黄金比 ……

1970年代、私が中学生だった頃のお話。

父親の知人(札幌在住)が「 TOYOTA  2000GT 」を所有しておりました。全世界でたった220台しか発売されず、最近のアメリカ オークションに於いては度々“オーバー1億円”で落札されている、正に我が国が世界に誇る“幻の名車”で御座います。

クルマ好きだった私は、父親を通して熱心に頼んだ結果、夏休みに1度だけ乗せて頂ける事となりました。

そもそも「 TOYOTA  2000GT 」はエンジン製作、内外装デザインその他を終始YAMAHAさん主導で敢行されたプロジェクトであります。故にYAMAHA(日本楽器)さん手作業によって磨き上げられたウッドパネルは誠に美しく、何もかもが当時の他ジャパニーズ カーと比べて、明らかに“ケタ違いのスーパー スポーツカー”でありましたが、パーキング ブレーキが甘くて(本来の特長なのか個体差なのかは不明)、坂道に駐車する際にはオーナーのお方が必ず前輪を斜めにしていたのと、クルマ全体のイメージに対して“タイヤが細くて貧弱だった”のを、今でもハッキリと覚えております……………

 

 

「 TOYOTA  2000GT , 1967〜1970 」

 

 

唯一のジャパニーズ ボンドカー、最高速度 世界記録更新etc.といった華々しい栄光は、今更説明の必要もないかと思われますが、中学生だった私の記憶に刻まれたのは、野崎 喩(ノザキ サトル)さんデザインによる、何とも美しい“ロング ノーズ&ショート デッキ”プロポーションでした。

FR(フロント エンジン リヤ ドライブ)レイアウトがポピュラーだった時代、ソレは“スポーツカーを象徴するシルエット”だったのであります。

 

 

「 FERRARI  365GTB/4 ( デイトナ ) , 1969〜1973 」

 

 

ソノ後、スーパー スポーツカーはMR(ミッド エンジン リヤ ドライブ)レイアウトがポピュラーになり、残念ながら“ロングノーズ&ショート デッキ”プロポーションは次第に姿を消してしまいました……………

 

ここで、軽〜〜くオサライさせて頂きます。

 

MRレイアウトが運動性能上ヒジョーに有利であるのは、F1に代表されるトップ カテゴリーのレーシング カーが、おおむねMRレイアウトを採用している点でも明らかでありますが、実際に“シャシーのド真ん中”にエンジンを搭載したならば、ドライバーの居場所がありません。つまりMRの定義は、エンジン大部分(50%以上)が“後輪より前に配置されている”のを意味致します。

という事は、エンジン大部分が“前輪より後ろに配置されている”のと、重量バランスは大差ない訳であります(所謂“フロント ミッドシップ ”)。

因みにコノ“フロント ミッドシップ”という発想は、Mercedes-BenzさんとBMWさんが長年パワー プッシュしている方式で御座います。

 

確かにMRレイアウトは、何にも変え難いハンドリングを実現してくれますが、結局のところは“好みの問題” であり、むしろ昨今のスーパー スポーツカーはFRレイアウトに回帰する傾向が御座います……………

 

 

「 ASTON MARTIN  One-77 , 2010〜2011 」

「 FERRARI  F12 berlinetta , 2012〜 」

「 Mercedes  SLR Stirling Moss , 2009〜2010 」

 

 

余談でありますが、変態オッサンの愛用車「 BMW Z3 」もFR“ロング ノーズ&ショート デッキ”の部類に入ります。

購入直後は、公共駐車場のタイヤ止めにフロント スポイラーをゴリゴリ擦りましたが(DIY塗装済み)、取り回しに慣れてしまえばノー プロブレムであります。

 

 

最近は“寒くても無理してオープン走行”、レトロ ビューティーな「 BMW Z3 」。

 

 

やはりスポーツカーにとっては、“ロング ノーズ&ショート デッキ”が黄金比であり、永遠に色褪せない“理想プロポーション”なのでは?……………

 

人間に例えるならば、“脚がキレイで魅力的な女性”だと私は考えます!

 

 

最近は“TV、雑誌、ファッション ショーで大活躍”、ヘルシー ビューティーな朝比奈 彩 ( アサヒナ アヤ ) さん。

 

 

ところで、1985年にパリのアパートを一旦引き払って帰国する際に、お世話になった方々の挨拶廻りをしておりましたら、コンコルド広場で赤の「 TOYOTA  2000GT 」を拝見致しました。

「 TOYOTA  2000GT 」の希少性を考えれば、もう2度とお姿を見る機会はないでしょう。

 

まるで“札幌で知り合った女性にパリで再会”した気分で御座いました……………

 

 

コンコルド広場 ( Place de la Concorde 75008 Paris , France )

 

 

 

 

 

( 写真1〜9、11、12はネットから拝借。写真10は自身のインスタグラムより。)

 

小宇宙 ……

我が国ではCASIOさんの『 G-SHOCK 』に代表される“ソーラー電波式リスト ウォッチ”がスッカリ定着した感があり、よって5〜6年に1度の電池交換さえ行えば、誰もが“1秒の誤差もない正確な時間”を手に入れられる環境にあります。

