デザインよりも重要なブランド姿勢 ……

ヘアメイク時代、私にとって最大の憧れだった“スーパー フォトグラファー”ブルース ウェーバー(Bruce Weber,1946〜)さん。

実は1996年1月、ニューヨークに於いて“最初で最後の接近遭遇”がありました。当時私はブック(作品ポートフォリオ)を持ってニューヨークのエージェンシーを廻っておりましたので、“ダメ元”でブルース ウェーバーさんのエージェントに「ブックを見て頂けませんか?」とお電話致しましたところ、案の定「ブルースは時間が取れないので、3〜4ヶ月後に改めて御連絡下さい。」とアッサリ断られてしまいました……………

ブルース ウェーバーさんと云えば、「 カルバン クライン 」さんや「 ラルフ ローレン 」さんのワールド キャンペーンが余りにも有名ですが、それらの広告写真に見られる“セクシュアルかつスキャンダラスな写真”こそが、ブルース ウェーバーさんの真骨頂でありました。

ところが、そんな“ブルース ウェーバー ワールド”の中でも「 アバクロンビー&フィッチ ( Abercrombie&Fitch ) 」さんキャンペーンは世界観が異なりました。

 

まるで“名門高校のドキュメンタリー”ライクな写真群。

コノ“新生ブルース ウェーバー ワールド”は、新たな魅力満載で御座いましたが(以下引用)……………

 

【 かつての「憧れブランド」アバクロ、衰退の裏に潜む差別主義 】(Forbes JAPAN)

かつては米国で最もホットなブランドだった──。グランジファッションの流行が過ぎた去った1990年代後半、十代の若者たちが求める軽快でカジュアルな、東海岸のアイビーリーグを思わせるスタイルを売りに登場したアバクロンビー&フィッチ(A&F)は、当時の米国のファッションを特徴付ける存在となった。だが、A&Fとその姉妹ブランドであるホリスターはその後、凋落の一途をたどっている。どちらもすでに過去を象徴するものとして、すっかり魅力を失ってしまった。ロイターが5月10日に報じたところによれば、A&Fは投資顧問会社ペレラ・ワインバーグ・パートナーズに依頼し、身売り先を探しているところだ。同じ記事によると、同社の営業利益は2015年の7280万ドル(約83億1400万円)から、翌年には1520万ドルに減少している。(2017年5月14日)

 

簡単におさらいさせて頂きます。

「 アバクロンビー&フィッチ 」さんは、1892年にデイビット T アバクロンビーさんがアウトドア ショップとしてニューヨークに開業。かの“文豪”アーネスト ヘミングウェイさんも常連という名店でありましたが、1992年にマイケル ジェフリーズさんがCEOに御就任されて以降は、カジュアル ファッション ブランドに大変身致しました。

ところが、マイケル ジェフリーズさんは白人系アメリカ人優先雇用により“人種差別の疑いで集団訴訟”された他にも、多数の“差別に関わる訴訟”で訴追されており、「 アバクロンビー&フィッチ 」さんというブランドは、残念ながら常に“反社会的”な話題を提供し続けました。随分と昔、カール ラガーフェルドさんやジャンニ ヴェルサーチさんが「私の服が着たければ、私の服にあなたの体型を合わせるべきだ。」的な発言をなさいましたが、カジュアル ファッション ブランドCEOであるマイケル ジェフリーズさんも、過去のインタビューで同様の発言をなさっております……………

 

2009年、我が国に「 アバクロンビー&フィッチ 銀座店 」がオープンした際も、“ストア モデル”と呼ばれるイケメン店員さんに関してや、“香水の香りがキツ過ぎる”と近隣店舗からクレームが殺到した事や、“約1億2000万円”と言われた1ヶ月分賃料の高さがケッコーな話題になりましたが、肝心な“ブランド ポリシー”の話題は少なかった様な気が致します。

 

そして2010年、“鳴り物入り”でオープンさせたジャパン2店舗目の「 アバクロンビー&フィッチ 福岡店 」は、既に旗艦店ではなくアウトレット店になっておりますし、2010年以降のアメリカ国内店に限っても、何と“約300店を閉店”したとの情報も……………

 

そこで、私なりに「 アバクロンビー&フィッチ 」さんの敗因を分析させて頂きますと、以下の物理的要因が考えられます。

✳ 1 ) アジア地域にビジネス展開するのが遅過ぎたのでは?

✳ 2 ) ファブリック、縫製クオリティーに対して商品価格が高過ぎたのでは(特にアジア地域)?

✳ 3 ) エンターテインメント性を重視し過ぎたのでは?

 

しかしながら、最も重要な問題は“ブランド背景”にあったのだと思います。

例えば私は若い頃、“高田 賢三さんの服しか着ない時期”が約20年間続きました。何故ならば、高田 賢三さん御本人のお人柄に感銘を受け“こんな方がデザインした服を着れて幸せだ”と感じ、よって着る事自体がヒジョーに心地良かったからで御座います。

つまり“商品”というのは、“ブランド(企業)背景並びに姿勢”を含めての“商品”なのであります。同じジャンルに限っても、世界中に選択肢が無限大に存在する現在、「 アバクロンビー&フィッチ 」さんの商品がソノ点で魅力不足なのは否めません……………

 

モノ選びのポイントはデザイン、性能、使い勝手に加えて、“ブランド姿勢”を重要視したいと思う変態オッサンでありました!

 

⬆ スーパー フォトグラファーなのに、意外と知られていないブルース ウェーバーさん御本人のお顔。因みに、首から下げていらっしゃる愛機は「 PENTAX ( 6×6 ) 」かと思われます。

 

( 写真は全てネットから拝借。)

 

“デザインよりも重要なブランド姿勢 ……” への2件の返信

  1. あのブルース ウェーバーさんのエージェントにコンタクトをとった経験がお有りとは誠に素晴らしいです。
    ところで、アバクロさんの「私の服が着たければ、私の服にあなたの体型を合わせるべきだ」というフレーズには共感します。仮にでかいサイズがあってデブがそれを着たら、ヘラジカさんがかわいそうで見ていられませんからなぁ。

    1. 仰る通りで御座います……………
      デザイナー(アーティスト)側からすれば、「理想的な体型を前提にデザインしているので、合わない人は着てくれなくても結構。」というのは素直な意見だと思います!但し、カール ラガーフェルドさん(シャネル)の様なトップモード(高級服)デザイナーが言うのと、マイケル ジェフリーズさん(アバクロ)の様なカジュアル ブランドCEOが言うのとでは、与えるイメージが若干違うと思います。ソレに世界中が敏感に反応した理由は、何よりも「 アバクロ 」さんに“差別絡みのゴシップ”が多過ぎたからでしょーねぇ……………
      ソレを含めて、消費者ニーズに鈍感であり戦略を間違った企業の代表かと思われます。

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