小さな声が大きなアイディアに ……

【 現代を代表する2大プロダクト デザイナー 】

 

Appleという企業が大成功したのは、“カリスマ経営者”故スティーブ ジョブズさん ( 本名 Steven Paul Jobs : アメリカ , 1955〜2011 ) の力による部分が余りにも大きく、よってスティーブ ジョブズさん亡き後は、次第に“形態を変えながら収縮して行く”のだと思っておりました。

ところが実際には着実に“増収増益”を続け、未だ圧倒的な利益率を誇って“株式時価総額 世界一”に君臨中……………

ソノ原動力になっているのが、Apple“デザイン担当 上級副社長”であるジョナサン アイブさんで御座います。

 

 

ジョナサン アイブさん ( 本名 Jonathan Paul Ive : イギリス , 1967〜 )

❇ 2006年に「 大英帝国勲章 」を授与されておりますので、正確には“Sir Jonathan Paul Ive , KBE”とお呼びするべき。

 

 

1992年、Appleに入社したジョナサン アイブさんは「 iMac 」で頭角を現し、以降「 iPod 」〜「 iPhone 」〜「 iPad 」と大ヒットを連続して、機能性に秀でた“Appleデザイン”を確立致しました。

 

 

『 iMac ( 1998 ) / Designed by Jonathan Ive 』

『 iPod ( 第5世代 , 2005 ) / Designed by Jonathan Ive 』

 

 

「 Appleデザイン by ジョナサン アイブ 」の特筆すべき点は、直感操作可能な“機能的カリフォルニア デザイン”に加えて、アルミ無垢加工による“ユニボディー技法”を用いた質感の素晴らしさ。“求める質感”実現の為に某高級時計メーカーに通い続けて、自ら技術を習得したのは有名なお話で、正にデザイン並びに質感に関する“徹底したプロフェッショナル”であります。

かつてApple Watchに関するインタビューで「何故Apple Watchはスクエア フェイスなのか?」と聞かれた際に、「リストウォッチをラウンド フェイスにする必要性が無いから。」と答えたジョナサン アイブさん。

“己のデザイン哲学”を明確に表現した言葉だと思います……………

 

 

『 Apple Watch ( 第3世代 , 2017 ) / Designed by Jonathan Ive 』

 

 

因みに今現在、ジョナサン アイブさんに匹敵するプロダクト デザイナーと云えば、あらゆる意味でマーク ニューソンさんしか居ないかと……………

 

 

マーク ニューソンさん ( 本名 Marc Andrew Newson : オーストラリア , 1963〜 )

❇ 2012年に「 大英帝国勲章 」を授与されておりますので、正確には“Marc Andrew Newson , CBE”とお呼びするべき。

 

 

マーク ニューソンさんは、1991年に御自身のデザイン スタジオをパリに設立。主に家具のデザインで大ブレイク致しましたが、ソレ以前の4年間は東京在住の“知日家”でもあります。

故に“ジャパン プロダクト”とは縁のあるお方で御座います。

 

 

『 au Talby ( 2004 ) / Designed by Marc Newson 』

『 味の素®️ ( 2009 ) / Designed by Marc Newson 』

 

 

「 マーク ニューソン デザイン 」は、豊かな色彩表現に注目が集まりがちでありますが、何と言っても“曲線の美しさ”が真骨頂。

 

 

『 Jaeger-LeCoulte Atmos561 ( 2008 ) / Designed by Marc Newson 』

『 Jaeger-LeCoulte Atmos568 ( 2017 ) / Designed by Marc Newson 』

❇ 「 アトモス シリーズ 」

高級腕時計メーカーJaeger-LeCoulteさん ( 我が国では「 ジャガー ルクルト 」と表記 ) が手掛ける置き時計シリーズ。“気圧差”を利用して半永久的に動き続ける“摩訶不思議な逸品”。

 

 

そんな“ジョナサン アイブさん&マーク ニューソンさん”のお二人。

実は公私に渡って仲が良い友人でありまして、過去にはこんな“コラボレーション プロダクト”を発表(チャリティー オークション用、ワンオフ製品)。

 

 

『 Leica M ( 2013 ) / Designed by Jonathan Ive & Marc Newsom 』

 

 

ただでさえ“究極のミニマル デザイン”LEICAさんカメラ。

“誰がデザインしても同じやろ?”と思いきや……………

なるほど、LEICAさん通常ラインとは“明らかに異なる香り”で御座います。

 

 

❇ 2014年、世界騒然のビッグニュース到来。

「“あのマーク ニューソン”が、デザイン担当 上級副社長としてAppleに入社。」と各メディアで大騒ぎになりましたが、結局のところAppleさんからの公式発表は一切無し。

( 2018年7月現在、公開されている「 Apple 役員リスト 」にマーク ニューソンさんのお名前は存在致しません。)

しかしながら、ココ数年のAppleさん製品を見る限り……………

 

確実に“マーク ニューソンさんの気配”を感じる変態オッサンでありました!