今後もタイムピース(主にリスト ウォッチ)は、より“多機能なケアレス ツール”に発展すると予測されますが、例えどんなに「 EV ( 電気自動車 ) 」が進化発展を遂げても「 クラシックカー 」の魅力が失われないのと同様に、機械式(自動巻及び手巻き)リスト ウォッチは、永遠に色褪せる事なく輝き続けると思われます。何故ならば“アナログ機械の魅力”は、人間の五感を刺激する“ある種の魔力”を秘めているからで御座います。

 

ところで皆さん、「 複雑時計 ( 又は複雑機構時計 ) 」という言葉を御存知でしょーか?……………

基本的には、以下の3点が“複雑時計3大機構”でありますが、内2機構以上が搭載されたリスト ウォッチは、“グランド コンプリケーション ウォッチ”と呼ばれております。

 

 

✳ 1 ) 永久カレンダー ( Perpetual Calendar )

“閏年や31日未満の月”を、機械が勝手に自動調整してくれる機能。

✳ 2 ) ミニッツリピーター ( Minute Repeater )

ボタンを押すと“時間や分”を鐘の音で知らせてくれる機能。

✳ 3 ) トゥールビヨン ( Tourbillon )

重力脱進機を常時回転させ、時計の“姿勢差によって生じる誤差”を最小限に抑えてくれる機能。

 

 

上記は何も“1700年〜1800年代に必要とされた技術”でありまして、現在は“数千円のデジタル ウォッチ”であっても、3大機構無しに極めて高精度かつ多機能をアッサリ実現しております。但し、そんな現代だからこそソノ様な“特殊技術”は、時計メーカー(時計職人)さんにとって重要アピール ポイントなので御座います。

実は、全てアブラアム ルイ ブレゲ ( Abraham – Louis Breguet : スイス , 1747〜1823 )先生の発明でありますが、特にトゥールビヨンに関しましては、製作可能な職人さんが“世界に十数人しか存在しない”と言われており(“ジャパンが世界に誇る”浅岡 肇さん含む)、別メーカーからリリースされた違う作品であっても、製作した職人さんは同一人物である場合が多く、当然ながら“トゥールビヨン搭載リスト ウォッチ”は、殆ど天文学的お値段になってしまうのであります。

( 因みにアイ キャッチ画像の懐中時計は、そんなブレゲ先生が何とマリー アントワネットさんの御注文で製作したものの、完成時には注文主さんが既に断頭台で処刑されており、残念ながら納品出来なかった“悲運の懐中時計”『 BREGUET : Marie Antoinette No.160  ( 1827 ) 』を、最新技術で忠実に再現した『 BREGUET : Marie Antoinette No.1160  ( 2008 ) 』)

 

 

『 BREGUET : 5347BR / 2A / 9ZU , クラシック グランドコンプリケーション ダブル トゥールビヨン  価格未定 』

『 BREGUET : 7087BR / G1 / 9XV , トラディション ミニッツリピーター トゥールビヨン  ¥53,870,400 』

『 PATEK PHILIPPE : Ref.5175  ¥309,000,000 』

『 PATEK PHILIPPE : 5016A  ¥900,000,000  ( ❇ 某オークションにて、俳優ブラッド ピットさんが落札 ) 』

 

 

“FERRARIさん”どころか……………

 

『 FERRARI : LA FERRARI ( ラ フェラーリ )  約 ¥200,000,000 』

 

“BUGATTIさん”が軽〜〜く買えてしまうコノお値段。

 

『 BUGATTI : CHIRON ( シロン )  約 ¥350,000,000 』

 

 

しかも宝石を散りばめた派手な装飾は一切無し、つまり純粋に“複雑メカの技術代”なので御座います!

更に近年、PATEK PHILIPPEさんやBREGUETさん等の所謂“雲上トラディショナル メーカー”ばかりではなく、カーボンファイバー、チタン、化学繊維を斬新にフィーチャーした“新進アヴァンギャルド ブランド”も登場致しました。

 

高級宝飾デザイナーだったリシャール ミル ( Richard Mille : フランス , 1951〜 )さんが、2001年スイスに創設したRICHARD MILLE。

コンセプトはズバリ“腕時計のF1”。偉大な有名アスリートが商品名となっております。

 

 

『 RICHARD MILLE : RM53-01 , パブロ マクドナウ  ¥110,484,000 』

『 RICHARD MILLE : RM70-01 , アラン プロスト  ¥101,520,000 』

『 RICHARD MILLE : RM27-03 , ラファエル ナダル  ¥96,120,000 』

 

 

東京に住んでおりました頃、何度かPATEK PHILIPPEさんetc.製トゥールビヨンを“腕に当てさせて頂いた経験”がありますが、重力脱進機が回転する様子は誠に圧巻で御座いまして、まるで腕に“小宇宙が出現したかの如き興奮”と、文字盤に吸い込まれる“不思議な感覚”を今でもハッキリと覚えております……………

 

正に、世界中でも“選ばれし極一部のお方”しか所有出来ないハイパー リスト ウォッチ。

しかしながら、ショップで手に取る権利は“世界中全ての人間”にあります。

 

 

 

 

“天才職人さんの超絶技法”を、是非とも御自分の五感で感じ取って頂きたいと思います。

 

 

『 PATEK PHILIPPE : Ref.5216 / webChronosTV 』

 

 

