明暗を分けた老舗 ……

当ブログでは以前、ギター メーカーの“2大巨頭”であるFenderさんとGibsonさんの現状についてお伝え致しました。

オーディオやアパレル分野に進出し、着実に“新たなブランド価値”を高め続けるFenderさんに対して、“M&A(合併&買収)”によって次々とオーディオ、電気メーカーetc.を傘下に収め“世界一の音響帝国”を目指すも大失速。2018年初頭には我が国の“民事再生法”に相当する「 米連邦破産法第11章 ( 通称“チャプター11” ) 」の適用を申請して、事実上“倒産状態”でひたすら救援を待ち続けるGibsonさん……………

両社共に“多角経営”というヴィジョンは同様ながらも、“アプローチの違い”によって明暗を分けた形となってしまいました。


Fenderさん並びにGibsonさんは、ピアノ メーカーに例えるならば Steinway & Sons ( スタインウェイ&サンズ : アメリカ , 1853〜 ) さんや Bechestein ( ベヒシュタイン : ドイツ , 1853〜 ) さんの様な“超名門ブランド”であります。

よって、多くの“世界的ギタリスト”が愛用しておりますので、“Gibsonユーザー有志連合”が何らかの手を差し伸べるのでは?との期待もありましたが、やはり“ビジネスライク”に考えればそんなに生温いハズもなく、改めて“老舗企業の問題点”を考えさせられた気が致します。


❇️ ところで先日、ソレを象徴する(?)トピックを新たに発見……………

“Gibsonイメージを代表するビッグネームの1人”である、かのジミー ペイジ先生 ( Jimmy Page OBE : イギリス , 1944〜 ) に関しましては、今更説明の必要も無いかと思われますが、Led Zeppelin ( レッド ツェッペリン : イギリス , 1968〜1980 ) のギタリストとして活躍した“スーパー ロック ギタリスト”であります。

そんなジミー ペイジ先生が、予想外にも“Fender”からシグネイチャー モデルを発売!

しかも、自らのメジャー キャリア原点である Yardbirds ( ヤードバーズ : イギリス , 1966〜1968年に在籍、当初はベーシストとして参加 ) 時代の愛機を、“一筆入魂 オリジナル ペインティング”で再現した正に翠玉の逸品。

「 Jimmy Page Dragon Telecaster 」by Fender Custom Shop 2019

左はポール ウォーラーさん ( Fender Custom Shop マスター ビルダー )

そもそも、ジミー ペイジ先生はアート スクール出身でありまして、若い頃からステージ衣装もプライベートの服装も、オリジナリティー溢れるファッショナブルさが特徴的でありました。今回のシグネイチャー モデルも単なる“ライセンス付与”ではなく、アーティストとしてのクリエイティビティーを充分に感じさせる、謂わば“ジミー ペイジ先生 責任監修品”で御座います。

因みに、まるで“ドキュメンタリー映画”ライクなジミー ペイジ先生による“商品解説 プロモーション ムービー”はコチラ。

『 The Making Of Jimmy Page‘s Mirrored and Dragon®️ / Fender 2019 』

Yardbirds加入後、最初に使用したテレキャスター(後に“Dragon Telecaster”に変貌)は、何と“ジェフ ベック先輩からのプレゼント”だったお話や、その他レアなお話が次々と登場する傑作プロモーション ムービー。

本プロモーション ムービーの見事な出来映え、及び商品完成度の高さを見るにつけ、“ジミー ペイジ先生にも見捨てられたGibsonさんの悲哀”を、ひしひしと感じる変態オッサンでありました。

❇️ Gibsonさんよ何処へ行く……………

( 画像は全てネットから拝借。)


明暗を分けた盟友 ……

例えば自動車のFERRARIさん、時計のPATEK PHILIPPEさん、カメラのLEICAさんetc.所謂“老舗名門ブランド(メーカー)”は、紆余曲折を乗り越えて現在に至っている訳でありますが、最も重要なファクターは“時代に合わせて変化(進化)する事”で御座いまして、ソレ無くして、次の時代に存続させ“伝統”を死守するのは不可能かと思われます。

エレキ ギターで有名なFenderさんが、高級オーディオやアパレル分野に進出し、徹底したクオリティー コントロール並びにイメージングによって、順調な進化を遂げておりますのは以前お伝え致しました。

ところが、エレキ ギターの盟友Gibsonさんの状況は、Fenderさんと余りにも異なっておりました(以下引用)……………

 

 

【 米楽器メーカー ギブソンが倒産する可能性は? ギターを取り巻く音楽業界の“今”を読み解く 】( Real Sound )