 

 

『 Apple ー Designed by Apple in California  2016 』

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

 

 

 

 

転がり始めた(株)スティーブ ジョブズ ……

本日は冒頭から引用で失礼致します(以下引用)。

 

【 ジョブズ亡きアップルが犯した「最大の過ち」とティム・クックの限界 】(ForbesJAPAN)

スティーブ・ジョブズ亡き後、アップルが犯した最大の過ちは、パワーユーザーの取り込みに失敗したことだろう。アップルの製品には、ハイエンド・ワークステーションと呼べるマシンがもはや存在しない。その形状からゴミ箱と揶揄されるMac Proは、拡張性に乏しくユーザーから不評を買っている。iMacは最もパワフルなモデルですらデスクトップクラスのGPU性能を実現できていない。アップルのロイヤルユーザーの中にはVFX(視覚効果)やゲーム開発、VRなどの関係者が多く居るが、彼らの需要に応えるマシンが無いに等しいのだ。(2017年6月23日)

 

「 iPhone 」が登場する以前、外で音楽を聴くアイテムとして大活躍した「 iPod 」。実はSONYさんがAppleさんに持ちかけた“共同プロジェクト”でありましたが、自社の圧縮コーデック(ATRAC)に拘ったSONYさんがコラボレートを断念。よってAppleさんの“単独商品”として発売された結果、ポータブル ミュージック プレイヤー“主役の座”をSONYさんの「 WALKMAN 」から奪取し、ソノ後“長期安定政権”を築いたので御座います。

SONYさんと云えば、80年代以降イノベーティブな企業の代表格でありましたが、Appleさんが「 iPod 」「 iPhone 」「 iPad 」の様にクールなプロダクトや、多種多様なネット サービスを構築した事によって、2000年以降イノベーティブな企業の“絶対王者”はAppleさんとなりました。しかもAppleさんは、スティーブ ジョブズさんという天才実業家、デザイナー兼エンジニアを擁する“超カリスマ企業”でもありました。

私は今現在「 iPhone 」と「 iPad Pro10.5 」を使用しており、過去には「 Mac Book 」も使用しておりました。恥ずかしながら“未だにPCキーボードが使えない”私は、殆どの部分をタブレットに依存する“iPad ヘヴィー ユーザー”でありますが、私にとってApple製品の魅力はもはや“セキュリティーの強靭さ”と“直感的な操作性”でしかありません。そもそも、Apple製品は本来グラフィック系、テクニカル系問わず“プロフェッショナル御用達ツール”の代名詞でありましたが、最近はソレに関しても事情が一変した感が御座います。

因みに、当ブログのプロデューサーであるデジタル マスター“秀津風親方さん”も、メイン マシンは確かDELL製品だった様な記憶が……………

 

『 Mac Book 』 by Apple

 

ところで、私がAppleさん最大の問題点だと思うのは、引用記事で御指摘されている“ハイエンド機(プロフェッショナル向け)不在”ではなく、むしろ“圧倒的デザインの優位性”が失われた点にあると考えます。

 

『 Surface Laptop 』 by Microsoft

 

上記はMicrosoftさんの最新ノートPCで御座いますが、キーボード周りに高級人工皮革「 アルカンターラ 」を使用した質感や、ビビッドなカラー展開etc.は、本来“Appleさん製品が目指すべき道”だと思うのは私だけでしょーか?……………

 

『 iPad Pro 』 by Apple

 

『 Surface Pro 5 』 by Microsoft

 

つまり、様々な事情によってAppleさんは既に“絶対王者”ではなく、近い将来、Microsoftさんに王座を明け渡す可能性すら醸し出しております。考えてみれば、“一強独走”よりも“ダークホース多数”の方が試合は面白い訳でありますし、マーケットにとっても“より健全な状態”なのは言うまでもありません。

いよいよAppleさん、Microsoftさんを主軸とした、新たな“バトルロワイヤル”の開幕で御座いますが、今後もダークホース参戦の可能性もあり、多くの企業によるイノベーティブで“酒池肉林の争い”を期待致します。

 

謂わば“(株)スティーブ ジョブズ”を引き継いだ現CEOティム クックさんは、キャリアがスティーブ ジョブズさんとは全く異なります。例えるならば“リッチー ブラックモアさんから引き継いだトミー ボーリンさん(DeepPurple)”であり、Appleというバンドが新たな魅力を持った「 New Apple feat Tim Cook 」に生まれ変わらなければ、今回の“バトルロワイヤル”に生き残るのは不可能かと思われます……………

そこで、ティム クックさんに於かれましては、周囲の騒音に惑わされずに“ティム クック ポリシー”を貫いて頂きたい、と切に願う変態オッサンで御座いました!

 

 

⬆️ スティーブ ジョブズさんの遺作 『  Apple新社屋 / カリフォルニア州 , クパチーノ ( 2017年 オープン予定 )  』

 

( 画像は全てネットから拝借。)