ところで変態オッサンは、かつてBREGUETさんの“数少ないステンレス製エントリー モデル”を所有しておりましたが、破産廃業により手放したのは云うまでもありません……………

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

 

 

 

 

空力の決死圏 ……

以前、“過去30年間に渡り『 F1 GRAND PRIX IN JAPAN 』皆勤賞”某友人のお話をさせて頂きました。

ソノ際は、レギュレーションの変更に伴って“如何にF1エンジン音が変化したか?”が争点でありましたが、某友人は又「昔に比べて“子供連れの観客”がめっきり減ったんだよね。やはり“今のF1デザイン”では子供が憧れないんだろーねぇ。」と危惧しておりました……………

レギュレーション自体は、業界全体の競争力を高めるべく改善(進化)しておりますが、世界中のあらゆる事例に関して“大人の事情”が存在致します。つまりレギュレーションの変化が、即ち“ファン フレンドリー”に繋がらないのが現実であります。

 

✳ 《 F1 GRAND PRIX 2018 》ポイント

1 ) 「 グリッド ガール 」の廃止。

_ 個人的には“大反対”で御座います。

2 ) 「 HALO ( ヘイロー : 頭部保護デバイス ) 」の導入。

_ 車体が反転した場合に“脱出し難い”との指摘あり。

3 )  「 レッドブル トロロッソ HONDA 」でHONDAさんの面目躍如なるか?

_ 誠に失礼ながら“予想外に速い”との情報あり。

4 ) 「 Alfa Romeo 」ブランドの復活。

_ 実際にはFERRARIさんによる“サブ ブランド”で御座います。

5 ) 「 エアロダイナミクス 」の新展開。

_ より“高次元かつ複雑怪奇”に。

 

 

先ずは極めて雑に説明させて頂きます。

近年のF1レギュレーションは、“環境への配慮”並びに“資金潤沢チームの独り勝ち回避”故に、パワーとスピードに対して“抑制傾向”にあります。にも拘らずコース レコードが毎年更新されるのは、空力特性を必死に研究して、主に“コーナリング スピード”を向上させているからで御座います。

ソレに必要不可欠なのが、フロント ウイングに代表される“ウイング類”でありますが、F1の空力哲学は航空機とは謂わば真逆理論によって、ボディーを“地面に押し付ける力(ダウンフォース)”を基本としております。しかしながら“地面に押し付ける力”が強ければ強い程、ボディーは安定走行致しますが、代償としてスピードが低下してしまいます。

したがって高速用、中速用、低速用と多種多様なウイングが必要となる訳でありまして……………

 

 

特に、サイド ポンツーン(側面の空気取り入れ口)周辺下部に至っては……………

 

 

まるで“深海魚のヒレ状態”で御座いまして、ディテール デザインが摩訶不思議過ぎて、もはや何が何だか“理解不能なディープ ワールド”の様相。他にも、あんな所やらこんな所やらに、プラモデルの如く小さな“穴”や“羽”のオンパレード。

 

 

コノ様にして空気を細かく取り入れたり、シャシー下を通る空気の流れを微妙に調整しなければ、現在のF1マシンは勝てないのでありますが、コレでは、デザイン云々以前の“空力ウォーズ”に突入した感満載。そしてマシンは全体像の美しさを失い続け、ますます“キッズが憧れないF1マシン”に成り果てるのでは?……………

 

因みに、“話題&問題満載”のF1 GRAND PRIX 2018 第1戦『 ROLEX AUSTRALLAN GRAND PRIX ( メルボルン グランプリ サーキット ) 』は、いよいよ明後日(現地時間16:10)決勝スタート。

 

 

 

本日のオマケ。

 

 

上記は、今シーズンから“F1セーフティカー”に選定された『 メルセデス AMG GT R 』で御座いますが、“超ド級パフォーマンス(最高出力585hp、最高速度318km/h)”に加えて、コックピット内は何と“Wi-Fiホット スポット環境(iPad2台完備etc.)”……………

“F1マシン”よりも“F1セーフティカー”がヒジョーに気になる変態オッサンでありました!

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

新たなイメージ アイコンとなるか ……

HONDAさんと云う企業には、我が国の他自動車(バイク)メーカーさんとはチョット違うイメージと香りが存在致します。

ヘアメイク時代、何度かHONDAさんCMや広告をやらせてもらった縁で、HONDAさんスタッフの方々とお酒を御一緒した際に、“エンジン論”や“デザイン論”を熱く語るソノ姿は、プロフェッショナルながらも“車好きアマチュア スピリット”を持ち続けている、謂わば“マニアックな技術屋集団”を感じさせました。

ソレはHONDAさんの正式名称である「 本田技研工業株式会社 ( Honda Motor Co., Ltd. ) 」にも現れていると思います。

 

 

ところで、お馴染みのHONDAさんロゴ マークを見て、何故“自動車(バイク)メーカーなのに翼マークなのか?”と、違和感を感じるお方もいらっしゃるのでは……………

答えは、創業者である本田宗一郎さんが、航空機産業に参入するのを渇望されていたからであります。

そんな本田宗一郎さんの夢であった“HONDA JET”が、極めて順調な滑り出しで御座います(以下引用)。

 

 