2018年2月、アメリカの楽器メーカーであるギブソンが、倒産する可能性に直面しているという報道は、ギターファンのみならず多くの音楽ファンを驚かせた。2月19日付の「ナッシュビルポスト」によれば、今年8月はじめに3億7500万ドル(約400億円)にのぼる負債の返済期日を迎え、さらに状況によっては7月末までに銀行借入金が1億4500万ドル(約155億円)増えることもあるという。(参考記事:Gibson brings back ex-CFO | Nashville Post)

ギタリストのレス・ポールと共同で設計したレスポールモデル(Les Paul Model)をはじめ、フェンダー社(Fender Musical Instruments Corporation)と並んで多くのギタリストに愛されるギターを生み出し、音楽シーンの側にいたことは説明するまでもないだろう。1902年に創業した伝統あるこの偉大なる楽器メーカーの不振は、「若者のロック離れ、ギター離れ」といった近年の音楽シーンの時流を象徴しているというマスメディアの声も少なくはない。反面で、フェンダーの業績は好調であるというし、日本のヤマハ株式会社は先日、アメリカを起点としたギター事業の拡大を発表したばかりだ。ギターを取り巻く楽器業界の今は、一体何が起こっているのか? ユーザーは何を求めているのだろうか? ( 2018年4月18日 )

 

 

Gibsonさんに於かれましては、我が国のONKYOさんとTEACさんを事実上買収した件(2012年〜2013年)が記憶に新しいところであります。よってFenderさん同様に、経営状態が順調であり次のフェイズに移行中である。と、勝手に思っておりましたが、実情はヒジョーに厳しい経営難に追い込まれており、某アメリカ人メル友によれば「残念ながらGibsonというメーカーは、夏には既に存在していないかも知れない。」との御言葉。

 

 

「 Gibson  Les Paul 」

「 Gibson  SG 」

「 Gibson  Flying V 」

「 Gibson  Explorer 」

 

 

ロックに興味がないお方であっても、誰もが御存知であろう上記商品群は正に“エレキ ギターのマスター ピース”とも呼べる逸品で、当然ながら超一流ギタリストさん御用達で御座います。

 

 

かのジミー ペイジさん ( 元 Led Zeppelin ) や……………

プレイスタイル&ファッションが個性的なスラッシュさん ( Guns N’ Roses ) や……………

スティーブン タイラーさんとの不仲説が囁かれるジョー ペリーさん ( Aerosmith ) や……………

羽生結弦さんで御馴染み「 パリの散歩道 ( Parisienne Walkways ) 」の故 ゲイリー ムーアさんや……………

 

 

代表モデル“レスポール”だけに限っても、コレ程のスーパー ギタリストさんから圧倒的に支持されております。

つまりGibsonさんは、ピアノ メーカーで云えばスタインウェイ ( Steinway & Sons : アメリカ , 1853〜 )さんやベヒシュタイン ( Bechstein : ドイツ , 1853〜 )さんライクな“グレイト メーカー”と言っても差し支えない存在。

 

 

 

 

カルヴィン ハリスさんの様な“DJ兼プロデューサー”が、トップスターとして君臨する現代のミュージック シーン。

“ギター ヒーロー”で思い浮かぶのは、スラッシュさんが最後ではないかと感じます。確かに記事でも指摘されている通り、若者の“ロック離れ&ギター離れ”は時代の象徴であります。しかしながら、ライバル ギター メーカーのセールスが好調な点を考慮するならば、やはりGibsonさんの戦略が、時代のニーズに対してベクトルがズレていたと言わざるを得ません……………

但しGibsonさんが消滅してしまうのは、ロック界のみならず音楽業界にとって“極めて重大な損失”で御座いますので、誠に僭越ながら、変態オッサンからひとつ提案させて頂きます。

 

✳ Gibsonユーザーである有名ミュージシャンの方々出資による「 ( 株 ) スーパー ギタリスト オールスターズ ( 仮称 ) 」を設立して、Gibsonさんの筆頭株主となって実効支配し、今後も経営継続するのが宜しいかと思います!

 

 

 

では最後に、“代表取締役就任予定(?)”のスラッシュさんが、Gibson レスポールを低く構えてカッコ良〜〜く登場する「 Dream On 」を御堪能下さい ( スティーブン タイラーさんのYAMAHA グランド ピアノにも御注目 )。

 

 

『 Dream On / STEVEN TYLER feat SLASH  2014 』

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

今でも風はイギリスから ……

2011年のお話で御座います。

友人の女性(20代)と目黒HMVさんへ行った際『 GREATEST HITS / QUEEN  ( 1981 ) 』のリマスター盤(最新技術による音質補正を施した再販盤)が、“今週のパワー プッシュ”として試聴機にセットされておりました。

