ後一定期間の活動禁止は妥当な処分かと思われます。

しかしながら、一部マスコミ報道で炎上している様に“数十年前の行為をほじくり返して、当該人物の全功績を否定する”のが、はたして妥当な“罪と罰”でしょーか?……………

 

 

『 British GQ / MARIO TESTINO  2015 』

 

『 VANITY FAIR / MARIO TESTINO  2014 』

 

 

マリオ テスティーノさんによる作品群は、例えどんな事があろうとも“翠玉の如く輝き続ける”と、信じて疑わない変態オッサンでありました。

 

 

『 MICK JAGGER and KEITH RICHARDS / MARIO TESTINO  2014 』

 

 

 

 

 

( 写真2〜5はネットから拝借。写真1、6〜14はマリオ テスティーノさんのTwitterから拝借。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

摩天楼の聖夜 ……

例えファッションに興味のないお方であっても、「 メットガラ ( MET GALA ) 」という言葉は御存知かと思われます。

ニューヨーク メトロポリタン美術館に於いて、毎年5月の第1月曜日に開催されている“地球上で最もファッショナブルなパーティー”でありますが、ソノ注目度と影響力は凄まじく、「 メットガラ 」に招待される事が“世界一流セレブの証”となっております。そんな大注目ファッション イベントに成長したのは、映画『 プラダを着た悪魔 ( The Devil Wears Prada ) / 監督 : デヴィッド フランケル  2006 』のモデルとなった“VOGUE USA編集長”アナ ウインターさん ( Anna Wintour : イギリス , 1949〜 )が、1995年に「 メットガラ 」の主催者に就任したのがキッカケであります。

因みに、アナ ウインターさんは“大英帝国勲章”を授与されておりますので、“Dame Anna Wintour DBE”とお呼びするのが正解で御座います。

( 余談ですが変態オッサンは、ヘアメイク時代の1996年にニューヨークでエージェンシー廻りをした際、アナ ウインターさんに「ブック(作品ポートフォリオ)を見て頂けませんか?」とお電話したら、数分間待たされた挙句「3〜4ヶ月後に又電話してちょーだい。」と極めてアッサリ断られた経験があります。)

 

先日「 メットガラ 2018 」が開催されましたが、今回のテーマは何と“キリスト教がファッションに与えた影響”……………

 

 

ケイティ ペリーさん ( ドレス : VERSACE )

❇ “大きな羽”のお陰でリムジンに乗れず、御自分でオープンカーを運転して会場入り。

リアーナさん ( ドレス : MAISON MARGIELA )

❇ 帽子は“ティモシー ドーラン枢機卿からお借りしたホンモノ”。

スカーレット ヨハンソンさん ( ドレス : MARCHESA )

❇  MARCHESAデザイナーのジョージナ チャップマンさんは、セクハラ事件で有名になった“ハーヴェイ ワインスタインさんの奥様(離婚調停中)”。

ゼンデイヤさん ( ドレス : VERSACE )

ブレイク ライブリーさん ( ドレス : VERSACE )

❇  “裾の長さ”故に大型バスで会場入り。

 

 

私は、1996年に一度だけニューヨーク メトロポリタン美術館を訪れましたが、ヨーロッパの美術館を見慣れていた私は、チョットした違和感を覚えました。

失礼を承知で言わせて頂ければ、メトロポリタン美術館の第一印象は“巨大なアンティーク ショップ”でありました。つまり、金にモノを言わせて“世界中から買い漁った臭”が余りにもキョーレツで、ヨーロッパの美術館に蔓延する“歴史的重厚臭”を全く感じなかったからであります。加えて、素晴らしい文化財が多過ぎる事が災いして、結局のところ“美術館なのか博物館なのかよー分からん”という消化不良感。

ところが、巨大な館内を一通り見終わって外に出た瞬間、不思議と印象が好転しているのに気付きました。何故なら、昔のアメリカ人(ニューヨーカー)が、如何に本気で“ルーブル美術館(パリ)を追い越せ”と奮闘したのかが伝わって来て、ヨーロッパの美術館とは違う魅力を感じたからであります。

もしかしたらメトロポリタン美術館は、何事も“世界一を目指し続けたアメリカ人”にとって、誇らしい“記念碑”なのかも知れません。

 

“アメリカン スピリット溢れるメトロポリタン美術館”で開催される、豪華絢爛な「 メットガラ 」……………

 

 

リリー コリンズさん ( ドレス : GIVENCHY )

❇ “御大ロック ミュージシャン”フィル コリンズさん(ジェネシス)のお嬢様。

アン ハサウェイさん ( ドレス : VALENTINO )

 

 

モード、ファッションに関しまして、パリが“本家”である点は永久に不変であります。

しかしながら、ニューヨークにメトロポリタン美術館がある限り、メトロポリタン美術館で「 メットガラ 」が開催される限り、モード、ファッションの“本場”は今後もニューヨークであり続けると思います!