【 ホンダジェット、セスナ主力機抜き首位 17年納入機数
20機増の43機 】( 日本経済新聞 )

ホンダのビジネスジェット機「ホンダジェット」の2017年の世界での納入機数が前年比20機増の43機となり、米セスナの主力機「サイテーションM2」を抜いて初めて首位となった。ビジネスジェット市場は世界的に成長が鈍化しているが、ホンダジェットが含まれる「超小型機部門」は前年と比べ需要が5割増。ホンダにとっては苦戦が続くF1に代わるブランド戦略の柱となる。将来は自動車などに続く収益源に育てる考えだ。( 2018年3月4日 )

 

 

 

 

そもそもRolls-Royceさん、SAABさん、富士重工業(現SUBARU)さんetc.“航空機メーカーさんが作った自動車”は数多く存在すれども、“自動車(バイク)メーカーさんが作った航空機”は、私が知る限りHONDAさんが“世界初”だと思われます。しかもGE(アメリカ)さんと共同開発ではありますが、ちゃ〜〜んとエンジンも“自前で製造”しておりますので、時計に例えるならば、PATEK PHILIPPEさん同様の正に“マニュファクチュール(自社一貫製造)”で御座いまして、しかも、お値段がライバル機に比べてお得な“約5億円”……………

当サイトのプロデューサーである“秀津風親方さん”が、“購入を前向きに検討していらっしゃるとの噂”も頷けます。

 

 

御存知の様にHONDAさんは、今現在(2017年シーズン終了時点)F1ビジネスでケッコー苦戦しており、かつての企業イメージであった“F1のHONDA”は脆くも崩れ去ってしまいました。

代わり(?)としてHONDAさんが、“HONDA JET”を次期イメージ アイコンとしてパワー プッシュしておりますのは、CMからも充分に伝わって来る気が致します。

 

『 Go, Vantage Point. / Honda Jet  2018 』

 

まるで“80年代SONYさんCMを彷彿とさせる”上記作品は、映像、演出、音楽全てが誠に秀逸でありまして、HONDAさんらしい“勢い”が前面に出ており、最近のジャパニーズCMではトップクラスの仕上がりで御座います。

加えてデザインのスタイリッシュさや、主翼上面に搭載されたエンジン レイアウトの巧みさによって、“飛行機自体が極めて魅力的”であるのが容易に理解出来ます。

因みに設計者の藤野道格さんによれば、フロントノーズからテールエンドに繋がるシャープなラインは、何と“サルヴァトーレ フェラガモのハイヒール”をモチーフにしたとの事であり、機能美とファッション性を融合させた“HONDA デザイン”の誕生であります!

 

 

全くの余談ですが、女優(モデル)の本田 翼さんは御本名で、お父様がHONDAファンだったので“翼”と名付けたのは有名なお話。

 

 

“HONDA JET”同様に、“本田 翼さん”がヒジョーに気になる変態オッサンで御座いました……………

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

デザイン新時代 ……

1970年代〜1980年代はピニンファリーナ ( Pininfarina : 1930〜 )、ベルトーネ ( Bertone : 1912〜 )、イタルデザイン ( Italdesign : 1968〜 )etc.所謂“イタリアン カロッツェリア全盛期”でありました。当時のカロッツェリア(イタリア語で「 高級馬車 」の意)は自動車のデザインを主として、場合によっては自らボディーを製造したり、他メーカーで製造されたシャーシにボディーを架装したりと、高級自動車生産に於ける最も重要なパートを担っておりました。

よってカロッツェリア エンブレムは、自動車メーカー エンブレム以上に誇らしげに輝き、“何処のカロッツェリアでデザインされたか?”が、車の極めて重要なステータスを決定していたので御座います。

 

 

時代は変わって、ピニンファリーナさんは2015年“インド大財閥”マヒンドラ グループに買収され、ベルトーネさんは2009年“イタリア最大手自動車メーカー”フィアット グループに買収され、イタルデザインさんは2010年“世界最大手自動車メーカー”フォルクスワーゲン グループに買収されてしまいました。

因みに、買収自体は別にネガティヴ ファクターではなく、むしろ進歩的(発展的)ファクターと捉える事も出来ますが、問題は“自動車業界に占めるデザインの役割”が、以前に比べて大きく変化した点にあるかと思われます……………

御存知の様に、自動車はエンジンを主軸に排気系、電気系、その他膨大なパーツで複雑に構成されております。特に高性能スポーツカーを設計する際には、エンジン レイアウトや空力特性のプライオリティー故に、デザインは事前にある程度決まってしまいます。つまり外部のデザイン専門機関に委託するよりも、“コンセプトを熟知した社内デザイン部門”でデザインするメリットが、1970年代〜1980年代に比べて大幅にアップしたのであります。

 

特に顕著な例として挙げられるのは、ランボルギーニさんとBMWさんのデザイン アプローチで御座います。

とりわけ2000年以降のBMWさんは、ヒジョーに“攻めたデザイン”が特徴であり、モーターショーで発表したプロトタイプ等を“殆ど変わらぬデザイン”で市販車として発売し、世界中の“ビマー ( Bimmer : BMW愛好家の総称 )”から圧倒的支持を受けております(以下引用)。

 

 

【 BMW i8ロードスターはLAで正式デビュー! 】( LE VOLANT CARSMEETweb )

