スキャンダル ( 酷評 ) の先にある物 ……

我が国では先日、“某有名テクノ ミュージシャン”が「 麻薬取締法 」違反で逮捕された際に、同氏が手掛けた音楽作品や出演映画、CM等の取り扱いを巡って、SNS上で多くの議論が交わされたのは記憶に新しいところかと思います。

「 麻薬取締法 」違反に拘らず、法律に反した者は等しく裁判によって裁かれ、相応の罰則(制裁)を受けなければならないのは当然で御座います。しかしながら過去に関わった作品(制作品)は、当人以外にも多くの方々が関わっておりますので、私生活で犯した罪によって、“創作活動上の全作品(制作品)”が否定されてしまう現状には、若干の違和感を感じるのが正直なところであります(飽くまでも主観)。

❇️ 当ブログに於いては、ファッション デザイナーのトム フォードさんと並んで登場回数が最も多い、ファッション フォトグラファーの“巨匠”ブルース ウェーバーさんの場合……………

ブルース ウェーバーさん ( Bruce Weber : アメリカ , 1946〜 )

2017年以降、複数の男性モデルから“セクハラ”で訴えられております。全ての案件が現在“係争中”でありますので、私の様な“法律ド素人”が、現時点でソノ件に関して語るのは敢えて差し控えさせて頂きます。

今現在のブルース ウェーバーさんは、ファッション関係出版社として“世界最大手”である「 コンデナスト パブリケーションズ ( Condé Nast Publications : アメリカ , 1907〜 ) 」さんから所謂“出入り禁止”となっており、加えて広告etc.アドバタイジング フィールドでも“最前線”から遠ざかっております。

私の記憶が正しければ、2017年に発表されたヴェルサーチ ( VERSACE ) の香水「 DYLAN BLUE POUR FEMME ( ディラン ブルー プー ファム ) 」プロモーション ヴィジュアルが、ブルース ウェーバーさんにとって“メジャー キャンペーン最後の作品”かと……………

『 VERSACE DYLAN BLUE POUR FEMME 公式プロモーション ムービー / 監督 : ブルース ウェーバー ( 2017 ) 』

上記広告写真&プロモーション ムービーに共通する特徴。

❇️ 極めて“ストレートでシンプル”な映像表現。

❇️ 世界最先端のファッション フォトグラフ(ムービー)であるにも拘らず、そこはかとなく漂う“古き良きアメリカの雰囲気”。

❇️ “程良い緊張感と曖昧さが同居する”美しい世界観。

こんな映像美を確立出来るクリエイターは、21世紀の今日でさえ、“地球上でブルース ウェーバーさん只一人”ではないでしょーか?……………

世界中の若手ファッション フォトグラファーが改めて“お手本”とし、再考するべきファッション フォトグラファーの筆頭だと考えます。

例えば……………

変態オッサンにとって最近の小説や脚本は、“起.承.転.転.結”のストーリー テリングが多過ぎると感じますし、最近のファッション フォトグラフは、“過度なCGリタッチ”が多過ぎると日々感じております。つまり、常に何かが“余分”なのでありまして、“もっとストレートに表現して欲しい”と感じる機会が、ヒジョーに多いのであります。

対して……………

1980年代に黄金期を迎え、今尚“世界の頂点”に君臨し続けるブルース ウェーバーさんの様なクリエイターは、何故か“現代作家にはない香り”が致しますし、おそらくソレが、“一度嗅いだら忘れられない良い香り”なのだと思います。

ところで……………

他界した父親は生前「犬好きに悪い人は居ない。」と言っておりました。

『 トゥルーへの手紙 ( A Letter to True ) / 監督 : ブルース ウェーバー ( 2004 ) 』

( ブルース ウェーバーさんが、自らの愛犬に想いを綴った映画。)

❇️ “愛犬家”としても知られるブルース ウェーバーさんには、一日も早く“最前線”に戻って頂きたいと切に願います!