「QUEENはオジサンが中学〜高校時代に、学校をサボって聴きまくったバンドの代表格だゼぇ。」と説明しましたところ、彼女は“約30分掛けてジックリ試聴”の末に御購入。ソノ後一年間に渡って、“お気に入り”としてヘヴィーローテーションとなったそーデス。

今にして思えば、打ち込み音楽の“ギター風シンセ音”で育った彼女にとって、本物のギター音はエラく新鮮だったに違いありません。彼女曰く「“ささくれ立ったギター音の感じ”が何ともカッコイイ。」との御言葉でありました……………

 

 

QUEENのギタリスト、ブライアン メイ( 本名 : Brian Harold May , 1947〜 )さんは、エンジニアだったお父様が“古い暖炉の木”を用いて製作した「 レッド スペシャル 」と呼ばれる不思議なギターを駆使して、まるで“フレンチホルンの如く艶やかなサウンド”を奏でる事で有名な、“世界トップクラスの偉大なギタリストさん”で御座います。

しかも、ギター ピックの代わりに“6ペンス コイン”を使用するので、コイン側面を擦る“シュルシュル”という独特のノイズも相まって、ライブでは正にオンリーワンの“ブライアン メイ サウンド”に魅了されるのでありますが、技術的なお話に関しましては、“札幌のジェフ ベックさん”にお任せするとして……………

 

 

 

1990年代以降に登場したギタリストさん(特にアメリカン&ジャパニーズ)は、“音をブーストする傾向”が顕著過ぎる様に思います。よって、“ピックによる引っ掻き音”が殆ど感じられません。ジミ ヘンドリックスさん、ジミー ペイジさん、リッチー ブラックモアさんetc.の所謂「 ブリティッシュ ロック 」を聴いて育った私には、“ピックによる引っ掻き音”を感じさせないギター音が、何故か無機質に聴こえて心に響きません。

もしかしたら、彼女が表現した“ささくれ立ったギター音の感じ”というのは、コノ辺りのテクニックに由来するモノであり、謂わば1990年代以前のギタリスト特有フィーリングなのかも知れません。

 

ところが最近、何処か懐かしく心に響く“1990年代以前ライクなサウンド”に遭遇。YouTubeで偶然拝観した瞬間から、私の脳内ではオートリピート状態続行中で御座います……………

 

 

✳ Sundara Karma ( サンダラ カルマ )

ー UKから放たれた“クール過ぎる4人組” ー

 

『 Flame ( Official Video ) / Sundara Karma  2017 』

 

 

因みにバンド名は、サンスクリット語で“美しき業”を意味するとの事。

「 Summer Sonic  2017 」にも出場を果たしましたので、生で実際に観た(聴いた)お方もいらっしゃるかと思われます……………

 

 

 

「 Summer Sonic  2017 」では、当ブログでもお馴染みの“DJ 長者番付世界一”カルヴィン ハリスさんがヘッドライナーを務めたステージで、見事なパフォーマンスを披露して絶賛されましたが、改めてプロフィールを御紹介致します(以下引用)。

 

 

【 UK出身4ピース・バンド、サンダラ・カルマのデビュー作 】( TOWER RECORD ONLINE )

イギリスのレディング出身、オスカー(Vo & G)、ヘイデン(Dr)、ドム(B)、アリー(G)による4ピース・バンド、サンダラ・カルマ。4人の出会いは中学生時代にさかのぼり、メンバーそれぞれが14歳の時に結成された。結成当時はアークティック・モンキーズのカバーに夢中になったが、次第にスタジアム・ロックのような壮大なアンセムを志すようになり、オリジナルに取り組むようになった。メンバーそれぞれが様々な仕事をしていたものの、2015年頃から「今、見るべきバンド」として注目されるようになり、全員が20歳を迎えた2017年に、遂にデビュー・アルバム『Youth Is Only Ever Fun In Retrospect』をリリースする。ドリーミーでサイケなガレージっぽさもありながら、キャッチーでアンセミックなメロディにバンドの個性が光る一枚。( 2017年7月10日 )

 

『 Youth Is Only Ever Fun In Retrospect / Sundara Karma  2017 』

 

 

“色っぽくてメランコリックなメロディー”、“憂いを秘めたヴォーカル”、“デビュー当時のU2を彷彿とさせる疾走感”に加えて、メンバー全員が若干20歳(2017年デビュー時)にも拘らず、既に醸し出す“スケールの大きさと存在感”。

極めてキョーレツな中毒性を伴う、“モダン ブリティッシュ ロックの超新星”登場で御座います!

 

 

✳ やはり、いつの時代にも“ロックの風はイギリスから”……………

ノスタルジックな気分が蘇る変態オッサンでありました。

 

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)