恋をするように服を作り、命まで捧げた男 ……

服飾や工業デザインetc.どのジャンルにも“奇才”と呼ばれるデザイナーが存在致しますが、御自身の会社(ブランド)なら未だしも、既存する会社(ブランド)の主任デザイナーとして、謂わば“枠を外れない程度に奇才ぶりを発揮する”のは、誠に困難を伴う過酷な任務だと考えます。

ましてや“長い伝統に裏付けされた名門”であるならば、“真の評価”は数十年後に決定する訳でありますから、ソノ意味で“歴史に名を残す奇才”とは、“限られたクリエイターを指し示す言葉”であるべきだと思います。

例えば、アレキサンダー マックイーンさん ( Alexander McQueen ) の様な……………

❇️ アレキサンダー マックイーンさん ( 本名 Lee Alexander McQueen : イギリス , 1969〜2010 )

1969年3月17日、ロンドン ダウンタウンで6人兄弟の末っ子として誕生したアレキサンダー マックイーンさん。

お父様はタクシー ドライバーだったとの事でありますが、ロンドンのタクシー ドライバーと云えば、“街の隅々まで知り尽くしたプロフェッショナル”として有名。故に採用試験も難関でありまして、男の子が“最初に憧れる職業の一つ”なんだとか。

16歳の時に、高校を辞めてサヴィル ロー ( Savile Row : ロンドン , オーダーメイド スーツの名店が揃うストリート ) のテーラーに弟子入り。ソノ後はロメオ ジリ ( ROMEO GIGLI : イタリア ) を経てロンドンに戻り、セントラル セント マーチンズ ( Central Saint Martins : ロンドン , 国立芸術大学 ) に入学。1992年、卒業コレクションでの発表作品が話題となり、1996年より「 ロンドン コレクション 」に参加。ほぼ同時期に、何と“ジバンシイ ( GIVENCHY : フランス )” の主任デザイナーに大抜擢!

“名門老舗メゾン”GIVENCHYの本流を守りながらも、斬新なアイディアと“超攻撃的な作風”で攻め続け、“モードの反逆児”と呼ばれる“スター デザイナー”に成長したアレキサンダー マックイーンさんは、34歳で女王陛下から「 大英帝国勲章 ( OBE ) 」を授与されます。

しかしながら、2010年2月11日に“若干40歳”で自ら命を絶ってしまいました……………

そんなアレキサンダー マックイーンさんの、余りにもドラマティックな人生を描いた映画 『 マックイーン : モードの反逆児 』が、我が国でもいよいよ“4月5日(金)”より公開されます。

因みに、遠藤憲一さんナレーションによる“日本版予告編”がヒジョーに素晴らしいので、本日は“日本版予告編”を御覧頂きたいと思います。

『 マックイーン : モードの反逆児 / 監督 : イアン ボノート、ピーター エテッドギー 2018 』


本作品のキャッチ コピーである「 恋をするように服を作り、命まで捧げた、ドラマより劇的な人生 」……………

アレキサンダー マックイーンさんを比喩する際に、コレ以上“相応しい表現”は無いのかも知れません。そして、コレ以上“悲しい表現”も無いように感じます。

■公開情報
『マックイーン:モードの反逆児』
4月5日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開決定
監督:イアン・ボノート、ピーター・エテッドギー
音楽:マイケル・ナイマン
出演:リー・アレキサンダー・マックイーン、イザベラ・ブロウ、トム・フォードほか
配給:キノフィルムズ
(c)Salon Galahad Ltd 2018

❇️ 大好きだったお母様との美しいツーショット写真。

お母様が他界された僅か数日後に、アレキサンダー マックイーンさんは自らお母様の元へ旅立たれました。

せめてもう少し、アレキサンダー マックイーンさんの御活躍を拝見したかった変態オッサンであります……………

( 画像は全てネットから拝借。)


摩天楼の聖夜 ……

例えファッションに興味のないお方であっても、「 メットガラ ( MET GALA ) 」という言葉は御存知かと思われます。

ニューヨーク メトロポリタン美術館に於いて、毎年5月の第1月曜日に開催されている“地球上で最もファッショナブルなパーティー”でありますが、ソノ注目度と影響力は凄まじく、「 メットガラ 」に招待される事が“世界一流セレブの証”となっております。そんな大注目ファッション イベントに成長したのは、映画『 プラダを着た悪魔 ( The Devil Wears Prada ) / 監督 : デヴィッド フランケル  2006 』のモデルとなった“VOGUE USA編集長”アナ ウインターさん ( Anna Wintour : イギリス , 1949〜 )が、1995年に「 メットガラ 」の主催者に就任したのがキッカケであります。