BMWはロサンゼルス・オートショー2017において、プラグインハイブリッドスーパースポーツの新型「BMW i8ロードスター」をワールドプレミアするとともに、フェイスリフトを受けた「BMW i8」を発表した。市場導入は2018年5月からを予定している。

プラグインハイブリッドシステムは、1.5リッター直3ターボエンジン(231ps/320Nm)とモーター(143ps/250Nm)の組み合わせにより、システム出力374psを引き出す。0-100km/h加速4.6秒をマークするi8ロードスターは、15秒でルーフの開閉が完了するほか、50km/h以下であればルーフ開閉操作が可能だ。EV後続距離は53kmで、ハイブリッド燃費は47.6km/L。なおEV時の最高速は120km/hをマークする。( 2017年12月6日 )

『 BMW i8 オフィシャル プロモーション ムービー  2017 』

 

 

プラグイン ハイブリッド システムとエアロダイナミクスを最大限に活かして、かつインパクト強大のスタイリッシュ デザインに昇華するのは、外部のデザイン専門機関では実現不可能であり、正に“社内デザインの傑作”と呼びたい魅力的なプロポーション!

 

 

ところで、BMWさんの全車種が“重量配分(前後比) 50:50”を実現しており、自動車評論家の方々が「FRでもBMWだけは決してケツを振らない。BMWでケツを振るのは、“安いタイヤを履いている証拠”だ。」と仰いますが、ソレは飽くまでも“乾燥路面”でのお話……………

私は“1998年製 BMW Z3”を愛用しております(冬タイヤはBRIDGESTONE装着)。

例年よりも寒さがヒジョーに厳しい本年のHOKKAIDO。路面は常に“スケートリンク状態アイスバーン”であります。

 

したがって、毎日の様に“ケツを振りまくって走行中”の変態オッサンで御座いました……………

 

 

 

 

( 画像1〜9は全てネットから拝借。画像10は自身のインスタグラムより。)

ミニマリズムの誘惑 ……

旧ブログを通して「 工業デザイン 」カテゴリーで、定期的に御紹介しているメーカー(ブランド)が御座います。

1913年ドイツに創設(前身会社は1849年設立)された老舗企業であり、創業当時から一貫したソノ“超機能美”は、今現在考え得る工業デザインに於いて“世界一シンプルかつ美しいデザイン”であるのは間違いなく、定期的に注目する事によって、“鈍化した己のデザイン感覚”が修正される気さえ致します(以下引用)。

 

【 アルミ削り出しのミラーレスカメラ「ライカTL2 」 】( デジカメWatch )

ライカカメラジャパンは、ミラーレスカメラ「ライカTL2」を7月22日に発売する。ボディ単体の希望小売価格は税別25万円。カラーはブラックとシルバーの2色。ライカLバヨネットマウントを採用する、APS-Cフォーマットのミラーレスカメラ。2014年4月に「ライカT」として登場したカメラシステムの最新機種。従来モデル「ライカTL」のアルミ削り出しボディや大型タッチパネル式モニター、Wi-Fi経由のスマートフォン連携といった特徴を継承しつつ、基本性能を向上させている。( 2017年7月10日 )

 

 

“余計なモノが一切無いデザイン”どころか、正直なところ“必要なモノまで削ぎ落としたのでは?”とさえ思ってしまうのは、“カメラのロールスロイス”Leicaさんの新製品『 TL2 』で御座いますが、コノ『 TL2 』には、更にスタイリッシュな外付けビュー ファインダーが用意されておりまして……………

 

 

どーやら、コノ外付けビュー ファインダー不具合により発売が延期との事(現在予約受付中)。税込27万円というボディーお値段は私の様なド貧乏人には無理でも、Leicaさんの“レンズ交換式カメラ”としては、極めてお求め易いお値段であり、装着可能なサードパーティー製レンズは低価格から選択可能なので、2017年度に発売されるミラーレス コンパクト カメラでは、間違いなく目玉商品になるかと思われます。しかもPanasonicさん製のセカンド ラインではなく、“生粋のジャーマンLeica”であります。

因みに、50年代〜60年代の我が国には「 ライカ1台 = 家1軒 」という有名スローガンが存在致しましたが、21世紀の現在でもフルサイズ一眼レフ( ライカ プロフォーマット : 35mmサイズとブローニー サイズの中間 )である『 Leica S Series 』は、何とボディーお値段が“約300万円”……………

 

『 Leica S ( Typ007 ) 』

 

✳️ つまり、未だに「 ライカ1台 = 車1台 」なので御座います!

