結論なき論争 ……

過去に訪れた都市の中で、ニューヨークは特に好きな街でありましたが、あの“ヘンテコな髪型のオッサン”がアメリカ大統領になってからは、チョットだけ嫌いな街になってしまいました。

過去に訪れた美術館の中で、「 メトロポリタン美術館 ( ニューヨーク ) 」は特に好きな美術館でありましたが、コノ度チョットだけ嫌いになる事件が発生致しました(以下引用)。

 

【 少女を描いた絵画が「性的」? フランス人画家の作品撤去を求める署名、1万人が賛同 】( Buzz Feed NEWS )
メトロポリタン美術館にあるバルテュスの「夢見るテレーズ」をめぐって。

少女を描いた絵画作品が、子どもを性的対象することを美化しているーー。そうした理由から、作品を撤去するよう美術館に求めるネット署名が、アメリカで1万人の賛同を得ている。撤去が求められているのは、ニューヨークのメトロポリタン美術館に展示されている、フランスの画家・バルテュス(1908〜2001年)の作品「夢見るテレーズ」(1938年)だ。

バルテュスは、少女をモチーフにした作品を多く残していることで知られている。ここで描かれているのも、やはり少女だ。椅子に座った彼女はリラックスした表情で机の上に片足をあげており、スカートがめくれて下着が見えている。その横では、猫がミルクをなめている様子も。( 2017年12月9日 )

 

 

主に絵画や写真に関して、“猥褻(エロ)か芸術か?”の論争は昔から現代に至るまで世界中で交わされております。多くの場合はソノ作家さんキャリア全体を通して、過去に“反社会的”とみなされる表現活動があった場合は“猥褻(エロ)”と判断し、違う場合は“芸術”と判断する事で決着している様に感じます。

そもそも明らかに低俗な猥褻作品は、世論によって淘汰されて“アートシーン”に存在している可能性も少なく、所謂“芸術作品”と称される創造物に対して“猥褻(エロ)か芸術か?”の判断はヒジョーに難しい上に、ソノ論争自体に重要な意味があるとは思えません。ましてや「 メトロポリタン美術館 」の様な“超一流美術館”展示作品に対して、そんな論争が勃発して“1万人”もの署名が集まるとは、誠に信じ難い事件で御座います。

例えば1960年代〜80年代、“ヘアヌード”は我が国だけではなく多くの国々で公開が認められておりませんでしたが、今現在は芸術表現の一つとして立派に市民権を得ております。何もかもOKにしてしまうのが良いとは決して思いませんが、芸術やファッション分野に於ける表現方法は、時代と共に“進歩&オープン化”するべきであり、よって今回の事件が、“時代錯誤甚だしい愚行”に思えるのは私だけでしょーか?……………

 

『 ダンス / アンリ マティス  1910 』

『 ヌード、観葉植物と胸像 / パブロ ピカソ  1932 』

『 アビニヨンの娘たち / パブロ ピカソ  1907 』

 

古今東西、歴史に名を残す画家さんや写真家さんにとって“ヌード”は極めて重要なモチーフでありました。

ソレは文字通り“裸”という人間のミニマム状態が、五感に訴えるインパクト大だからで御座います……………

 

『 撮影 : ハーブ リッツ ( Herb Ritts )  1989 』

『 撮影 : ヘルムート ニュートン ( Helmut Newton )  1992 』

『 撮影 : ジャンルー シーフ ( Jeanloup Sieff )  1982 』

 

上記、バルテュスさんの古典絵画からジャンルー シーフさんの現代写真に共通しておりますのは、“溜息が出るほどの美しさと存在感”であります。

“何を感じるか?”は、人間が100人集まれば“100通りの解釈”があって然るべきで、ソレこそが芸術の魅力(多様性)で御座います。もしも、「 メトロポリタン美術館 」に展示されているバルテュスさんの絵画『 夢見るテレーズ 』が嫌いならば、2度と「 メトロポリタン美術館 」に行かなければ良いだけの話であり、“性的”だとか“卑猥”だとか仰って署名運動を行うのは、“先進資本主義国”として如何なものかと……………

 

『 撮影 : ニコ ( Nico )  2012 』

 

✳️ 「芸術に求められるのは“潤いとエロス”である。」by 変態オッサン!

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

“結論なき論争 ……” への2件の返信

  1. エロは大好きですが…
    難しいですなぁ、この手の判断は。仰る様に、受け取り方が千差万別ですからなぁ。
    ところで、別のお話で恐縮ですが、先日、児童ポルノのDVD販売会社が摘発されましたが、問題なのは顧客名簿が押収され、警察官や公務員などの購入実績が次々と明らかになり、惜しくも依願退職されている様でございます。誠にご愁傷様の限りです…。

    1. 仰る通りで御座いまして……………
      但し、ヨーロッパ以外では最高峰と言っても差し支えない“天下の「 メトロポリタン美術館 ( ニューヨーク ) 」さん”には、毅然とした対応をお願いしたいと思います!!
      ところで、ニューヨーク帰りの知人が「トランプが大統領になってからニューヨーカーから“おおらかさ”が減って、幾分か“ギスギスしている”様に感じる。」と言っておりました。
      大袈裟に言えば、“オバマ大統領時代”ならばこんな事件は起きなかったのかも!?……………

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