Sustainable Fashon ( 持続可能なファッション ) ……

例えファッションに興味が無い方でも、私と同世代(50代)もしくはソレ以上の方であれば、“ステラ マッカートニー(Stella McCartney)”という名前を聞いて、“ひょっとして?”と思うに違いありません……………

御察しの通り、ビートルズのフロントマンだったポール マッカートニーさん ( 本名 “Sir” James Paul McCartney : イギリス , 1942〜 ) の娘さん(次女)で御座います。

ステラ マッカートニーさん ( 本名 Stella Nina McCartney : イギリス , 1971〜 )

12歳頃からデザインに目覚めたステラ マッカートニーさんは、僅か15歳で“パリの一流メゾン” Christian Lacroix ( クリスチャン ラクロワ ) に入店。パリコレ等で貴重な経験を積んだ後は、ロンドンに戻ってサヴィル ロウで“メンズ テーラード スーツ”の基礎を学びました。

1995年、先日御紹介した故アレキサンダー マックイーンさんと同様に、「 セントラル セント マーチンズ 」卒業作品で一躍有名になった彼女は1997年、“パリの名門” Chloé ( クロエ ) のチーフ デザイナーに抜擢(何と“故カール ラガーフェルド先生”の後釜として)。

2001年、自身のシグネチャー ブランド 「 Stella McCartney ( ステラ マッカートニー ) 」でパリ コレクションに初参加。現在に至ります。

『 Stella McCartney / 2019〜2020 Autumn & Winter Collection in Paris 』

経歴並びに功績を見る限り、正にアレキサンダー マックイーンさんに勝るとも劣らない“天才デザイナー”であります。加えて、自分のヴィジョンを短期間で具現化する行動力は、ビジネス センスにも秀でた証拠であり、謂わば“トム フォードさん的プロデュース力”さえ持ち合わせております。

しかしながら本日は、ステラ マッカートニーさん“デザイナーとしての才能”ではなく、“人間としてのポリシー”に関するお話をさせて頂きます。

上記2点は「 Stella McCartney ロンドン本店 」の店内。

数点のポイントが御座いまして……………

❇️ 1 ) 壁には、混凝紙(こんくりがみ)と呼ばれる“リサイクル壁紙”を使用している。

( 原料は「 Stella McCartney ヘッドオフィス 」から出たシュレッダー書類。)

❇️ 2 ) 殆どの家具には、“リサイクル クッション材”を使用している。

❇️ 3 ) マネキン人形には、“サトウキビ由来バイオ プラスチック”を使用している。

❇️ 4 ) 外壁は、“解体ビルから出た古いコンクリート”を使用している。

つまり、“トップモードの旗艦店”にも拘らず、“環境への配慮”が徹底されているのであります。

過去にも“環境問題”を提起するデザイナー(ブランド)は数多く存在致しましたし、天然皮革製品の自粛をアピールする企業(メーカー)も珍しくありませんが、ステラ マッカートニーさんの“主張及び行動”は一味も二味も違います(以下引用)。

【「ステラ マッカートニー」が“ファー フリー ファー”の米商標登録を目指して活動中 】( WWD JAPAN.com )

「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」は、フェイクファーを使用したアパレルやハンドバッグ、アクセサリー類を“ファー フリー ファー(FUR-FREE FUR)”製品と呼んで米国での商標登録を目指しているが、その道が開けそうだ。

米国特許商標庁は、「商標登録に値するほどの特徴がない」として同ブランドの申請を却下したが、商標登録に関する訴訟の審理を行う行政裁判機関である商標審判部が3月29日の審判でこれを覆した。商標審判官のトーマス・ショー(Thomas Shaw)は、「“ファー”という言葉が1つのセンテンス内でリアルファーとフェイクファーの両方の意味で使用されており、矛盾があるところが特徴的だ」と述べた。( 2019年4月8日 )

ステラ マッカートニーさんが提唱する「 ファー フリー ファー ( FUR-FREE FUR ) 」は、直訳すれば“本物の毛皮を使用していない毛皮”であります。

( 因みに、我が国の慣例では人工皮革も“Leather”という表示が許されており、天然皮革は“本皮”又は“Genuine Leather”と区別するのが一般的。)

使い古された“フェイクファー”よりも、聞き慣れない“ファー フリー ファー”というワードは、良い意味で“耳に残る”誠に斬新な商標で御座います。

考えてみれば、ファッションは“最も身近な芸術”であり、未来永劫に続くべき“人類の財産”でもあります!


『 Stella McCartney / 2019〜2020 Autumn & Winter Collection in Paris 』

❇️「 Sustainable Fashion ( 持続可能なファッション ) 」の為には、ステラ マッカートニーさんの様な方が是非とも必要なのでは?と、改めて実感した変態オッサンでありました………



( 画像は全てネットから拝借。)

“Sustainable Fashon ( 持続可能なファッション ) ……” への2件の返信

  1. なるほど、勉強になります…
    お名前もそうですが、冒頭の写真で親子であることはすぐに判りました。「お鼻」がソックりでございますから…。
    仰る様にステラさんの徹底した“環境への配慮”は実に素晴らしいですなぁ。ファッションに限らず自分の周りでも改めて実践できるのではと考えさせられます…。「XXXXフリー」という言葉はイイですなぁ。XXXXへの配慮・対応という表現よりも、極めて前向きかつ無限の可能性を主張している様に感じさせます…。

    1. 仰る通りデス……………
      ステラ マッカートニーさんの“デザイナーとしてのアドバンテージ”は、女性ながらメンズ スーツの基礎がしっかりと身に付いている点でありますが、“セレブとしてのアドバンテージ”は、環境意識がヒジョーに高い点かと思われます!
      因みに自動車業界では、ロールスロイスさんやフェラーリさんetc.の高級車であっても、内装に“人工皮革”を多用するのが常識となっております。
      ソレは“環境問題への配慮”に加えて、人工皮革のクオリティーがある種“本物を超える域”に突入した証拠では?……………

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