 

 

プロフェッショナル フォトグラファーの方々にとっては、実像がミラー越しに確認出来る“一眼レフ”が長年に渡って最も信頼されておりましたが、正確に云えばシャッターを押した肝心の瞬間は、ミラーが跳ね上がった状態で確認不可能でありますし、ミラーが上下する際の振動や音を嫌うプロフェッショナルのお方も少なくありません。特に欧米有名フォトグラファーの方々は、自分の撮影スタイルに合ったカメラであれば、例え本来はアマチュア用ツールであっても、何の抵抗も無く採用する傾向があります。よって次世代 有名フォトグラファーさんには、もしかしたらミラーレス カメラがポピュラーになるのかも知れません。

 

ところで、東京時代の私は、愛機『 Nikon D300 』を持参しての撮影散歩が趣味でありましたが、折しも急増した“カメラ女子”の方々と遭遇してカメラ談義になる事も度々御座いました。美大生であった某女性は「Nikonは“画像が硬い”し、デザインもプロっぽくて男性向けだと思います。女子の間では『 Canon EOS 』がポピュラー。やはり、“デザイン優先”で購入する人が多いんデス。」と仰っておりました。

 

もし『 Leica TL2 』を持参して撮影散歩を敢行したら、“カメラ女子”の反応は如何なものでしょーか?……………

写真云々よりも、ソレが気になって仕方がない変態オッサンで御座います。

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

 

生活の芸術 ……

2003年秋のお話で御座います。

私は渋谷の某家電量販店で、“本日発売”と書いてある携帯電話に目が止まりました。現在と違ってナンバー ポータビリティー制度が無かった時代でしたので、携帯電話会社を変更するのには多数のデメリットが存在致しましたが、ソノ端末はNOKIAさんやMOTOROLAさんetc.欧米メーカーのデザインとは一味違う“ジャパニーズ テイスト”でありまして、ヒジョーに新鮮に感じた私は思わず“即決購入”してしまいました。

 

『 INFOBAR ICHIMATSU / au ( 2003 ) 』

 

購入して直ぐにデザイン上の“気になる点”が発覚致しました。ソレは格納時にも“突き出たアンテナ”で御座います。既にアンテナ レス(内臓アンテナ)が主流になりつつありましたので、私としては“内臓アンテナにしてくれれば、もっとスッキリしたデザインだったのでは?”と思いましたが、当時の端末としては極めて小型軽量だったコノ製品は、胸のポケットに収納する機会が多かったので、実は“突き出たアンテナ”は取り出す際の“取っ手”として誠に重宝致しました。つまり“DESIGNED BY FUNCTION ”だった訳で御座います……………

スタイリッシュな上に、使う程に手に馴染み愛着が湧いて来るデザイン。気になってデザイナーを調べてみましたら、深澤直人さん( NAOTO FUKASAWA , 1956〜 )によるデザインで、IDEA賞金賞(アメリカ)、D&AD賞金賞(イギリス)、iF Design賞金賞(ドイツ)その他国際デザイン賞を総ナメにし、ジャパンよりむしろヨーロッパで有名な“超一流工業デザイナー”のお方であり、以前から気になっていた“換気扇型CDプレイヤー”も深澤直人さんのデザインでありました。

 

『 壁掛け式CDプレイヤー / 無印良品 ( 2000 ) 』

 

他にも“摩訶不思議な加湿器”や……………

 

『 加湿器 / ±0 ( 2004 ) 』

 

“イタリア名門ハウスウェア メーカー製品”や……………

 

『 Cha クリーマー / ALESSI ( 2015 ) 』

 

“ドイツ名門筆記具メーカー製品”や……………

 

『 NOTO / LAMY ( 2008 ) 』

 

パンが“1枚づつしか焼けないトースター”も……………

 

『 トースター / ±0 ( 2008 ) 』

 

因みに、我が国の平均家族構成は3〜4人と云われておりますので、上記のトースターを使用致しますと3〜4回焼かなければいけません。但し、芸術は“時として不自由なモノ”であり実用性を欠きます。パンが焼ける迄ひたすら待つのも又“芸術鑑賞の一時”かと思われます。

 

深澤直人さん作品に共通しております特徴は……………

✳️ 1 ) シンプルでスタイリッシュなデザイン。

✳️ 2 ) 手に馴染む機能性。

✳️ 3 ) 使い込む程に感じる暖かさ。

 

例えば、レオナルド ダ ヴィンチさん( Leonardo da Vinci : イタリア , 1452〜1519 )の様に歴史的大芸術家の作品は、滅多に拝観出来る機会が御座いませんので、もし機会があるならば絶対に拝観する事をオススメ致します。しかしながら、工業製品は謂わば最も身近な“使い倒せる芸術作品”でもあります。実際のところ、私が所有する“おんぼろボンド カー”『 BMW Z3 』は、有名カー デザイナー永島譲二さん( Joji Nagashima , 1955〜 )作品であり、BMW云々ではなく“永島譲二さん作品を運転している喜び”を感じるのは正に至福の瞬間で御座います。

工業製品を選ぶ時に“誰がデザインしたか?”を選択肢に加えると、モノ選びは更に何倍も楽しくなりますし、購入後の愛着もより深くなるのではないでしょーか?……………

 

ところで、深澤直人さんの“国内初個展”が明日から開催されます(以下引用)。

 

【 名作がずらり勢ぞろい!深澤直人、待望の初個展がいよいよ開催 】(Harper’s BAZAAR)

日本が世界に誇るプロダクトデザイナー、深澤直人氏。その国内初となる待望の個展が、7月8日(土)よりついに開催となる。
アレッシィやB&Bイタリア、ハーマン・ミラー、ラミーなど、錚々たる世界的ブランドのデザインに加え、パナソニックや無印良品、マルニ木工など、国内ブランドでもデザインやコンサルティングで幅広く活躍する深澤氏。今回はそのなかから、ブランドの製品として生まれ、グッドデザイン賞などさまざまな賞を受賞した作品が多数出品される。(2017年7月3日)

『AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展』
会場/パナソニック 汐留ミュージアム(東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階)
会期/2017年7月8日(土)~10月1日(日)
料金/一般 ¥1,000、65歳以上 ¥900、大学生 ¥700、中・高生 ¥500、小学生以下 無料
tel: 03 5777 8600(ハローダイヤル)
https://panasonic.co.jp/es/museum/

 

東京を離れて約4年の変態オッサンでありますので、伺えないのが残念でなりません!