 

 

『 The Metropolitan Museum of Art : 1000 5th Ave , New York , NY 10028 , USA 』

 

 

ところで、私の大好きなスティーブン ソダーバーグさん監督で大ヒットした『 オーシャンズ 』シリーズ最新作、『 オーシャンズ 8 ( Ocean‘s Eight ) 』が我が国でも8月10日に公開されますが、誠に残念ながら監督はスティーブン ソダーバーグさんではなく、ゲイリー ロスさん ( Gary Ross : アメリカ , 1956〜 )で御座います。

 

但し、今回の舞台は「 メットガラ 」でありますので(上記登場のリアーナさん&アン ハサウェイさんも出演)、「 メットガラ 」の入門教材としては最適かと……………

 

 

『 OCEAN‘S 8 / 監督 : Gary Ross  2018 』

2018年8月10日(金曜日) 全国一斉ロードショー。

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皇帝 ……

パリ時代、大変お世話になったファッション デザイナーの高田賢三さんは、70年代〜80年代パリコレのステージに“象”を登場させたり、我が国が世界に誇る“YMOさん”をライブ パフォーマンスに起用したりetc.“ドラマティック&スペクタクル”なステージングを展開して、パリコレに新しい価値観を誕生させました。

ソノ後、様々なデザイナーさんが“特異な発表会場”や“奇想天外な演出”によって、“モードの頂点”パリコレを舞台に、世界中から集まった観客を愉しませてくれたので御座います。

ところが90年代以降は、景気の変動やプレタポルテ(高級既製服)市場のポジショニング変化も相まって、パリコレの演出や発表されるコスチュームはより“シンプルでスタティック”な方向に舵を切りました。

 

率直に云えば“ネタ切れ状態”でもあったと思われますが、“トップモードの大御所”CHANELさんにとって、ネタはまだまだ尽きていない様であります(以下引用)。

 

 

【 グランパレが「シャネル」の森に! 2018秋冬プレタポルテコレクションに豪華セレブが集結 】( ELLE ONLINE )

現地時間3月6日(火)、「シャネル」が2018秋冬コレクションを発表。会場となったグランパレには、客席やランウェイ一面に枯葉が敷き詰められ、落葉した木立ちが連なる幻想的な森が出現。メゾンを象徴するモノトーンの世界観に落葉のような赤褐色や黄褐色、苔や針葉樹の葉のようなグリーン、樹皮のようなブラウンが加わり、さらに葉のモチーフのジュエリーボタンや木々の年輪のようなパターンなど、美しい自然のエレメンツを取り入れたコレクションでオーディエンスを“シャネルの森”の世界に誘った。( 2018年3月8日 )

 

 

『 CHANEL :  FALL and WINTER ( 2018 – 2019 ) Paris Collection 』

 

 

念の為に補足させて頂きますと、上記映像は決してブローニュの森で開催されたコレクションではありません。

グラン パレ(パリ8区にある大規模展示場)に、大量の枯葉や植物を用いて人工的に造った“CHANELの森”で御座います……………

 

 

 

 

ネイチャー感満載な会場で観る“王道トップモード”は、さぞかし圧巻で素晴らしい異次元トリップだったと容易に想像出来ます。

 

 

 

 

ところで、コノCHANELさんを1983年から35年間も率いておりますのは、かの有名なカール ラガーフェルド ( 本名 Karl Otto Lagerfeld : ドイツ , 1933〜 ) 先生。

ファッション デザイナーとしてCHANEL、FENDI、そして御自身のシグネチャー ブランドを統率する他に、写真家、音楽プロデューサーとしても超一流の正に“天才マルチ クリエイター”であります!

