オールド スター復権なるか? ……

「 優れた工業製品 」には、主に以下の2タイプが存在すると思います。

✳ 1 ) マニュアルを読む必要がなく、購入して即“直感的に操作可能”である(例 : Appleさん製品)。

✳ 2 ) 完璧に使いこなすには若干の時間を有するが、“アレンジ次第では楽しさ倍増”である(例 : SONYさん製品)。

上記にはそれぞれ一長一短が御座いますが、現在のトレンドが✳ 1 )である事は疑いの余地がありません。

 

今では世界中の誰もが“スマートフォンと云えばiPhone”を思い浮かべるかと思いますが、その昔カナダの「 リサーチ イン モーション リミテッド(現 ブラックベリー リミテッド) 」さんから発売され、“スマートフォンの代名詞”と呼ばれた『 Black Berry 』という端末を覚えていらっしゃるでしょーか?……………

コノ『 Black Berry 』で御座いますが、最大の特徴はネットワーク上に謂わば“個人サーバーに近い別サーバー”を設定する点にありまして、故に極めて強固なセキュリティー システムが実現出来る訳であります。但し、言い換えるならば“担当者がソノ気になれば簡単に個人情報を入手可能”と諸刃の剣でもあり、実際にヨーロッパでは“大臣クラス以上はBlack Berry使用禁止”を議会で正式に定めた国までありました。

因みに『 Black Berry 』の熱烈信者として誠に有名で、側近から熱心にiPhoneを勧められても、最後迄『 Black Berry 』を使い続けたお方が“バラク オバマ 前アメリカ大統領閣下”で御座います。

昨今のスマートフォンは全面タッチセンサーのUI(ユーザー インターフェイス)が主流でありますので、あらゆるメーカーさんが似たり寄ったりのデザインとなってしまいましたが、『 Black Berry 』の“物理QWERTYキー”搭載によるゴツくてかっこいいデザインは、正にiPhoneと対極上にある硬派なデザインと云えます。加えて他ジャンル企業とのタイアップ(コラボレーション)にも熱心であり、PORSCHEさんとのコラボ レーション モデルはケッコーな話題となりました。

ところが「 リサーチ イン モーション リミテッド 」さんは最大のウリである“物理QWERTYキー”に拘る余り、いつしかiPhone&Android陣営と同じリングに上がる事さえも許されない程に没落し、2016年には遂に『 Black Berry 』の版権をTCL(中国)さんに売却してしまいました。

結局のところ「 リサーチ イン モーション リミテッド 」さんは、残念ながら“戦う時期”、“戦い方”、“戦う場所”の全てを間違えてしまったので御座いますが(以下引用)……………

 

【 BlackBerryの再挑戦 】(TechCrunchJapan)

BlackBerryがKEYoneを発表したのだ 。そして何と、それは物理キーボード付きなのだ。この2017年にだ。でもまあ当然か?このデバイスとクラシックBlackBerryデバイスの間には、いくつかの根本的な違いがある。まず、BlackBerry自身はこのデバイスを製造していない。TCLがBlackBerryのために、この携帯電話を製造している。第2に、KEYoneは自家製のオペレーティングシステムの代わりにAndroidを実行する。BlackBerryは以前、利益を生み出す会社へと立ち戻る期待を込めて、デバイスの製造を中止し、OSの開発もとりやめた。基本的なアイデアは、ブランド名をライセンスして、Android上で動作するソフトウェアソリューションを構築することだった。(2017年2月27日)

 

先ず御注目頂きたいのは、全面タッチセンサーにも拘わらず“物理QWERTYキー”を残した強引なデザイン。そして“コノ際OSなんて何でもええわ”とさえ聞こえる、何とも“破天荒オールド スター”らしい潔さ……………

失礼ながら『 Black Berry 』が、再び“スマートフォンのメインストリーム”になるとは思えません。しかしながら“iPhoneに対するアンチテーゼ”として、是非ともサバイバルを続けて頂きたいと思います!

正直なところ、地元(HOKKAIDO カントリーサイド)でさえヒジョーに高い“iPhone ユーザー率”、ソレに関しては多少ウンザリしている変態オッサンでありますので、久し振りに“所有欲を刺激された秀逸なデザイン”に出逢った気が致します。

( 画像は全てネットから拝借。)