 

『 HIROSHIMA スツール High / マルニ木工 ( 2016 ) 』

 

( 写真は全てネットから拝借。)

 

 

巨匠デザイナー再考 ……

SEIKOさんという時計メーカーは、60年代以降のクォーツ ブームを牽引しただけではなく、ワールド ビッグネームの工業デザイナーを起用したり、デザイン スタジオをミラノに構えたりと、御自慢の技術力に加えて何かと“デザインに対する拘り”もヒジョーに強い企業だと思います。

『 SEIKO ASTRON 2017 Limited Edition 』

 

上記のクロノグラフは“自動車運転中の視認性”に重点を置いたデザインがポイントであり、多くの情報を小さな文字盤にスッキリと収納した魅力的なリスト ウォッチで御座います。チョット気になってデザイナーを調べてみましたら、イタリアの“巨匠”ジョルジェット ジウジアーロさん(Giorgetto Giugiaro , 1938〜)でありました。

ジョルジェット ジウジアーロさんと云えば、我々(50代)ジェネレーションにとっては別格の工業デザイナーであります。そのクリエイション フィールドは、本来の専門であるカー デザインを中心として極めて多岐に渡り、あらゆるジャンルで名作を残した“真の天才デザイナー”で御座います。

 

『 LOTUS ESPRIT 1976 』

『 BMW M1 1978 』

『 DeLorean DMC-12 1981 』

 

自らのキャリア スタートとなったカー デザインに於いては、直線と平面で構成されたデザインが特徴でありまして、ソノ芸風は「 折り紙細工 」と呼ばれ大絶賛されました。改めて拝見致しましても“時代的な古さ”は感じるものの“デザイン的な古さ”は全く感じません。むしろカー デザイン トレンドとしてはルーティーン化している感があり、ファッションに例えるならば、謂わば“60年代ファッション”ライクな“ジウジアーロ デザイン”なので御座います。

実はこの“ジウジアーロ デザイン”。他ジャンルの工業製品に関しましては、冒頭のリスト ウォッチ同様に“セクシーな曲線”をフィーチュアした芸風に変化致します。

 

『 Nikon D4 2012 』

『 ETR 610 ( イタリア国鉄 ) 2008 』

『 D.O.P ( イタリア原産地名称保護制度 ) 認定品専用 バルサミコ酢 ボトル 』

 

ところで、ジョルジェット ジウジアーロさんが“真の天才デザイナー”たる所以は、以下の様な商品までデザインなさった点であります。本日は誠に貴重な設計図(?)も合わせてどーぞ……………

 

 

私が東京時代に購入しておりましたパスタ メーカー『 Voiello ( ヴォイエッロ ) 』さんから1983年に発売されたマカロニ『 マリッレ 』で御座います。但し、御覧になれば分かる“複雑なデザイン”故に直ぐ生産終了になってしまいました(後に限定品として再生産)……………

因みに、ジョルジェット ジウジアーロさん曰く「特に口当たり、歯応えに重点を置いてデザインした。」入魂の逸品でありまして、“超大物”でありながらも「頼まれれば何でもやりまっせ。」的な人の良さを併せ持つハートフルなお方でもあります。

 

かつてBMWのチーフ デザイナーだったクリス バングルさん(本名 : Christopher Edward Bangle , 1956〜)は、2009年「もはやカー デザインには何の刺激も感じない。」と家電デザイナーに“電撃転身”して話題になりました。

確かにAppleさんの神通力が弱まりつつある昨今、PCを含むデジタル家電のデザインに“サムシング エルス”を注入出来るのは、新人よりもジョルジェット ジウジアーロさんの様な大御所なのかも知れません。

 

よって今こそ、ジョルジェット ジウジアーロさんを起用した“本気(骨太)デザイン”を、是非とも身近なジャパニーズ プロダクトで見たい。と切に願う変態オッサンで御座います!

 

 

⬆️ ジョルジェット ジウジアーロさん作品番外編。

映画等でお馴染み“世界一有名なハンド ガン”『 BERETTA M92 FS 』の発展型『BERETTA M90two 2006 』

まるで“黒いドレスを着た貴婦人”の如き美しさ……………

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

変える必要が無いデザイン ……

1981年秋のお話で御座います。

私は“時速無制限区間”が多い事で世界的に有名な、ドイツ アウトバーン走行中の“ダイムラー ベンツ製観光バス”に同乗しておりました。ソノ観光バスは時速100kmオーバーで走行しておりましたが、ソレを数台の「 PORSCHE 911 」がいとも簡単に追い抜いて、アッと云う間に見えなくなってしまいました……………