 

 

1954年、「 国際羊毛デザイン コンテスト 」“コート部門”で優勝した時のお姿。

1983年、CHLOÉ 在籍時のお姿。

 

 

実は、1971年にココ シャネル ( 本名 Gabrielle Bonheur Chanel : フランス , 1883〜1971 )さんが亡くなって以来、CHANELさんは長らく“冬の時代”が続きました。そんな名門を復活させたのがカール ラガーフェルド先生でありまして、“外国人が老舗メゾンを再生した”という業績に関しましては、当ブログ有名人である、トム フォードさん(元GUCCI)の先輩とも云える存在で御座います。

35年間もトップ メゾンのデザイナー(クリエイティブ ディレクター)を担当して、しかも常に“高評価並びに高セールス”を維持するのは、もはや人間業の領域を遥かに超越しており、カール ラガーフェルド先生は、謂わば“生きながら神格化されたブランド”なのであります。

 

 

最近のお姿(本年9月10日で御歳“85歳”)。

 

 

そんなカール ラガーフェルド先生。

当然ながら“名言(迷言)”のレパートリーも数多く、ココに極一部を御紹介させて頂きます。

 

✳「 私は生きるレーベルだ。名前は“レーベル フェルド”、ラガーフェルドではない。」

「 私を服に例えるならば白いシャツだ。何故なら“非の打ち所がない”から。」

「 ロングヘアは絶対に切らない。何故なら“私のロゴ”だから。」

 

 

 

 

因みに変態オッサンは、1985年に一度だけカール ラガーフェルド先生にお会いした経験があります。

当時はドイツ人の友人が何人もおりましたが、カール ラガーフェルド先生のキョーレツな第一印象は……………

_ “エッ、こんなドイツ人も居るの?” _

 

ソレが“何を意味するか”は、皆さんの御想像にお任せ致します。

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

 

 

伝統の守り方 ……

世界中の憧れであり、我が国でも圧倒的な人気を誇る“スーパー ブランド(メーカー)”ルイ ヴィトンさん ( Louis Vuitton Malletier : フランス , 1854〜 )。

正式名称に“Malletier(マルティエール)”とある事からもお分かりの様に、当初は“スーツケース専門”でありましたが、長年に渡って“超一流バッグ ブランド(メーカー)”として君臨後、1998年にアメリカ人デザイナーのマーク ジェイコブスさんをアーティスティック ディレクターに迎え、アパレルのレディース コレクションをスタート。2000年にはメンズ コレクションもスタートして、トータル ファッション ブランドへと躍進。謂わば、“GUCCIさんに於けるトム フォードさん”をマーク ジェイコブスさんが見事に演じ、GUCCIさん同様の“大変身”を成し遂げた訳で御座います。

 

トム フォードさん&マーク ジェイコブスさん。

お2人共にアメリカ人であったのは、“ファッション ビジネス最大のマーケット”が、言うまでもなくアメリカである事実と密接な関係があったのかも知れません。但し“ヨーロッパ老舗名門”が大変身を遂げる為に、最も相応しいデザイナーがアメリカ人だった点は、正に“時代の要求”だった気が致します。

ソノ後数回のデザイナー交代を経て、“トップモード ブランド”としてのルイ ヴィトンさんは、誠にキョーレツな存在感を醸し出しております。

 

 

 

 

そんなルイ ヴィトンさん。

昨年は“人気スケートボーダー ブランド”Supremeさん( アメリカ , 1994〜 )との“期間限定コラボ商品”が、世界中で社会現象を巻き起こし話題となりました。

以下に極一部を御紹介致しますが、是非とも“お値段”に御注目を……………

 

 

『 Louis Vuitton/Supreme Leather Baseball Jacket 615,600円 』

『 Louis Vuitton/Supreme Jacquard Denim N-3B Parka 561,600円 』

『 Louis Vuitton/Supreme Christopher Backpack 436,320円 』

『 Louis Vuitton/Supreme Malle Courrier 90 Trunk 7,743,600円 』

『 Louis Vuitton/Supreme Boite Skateboard Trunk 6,188,400円 』

『 Louis Vuitton/Supreme Eye-Trunk for iPhone 7 143,640円 』

 

 

“カジュアル感満載ブランド”とのコラボ商品にも拘わらず、思わず“2桁間違っているのでは?”と疑いたくなる価格設定……………

しかも今現在、リユース サイトのオークション等で“更に数倍のプライス”で取り引きされております。

リユース商品が定価数倍で取引きされた場合、ソレで“潤う”のは一度購入して手放したお方でありまして、生産者さんや正規発売(輸入)元さんに一切の見返りは御座いません。つまり“健全な消費”とは言い難い面もあって、消費サイクル上ケッコーな問題を含んでおりますが、ソノ点に関しては敢えて触れない事とさせて頂きます。

 

私が特に注目致しますのは、ルイ ヴィトンさんみたいな“伝統を重んじる名門”が、大きなリスクを伴う斬新なコラボにも果敢に挑戦するという、何とも潔い“攻めの姿勢”で御座います。

 

因みにルイ ヴィトンさんは、通常商品として昨年より「 スマートウオッチ 」を発売しておりますが、飽くまでも本体機能はベーシックに留めて、“ルイ ヴィトンらしさ”を徹底した“ルイ ヴィトン流攻撃型商品”となっております。

 

https://youtu.be/4AjdAObqC74

『 Louis Vuitton Tambour Horizon  2017 』

 

 

上記プロモーション ムービーを御覧になれば、同じ「 スマートウオッチ 」であっても、本職のAppleさんやSONYさんと比べてルイ ヴィトンさんは、“全く違うアプローチ”で攻めているのがお分かりかと思います。

 

 

 

継続しなければ“伝統”は途絶えてしまいます。

しかしながら継続する為には、常に“変化する(攻める)事”が重要なので御座います……………

 

ルイ ヴィトンさんを通して、“攻撃こそ最大の防御なり”と改めて実感した変態オッサンでありました!