( 画像は全てネットから拝借。)

摩天楼の聖夜 ……

例えファッションに興味のないお方であっても、「 メットガラ ( MET GALA ) 」という言葉は御存知かと思われます。

ニューヨーク メトロポリタン美術館に於いて、毎年5月の第1月曜日に開催されている“地球上で最もファッショナブルなパーティー”でありますが、ソノ注目度と影響力は凄まじく、「 メットガラ 」に招待される事が“世界一流セレブの証”となっております。そんな大注目ファッション イベントに成長したのは、映画『 プラダを着た悪魔 ( The Devil Wears Prada ) / 監督 : デヴィッド フランケル  2006 』のモデルとなった“VOGUE USA編集長”アナ ウインターさん ( Anna Wintour : イギリス , 1949〜 )が、1995年に「 メットガラ 」の主催者に就任したのがキッカケであります。

因みに、アナ ウインターさんは“大英帝国勲章”を授与されておりますので、“Dame Anna Wintour DBE”とお呼びするのが正解で御座います。

( 余談ですが変態オッサンは、ヘアメイク時代の1996年にニューヨークでエージェンシー廻りをした際、アナ ウインターさんに「ブック(作品ポートフォリオ)を見て頂けませんか?」とお電話したら、数分間待たされた挙句「3〜4ヶ月後に又電話してちょーだい。」と極めてアッサリ断られた経験があります。)

 

先日「 メットガラ 2018 」が開催されましたが、今回のテーマは何と“キリスト教がファッションに与えた影響”……………

 

 

ケイティ ペリーさん ( ドレス : VERSACE )

❇ “大きな羽”のお陰でリムジンに乗れず、御自分でオープンカーを運転して会場入り。

リアーナさん ( ドレス : MAISON MARGIELA )

❇ 帽子は“ティモシー ドーラン枢機卿からお借りしたホンモノ”。

スカーレット ヨハンソンさん ( ドレス : MARCHESA )

❇  MARCHESAデザイナーのジョージナ チャップマンさんは、セクハラ事件で有名になった“ハーヴェイ ワインスタインさんの奥様(離婚調停中)”。

ゼンデイヤさん ( ドレス : VERSACE )

ブレイク ライブリーさん ( ドレス : VERSACE )

❇  “裾の長さ”故に大型バスで会場入り。

 

 

私は、1996年に一度だけニューヨーク メトロポリタン美術館を訪れましたが、ヨーロッパの美術館を見慣れていた私は、チョットした違和感を覚えました。

失礼を承知で言わせて頂ければ、メトロポリタン美術館の第一印象は“巨大なアンティーク ショップ”でありました。つまり、金にモノを言わせて“世界中から買い漁った臭”が余りにもキョーレツで、ヨーロッパの美術館に蔓延する“歴史的重厚臭”を全く感じなかったからであります。加えて、素晴らしい文化財が多過ぎる事が災いして、結局のところ“美術館なのか博物館なのかよー分からん”という消化不良感。

ところが、巨大な館内を一通り見終わって外に出た瞬間、不思議と印象が好転しているのに気付きました。何故なら、昔のアメリカ人(ニューヨーカー)が、如何に本気で“ルーブル美術館(パリ)を追い越せ”と奮闘したのかが伝わって来て、ヨーロッパの美術館とは違う魅力を感じたからであります。

もしかしたらメトロポリタン美術館は、何事も“世界一を目指し続けたアメリカ人”にとって、誇らしい“記念碑”なのかも知れません。

 

“アメリカン スピリット溢れるメトロポリタン美術館”で開催される、豪華絢爛な「 メットガラ 」……………

 

 

リリー コリンズさん ( ドレス : GIVENCHY )

❇ “御大ロック ミュージシャン”フィル コリンズさん(ジェネシス)のお嬢様。

アン ハサウェイさん ( ドレス : VALENTINO )

 

 

モード、ファッションに関しまして、パリが“本家”である点は永久に不変であります。

しかしながら、ニューヨークにメトロポリタン美術館がある限り、メトロポリタン美術館で「 メットガラ 」が開催される限り、モード、ファッションの“本場”は今後もニューヨークであり続けると思います!

 

 

『 The Metropolitan Museum of Art : 1000 5th Ave , New York , NY 10028 , USA 』

 

 

ところで、私の大好きなスティーブン ソダーバーグさん監督で大ヒットした『 オーシャンズ 』シリーズ最新作、『 オーシャンズ 8 ( Ocean‘s Eight ) 』が我が国でも8月10日に公開されますが、誠に残念ながら監督はスティーブン ソダーバーグさんではなく、ゲイリー ロスさん ( Gary Ross : アメリカ , 1956〜 )で御座います。

 

但し、今回の舞台は「 メットガラ 」でありますので(上記登場のリアーナさん&アン ハサウェイさんも出演)、「 メットガラ 」の入門教材としては最適かと……………

 

 

『 OCEAN‘S 8 / 監督 : Gary Ross  2018 』

2018年8月10日(金曜日) 全国一斉ロードショー。

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)