因みに、アナ ウインターさんは“大英帝国勲章”を授与されておりますので、“Dame Anna Wintour DBE”とお呼びするのが正解で御座います。

( 余談ですが変態オッサンは、ヘアメイク時代の1996年にニューヨークでエージェンシー廻りをした際、アナ ウインターさんに「ブック(作品ポートフォリオ)を見て頂けませんか?」とお電話したら、数分間待たされた挙句「3〜4ヶ月後に又電話してちょーだい。」と極めてアッサリ断られた経験があります。)

 

先日「 メットガラ 2018 」が開催されましたが、今回のテーマは何と“キリスト教がファッションに与えた影響”……………

 

 

ケイティ ペリーさん ( ドレス : VERSACE )

❇ “大きな羽”のお陰でリムジンに乗れず、御自分でオープンカーを運転して会場入り。

リアーナさん ( ドレス : MAISON MARGIELA )

❇ 帽子は“ティモシー ドーラン枢機卿からお借りしたホンモノ”。

スカーレット ヨハンソンさん ( ドレス : MARCHESA )

❇  MARCHESAデザイナーのジョージナ チャップマンさんは、セクハラ事件で有名になった“ハーヴェイ ワインスタインさんの奥様(離婚調停中)”。

ゼンデイヤさん ( ドレス : VERSACE )

ブレイク ライブリーさん ( ドレス : VERSACE )

❇  “裾の長さ”故に大型バスで会場入り。

 

 

私は、1996年に一度だけニューヨーク メトロポリタン美術館を訪れましたが、ヨーロッパの美術館を見慣れていた私は、チョットした違和感を覚えました。

失礼を承知で言わせて頂ければ、メトロポリタン美術館の第一印象は“巨大なアンティーク ショップ”でありました。つまり、金にモノを言わせて“世界中から買い漁った臭”が余りにもキョーレツで、ヨーロッパの美術館に蔓延する“歴史的重厚臭”を全く感じなかったからであります。加えて、素晴らしい文化財が多過ぎる事が災いして、結局のところ“美術館なのか博物館なのかよー分からん”という消化不良感。

ところが、巨大な館内を一通り見終わって外に出た瞬間、不思議と印象が好転しているのに気付きました。何故なら、昔のアメリカ人(ニューヨーカー)が、如何に本気で“ルーブル美術館(パリ)を追い越せ”と奮闘したのかが伝わって来て、ヨーロッパの美術館とは違う魅力を感じたからであります。

もしかしたらメトロポリタン美術館は、何事も“世界一を目指し続けたアメリカ人”にとって、誇らしい“記念碑”なのかも知れません。

 

“アメリカン スピリット溢れるメトロポリタン美術館”で開催される、豪華絢爛な「 メットガラ 」……………

 

 

リリー コリンズさん ( ドレス : GIVENCHY )

❇ “御大ロック ミュージシャン”フィル コリンズさん(ジェネシス)のお嬢様。

アン ハサウェイさん ( ドレス : VALENTINO )

 

 

モード、ファッションに関しまして、パリが“本家”である点は永久に不変であります。

しかしながら、ニューヨークにメトロポリタン美術館がある限り、メトロポリタン美術館で「 メットガラ 」が開催される限り、モード、ファッションの“本場”は今後もニューヨークであり続けると思います!

 

 

『 The Metropolitan Museum of Art : 1000 5th Ave , New York , NY 10028 , USA 』

 

 

ところで、私の大好きなスティーブン ソダーバーグさん監督で大ヒットした『 オーシャンズ 』シリーズ最新作、『 オーシャンズ 8 ( Ocean‘s Eight ) 』が我が国でも8月10日に公開されますが、誠に残念ながら監督はスティーブン ソダーバーグさんではなく、ゲイリー ロスさん ( Gary Ross : アメリカ , 1956〜 )で御座います。

 

但し、今回の舞台は「 メットガラ 」でありますので(上記登場のリアーナさん&アン ハサウェイさんも出演)、「 メットガラ 」の入門教材としては最適かと……………

 

 

『 OCEAN‘S 8 / 監督 : Gary Ross  2018 』

2018年8月10日(金曜日) 全国一斉ロードショー。

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)