「今のポルシェ、一体何キロ出してんだよ?」と驚いたのはモチロンでありますが「何でドイツ人は皆んなレーシング ドライバー並みなんだよ?」と、ドライビング テクニックの巧みさにも驚きました。観光ガイドのお方に尋ねましたら「ドイツでは通常の自動車教習所を卒業した後、殆どの人が改めて“高速自動車教習所”に入学します。F1が開催される国際サーキットも、レースが無い日は低料金で一般に解放されています。つまりドイツでは、誰もがハイ レベルのドライビング テクニックを容易に習得出来るんです。」との御言葉。

さすがに“ガソリン自動車を発明したお国”だけあって、ドイツの自動車文化は、我が国とは比べ物にならない程にディープで、しかも国民の生活に完全密着しておりました。加えて「ドイツ人にとって、ポルシェはホントーに特別な車です。“いつかはポルシェ”が人生テーマみたいなモノなんですよ。」と、ステキな笑顔で誇らしげに仰ったのが印象的でした。

 

“名車”と呼ばれるお車は、コノ世に“星の数程”存在致します。 “変える必要が無いデザイン ……” の続きを読む

オールド スター復権なるか? ……

「 優れた工業製品 」には、主に以下の2タイプが存在すると思います。

✳ 1 ) マニュアルを読む必要がなく、購入して即“直感的に操作可能”である(例 : Appleさん製品)。

✳ 2 ) 完璧に使いこなすには若干の時間を有するが、“アレンジ次第では楽しさ倍増”である(例 : SONYさん製品)。

上記にはそれぞれ一長一短が御座いますが、現在のトレンドが✳ 1 )である事は疑いの余地がありません。

 

今では世界中の誰もが“スマートフォンと云えばiPhone”を思い浮かべるかと思いますが、その昔カナダの「 リサーチ イン モーション リミテッド(現 ブラックベリー リミテッド) 」さんから発売され、“スマートフォンの代名詞”と呼ばれた『 Black Berry 』という端末を覚えていらっしゃるでしょーか?……………

コノ『 Black Berry 』で御座いますが、最大の特徴はネットワーク上に謂わば“個人サーバーに近い別サーバー”を設定する点にありまして、故に極めて強固なセキュリティー システムが実現出来る訳であります。但し、言い換えるならば“担当者がソノ気になれば簡単に個人情報を入手可能”と諸刃の剣でもあり、実際にヨーロッパでは“大臣クラス以上はBlack Berry使用禁止”を議会で正式に定めた国までありました。

因みに『 Black Berry 』の熱烈信者として誠に有名で、側近から熱心にiPhoneを勧められても、最後迄『 Black Berry 』を使い続けたお方が“バラク オバマ 前アメリカ大統領閣下”で御座います。

昨今のスマートフォンは全面タッチセンサーのUI(ユーザー インターフェイス)が主流でありますので、あらゆるメーカーさんが似たり寄ったりのデザインとなってしまいましたが、『 Black Berry 』の“物理QWERTYキー”搭載によるゴツくてかっこいいデザインは、正にiPhoneと対極上にある硬派なデザインと云えます。加えて他ジャンル企業とのタイアップ(コラボレーション)にも熱心であり、PORSCHEさんとのコラボ レーション モデルはケッコーな話題となりました。

ところが「 リサーチ イン モーション リミテッド 」さんは最大のウリである“物理QWERTYキー”に拘る余り、いつしかiPhone&Android陣営と同じリングに上がる事さえも許されない程に没落し、2016年には遂に『 Black Berry 』の版権をTCL(中国)さんに売却してしまいました。

結局のところ「 リサーチ イン モーション リミテッド 」さんは、残念ながら“戦う時期”、“戦い方”、“戦う場所”の全てを間違えてしまったので御座いますが(以下引用)……………

 

【 BlackBerryの再挑戦 】(TechCrunchJapan)

BlackBerryがKEYoneを発表したのだ 。そして何と、それは物理キーボード付きなのだ。この2017年にだ。でもまあ当然か?このデバイスとクラシックBlackBerryデバイスの間には、いくつかの根本的な違いがある。まず、BlackBerry自身はこのデバイスを製造していない。TCLがBlackBerryのために、この携帯電話を製造している。第2に、KEYoneは自家製のオペレーティングシステムの代わりにAndroidを実行する。BlackBerryは以前、利益を生み出す会社へと立ち戻る期待を込めて、デバイスの製造を中止し、OSの開発もとりやめた。基本的なアイデアは、ブランド名をライセンスして、Android上で動作するソフトウェアソリューションを構築することだった。(2017年2月27日)

 

先ず御注目頂きたいのは、全面タッチセンサーにも拘わらず“物理QWERTYキー”を残した強引なデザイン。そして“コノ際OSなんて何でもええわ”とさえ聞こえる、何とも“破天荒オールド スター”らしい潔さ……………

失礼ながら『 Black Berry 』が、再び“スマートフォンのメインストリーム”になるとは思えません。しかしながら“iPhoneに対するアンチテーゼ”として、是非ともサバイバルを続けて頂きたいと思います!

正直なところ、地元(HOKKAIDO カントリーサイド)でさえヒジョーに高い“iPhone ユーザー率”、ソレに関しては多少ウンザリしている変態オッサンでありますので、久し振りに“所有欲を刺激された秀逸なデザイン”に出逢った気が致します。

( 画像は全てネットから拝借。)