 

 

『 Luis Vuitton ( パリ本店 ) : 101 Av. des Champs-Élysées, 75008 Paris, France 』

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

 

 

 

 

 

 

絶賛迷走中 ……

今年も「 秋冬 パリコレクション 」のシーズンとなりました。

世界中からファッション関係者がパリに大集合して、“花の都”は更なる華やかさと熱気に包まれます。但し、人気レストランやBARがヒジョーに混雑致しますので、プライベートではチョット憂鬱になる時期でもありました。

そんな「 2018 – 2019 秋冬 パリコレクション 」に先立って開催された「 2018 – 2019 秋冬 ミラノコレクション 」で御座いますが、話題の中心はやはり“アノGUCCIさん”でありましたが(以下引用)……………

 

 

【 グッチ 2018-19年秋冬メンズコレクション – サイボーグ・ボーイはアブノーマルが基本 】( FASHION PRESS )

グッチ(GUCCI)の2018-19年秋冬メンズコレクションが、ミラノ・ファッション・ウィーク2日目の2018年2月21日(水)に発表された。今季もウィメンズとの合同ショーである。テーマは「サイボーグ」。

毎シーズンアミューズメントパークさながらの大胆な演出を見せてくれる、アレッサンドロ・ミケーレ率いるグッチ。今季のインビテーションはショー開始までの時を刻むカウントダウンタイマーだ。受け取った瞬間からショー開始直前までワクワクさせてくれるハッピーな演出とは裏腹に、会場で待ち受けていたのはちょっぴり怖い手術室のセット。ランウェイにはオペ台が設置され、ショー開始の合図は心拍を計る医療装置の音色だった。( 2018年2月22日 )

 

 

以前も当ブログで取り上げさせて頂きましたが、GUCCIさんと云えば、トム フォードさん時代(1994年〜2004年)の“セクシー&ラグジュアリー路線”にスッカリ馴染んでしまった私は、2015年からクリエイティブ ディレクターを務める、アレッサンドロ ミケーレ( ALESSANDRO MICHELE )さんの“キワモノ路線(?)”には、正直なところ“キョーレツな違和感”を感じます!

 

飽くまでも個人的見解で御座いますが……………

“ファッション”とは今現在(一時的)の流行であり、対してもっと長いスパンで捉えたのが“モード”だと勝手に解釈しております。つまり、“ファッション”は世界中で毎日生み出されては消えて行くムーブメントであり、“モード”は後世に足跡を残し、数十年後も何らかの形で語られるべきシークエンスだと考えます。

“ファッション”最大の魅力は、ストリートや身近なコミュニティーでも発生可能な点でありまして、故に世間に対しても影響力が甚大で御座いますが、GUCCIさんの様な所謂“トップモード”は、凡人には購入不可能なお値段であり、よって世間に対する直接的影響力が小さい代わりに、“モード界の重鎮”として、後世に引き継がれる“遺産の一部”だと言っても過言ではありません。

 

私が不思議でならないのは……………

はたして世界中の“GUCCIフリークさん(実際に購入されている方々)”は、素直に“アレッサンドロ ミケーレ ワールド”を歓迎しているのでしょーか?

 

 

自動車のFERRARIさん、時計のPATEK PHILIPPEさん、カメラのLEICAさんetc.世界中のあらゆる一流品(高級品)には、何にも変え難い特有の“香り”が存在致します。ソレは謂わば“崇高で神々しい香り”であって、ソノ“崇高で神々しい香り”が、人々を魅了して止まないのだと思います。

 

確かに“先進性と斬新さ”が、ファッション(モード)の重要ファクターであるのは間違いありませんが、現在のGUCCIさんから漂うのは“何とも言えない異臭”で御座います。

 

 

✳ 『 独断と偏見による総括 』

例えどんなに高名な批評家さんが高評価しようとも、例えどんなにお金があろうとも、誠に失礼ながら“現在のGUCCIさんだけは着たくない”。

と、心に強く刻まれてしまった変態オッサンでありました……………

 

 

 

 

( 写真は全てネットから拝借。)

上等でスリリングな日常 ……

当ブログに於いては、“イタリア老舗ブランドを大改革したアメリカ人”としてヒジョーに有名なトム フォードさん( 本名 : Thomas Carlyle Ford  , 1961〜 )。

改めて雑にオサライをさせて頂きますと……………

1988年「 ペリー エリス ( Perry Ellis ) 」でファッション デザイナー としてデビューしたトム フォードさんは、1990年にニューヨークからミラノへ移って「 GUCCI 」に入社し、1994年「 GUCCI 」のクリエイティブ ディレクター(総監督)に就任。“オバサン向け老舗バッグ ブランド”だった同社を、世界有数の“トップ モード企業”に昇華させるという偉業を達成。

加えて、ソノ後10年間で“売り上げ約15倍アップ”を達成し、クリエイティブとマネージメントの両面で大成功を収めた、真の“ファッション ビジネス界レジェンド”で御座います。しかも2000年以降は、イブ サンローランを含むグッチ グループの“トータル クリエイティブ ディレクター”に就任。

2004年「 GUCCI 」CEOだったドメニコ デソーレさんと仲良く辞任。翌2005年にシグネチャー ブランド及び株式会社「 トム フォード 」を設立……………

と、ここまでは“単なるスーパー デザイナー”のサクセス ストーリーでありますが、トム フォードさんが“単なるスーパー デザイナー”と違うのは、シグネチャー ブランド設立と同時に何と“映画制作会社”「 フェイド トゥ ブラック 」も設立。監督デビュー作品『 シングルマン ( A Single Man )  / 原作 : クリストファー イシャーウッド  2009 』は、ヴェネツィア国際映画祭etc.で数多くの賞を受賞致しました。

 

 

 

そんな“宇宙No.1スーパー クリエイター”トム フォードさんが、監督並びに脚本を手掛けた第2弾作品『 ノクターナル アニマルズ ( Nocturnal Animals ) / 原作 : オースティン ライト  2016 』が現在我が国で公開中で御座います(以下引用)。

 

【 世界トップデザイナーによる監督最新作『ノクターナル・アニマルズ』、その着こなしを最速チェック! 】( dmenu映画 )

観客のイメージを左右しない“無印”の着こなし

グッチグループのクリエイティブ・ディレクターとして活躍し、ファッションデザイナーから映画監督へ華麗な転身を遂げたトム・フォードが、7年ぶりに発表した監督第2作『ノクターナル・アニマルズ』は、昨年のヴェネチア映画祭審査員グランプリを筆頭に多くの映画賞を受賞。現実の世界で暮らすヒロインが、小説に描かれた虚構の物語に没頭していくスリリングな構成もさることながら、映画の見どころは、ずばりファッション。今回は、コリン・ファース演じる大学教授のために自ら得意のブラックスーツをカスタマイズした前作『シングルマン』とは違い、トム・フォード・ブランドを一切封印しているのが注目点だ。( 2017年10月31日 )

 

 

“ファッションありきのヴィジュアル作品”ではなく、飽くまでも“日常のドラマ”として描く事に重点を置きながらも、かつスタイリッシュでスリリングな作品に仕上げるなんて荒技は、コノ地球上でトム フォードさん以外の誰にも決して真似出来ないのでは?つまり、一番の得意技である“自らデザインした衣装”を封印したばかりか、他の有名ブランドも殆ど使用せず、それでいて“ファッションが見どころ”の逸品に仕上げた手腕は、正に“トム フォード流”の一言に尽きると思います。

 

『ノクターナル・アニマルズ』 TOHOシネマズ シャンテ他、全国ロードショー上映中(C)Universal Pictures

 

 

ところで、変態オッサンがヘアメイクだった1996年のお話。

ブック(自身の作品ポートフォリオ)を持ってニューヨークのエージェントを廻りましたが、ソノ際にブッカーさんから「トム フォードを知っているかい?」と何度も聞かれた経験がありました。

今にして思えば、丁度トム フォードさんが「GUCCI 」のクリエイティブ ディレクターとして話題になっていた時期であり、“イタリアで奮闘中のアメリカ人を応援しよーゼ”的な、誠にハートウォーミングな雰囲気に包まれていた気が致します。

 

⬆️ ディレクター ビュー ファインダーを覗いて、熱心にフレーミング(構図) チェックをする“トム フォード監督”。

う〜〜ん、カッコ良過ぎ……………

 

因みに“テキサス出身のお方”は、やはり“テンガロンハット好き”の様で御座います!

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)