賢者 VS 巨大企業 ……

FERRARIさんと云う企業は、“市販車販売部門”よりも“レース部門”の方が実質的な経営規模が大きく、よってF1運営元のFIA(国際自動車連盟)によれば、F1に於けるFERRARIさんは“レース専門企業”の扱いでありまして、現在の“ワークス チーム(自動車メーカー直営チーム)”は、“RENAULTさんとMERCEDES-AMGさんだけ”との見解で御座います。

オリンピック同様に、“近代F1”が商業主義にドップリ浸かっているのは皆さんも御存知の通り。しかしながら本来のF1は、“上限のないスポーツカー実験室”的な側面が強く、誠にピュアなモーター スポーツでありました。

FERRARIさんが、“孤高のレーシング集団”としてモーター スポーツ史に存在を確立出来たのは、マス企業ではなく“小〜中規模プロフェッショナル集団”であった点が大きく、時代の流れetc.を考慮すると、FERRARIさんライクな“モーター スポーツに特化した企業”は、今後2度と現れない様な気が致します……………

そんなモーター スポーツ史の中で、1960年代に“打倒FERRARI”に全身全霊を掛けた「 小規模プロフェッショナル VS 大規模マス カンパニー 」の構図があったのを御存知でしょーか?……………

一般大衆車で大成功を収めたFORD社が、更なるイメージ向上の為に“モーター スポーツ”進出を決定した際、FORD社の目玉政策は何と“FERRARI社買収”でありましたが、“全イタリア国民”の反対により断念。そこで自社製レーシング カーによる“打倒FERRARI”を画策。舞台に選ばれたのが「 ル マン24時間レース ( 24 Heures du Mans ) 」でした。

その“トゥルー ストーリー”を描いた書籍はいくつも存在し、映画化権を所得したという話も何度か聞きましたが、何故か今迄映画化されなかったので御座いますが、コノ度“超一流キャスト&スタッフ”により待望の映画化が実現。

『 フォード VS フェラーリ ( FORD VS FERRARI ) / 監督 : ジェームズ マンゴールド 2019 』

❇️ 2020年1月、全国一斉ロードショー予定。

1996年の「 ル マン24時間レース 」、“FERRARI 330P3とFORD GT-40Mk.IIの死闘”を描いた本作品。

カー エンジニアのキャロル シェルビー(「 AC コブラ 」生みの親)役がマット デイモンさん。レーサーのケン マイルズ役がクリスチャン ベイルさんという、“どー転んでも面白いに違いない”と断言出来るキャスティングであります!

因みに私は、“映画館すら無いド田舎”に住んでおり、試写会にも参加出来ません。よってトレーラー(予告編)を観た個人的な感想に加えて、本編を観た欧米人メル友の感想を参考にした、謂わば“独自の無責任オススメ”をウリとしております。ソレにしても本作品。公開時期がアメリカ本国で12月と迫っているにも拘らず、いつも以上に“事前情報に乏しい”のでありますが、公開中の“公式トレーラー”を観ただけでも、充分に面白さを“予感”させてくれます。

『 FORD VS FERRARI / James Mangold ( 2019 ) 』

ところで……………

「 ル マン24時間レース 1966 」の資料を調べてみましたら、8台のGT-40Mk.IIがワークスマシンとしてエントリー。5台のGT40Mk.Iがプライベーターマシンとしてエントリーしており、最終的には、“ブルース マクラーレン(F1 マクラーレン チーム創設者) / クリス エイモン組”のGT-40Mk.IIが優勝しております。

つまり、主人公クリスチャン ベイルさん演じるケン マイルズ選手、実は優勝していない訳でありまして、ソノ辺りのストーリー展開が如何なものかと、ヒジョーに気掛かりな変態オッサンで御座いました……………

( 画像は全てネットから拝借。)

余りにも魅力的なダークホース ……

2019年(第91回)のアメリカ「 アカデミー賞 」授賞式(結果発表式)が、現地時間2月24日に迫りました。

当ブログで昨年“パワー プッシュ”させて頂いた『 ボヘミアン ラプソディー ( Bohemian Rhapsody ) / 監督 : ブライアン シンガー 』は、我が国に於いても“予想外”の大ヒットを記録して、作品賞その他にノミネートされましたが、残念な事にブライアン シンガーさんの“セクハラ疑惑”が発覚。現時点で真偽の程は定かではありませんが、ココ数年ハリウッドが“セクハラ撲滅”に注力している点を考えると、“賞レース”からは後退したと考えるのが妥当かと思われます……………

ところで、当ブログは出来る限り“同じジャンルのトピック”が続かない様に心掛けておりますが、先日ニュースで改めて本年度の「 アカデミー賞 」ノミネート作品を拝見して、“とにかく気になって仕方ない作品”を発見してしまいました。

よって本日は、先週に引き続き“映画ネタ”をお届け致しますので、お付き合い頂ければ幸いです。

ソノ作品は……………

『 バイス ( VICE ) / 監督 : アダム マッケイ 』で御座います。

本作品は、ジョージ W ブッシュ政権で“影の大統領”と呼ばれ、良い意味でも悪い意味でも“スター政治家”となった、ディック チェイニー 元副大統領の謂わば“トゥルー ストーリー”であります。

“ホンモノ”のディック チェイニーさん ( 本名 Richard Bruce Cheney : アメリカ , 1941〜 )

先ずは、ブラッド ピットさん設立の「 プランBエンターテインメント ( Plan B Entertainment ) 社 」が製作会社として名を連ね、話題が先行した形となりましたが、本作品の魅力は何と言っても“出演俳優のなりきり度”で御座います。

そもそも主演が、“実力派の名優”クリスチャン ベールさんだって皆さんは分かりましたか?……………

“素”のクリスチャン ベールさん ( 本名 Christian Charles Philip Bale : イギリス , 1974〜 )

クリスチャン ベールさんと云えば、過去に『 マシニスト ( The Machinist ) / 監督 : ブラッド アンダーソン 2004 』で主人公を演じた際に、体重を“約30キロ”落として役に取り組み注目を集めましたが、今回は体重を“約20キロ”増やしての挑戦。

辛口の批評家さんは度々「ハリウッド映画はギャラが膨大なので、役作りの為に太ったり痩せたりしても、元の体重に戻る迄金銭的に保障されている。プロフェッショナルとしては当然の話。」と仰います。

但し、例え“数十億円”のギャラを貰ったとしても、20〜30キロ太ったり痩せたりする行為は、云う迄もなく“命懸け”であり、加えてルックスだけではなく、“凡ゆる意味で本人になりきる”のはヘヴィーこの上ない“荒業”に違いありません……………

おまけにクリスチャン ベールさんのみならず、サム ロックウェルさん ( Sam Rockwell : アメリカ , 1968〜 ) 演じるジョージ W ブッシュ 元大統領etc.と、全てのキャストが正に“本人を超えた怪演(?)”オンパレードなので御座います。

❇️ 変態オッサンの“独断と偏見”によるススメ。

欧米の映画に興味を持った若い世代の方、もしくは将来“映画監督”を目指している方は、アメリカの“「 アカデミー賞 」授賞作品”並びにフランスの“「 カンヌ映画祭 」授賞作品”を指針にして、独自の“映画観”を構築するのをオススメ致します。

何故なら、私自身がソレによって“映画の面白さ”を教えて頂いたと感じているからであります。

ところが、最近の「 アカデミー賞 」授賞作品は、“選定理由”に疑問符が付く作品が多く、明らかに“倦怠期真っ只中”だと思える節があります。

そこで、今後の「 アカデミー賞 」に新しい道を切り開く為にも……………

本年度は『 バイス ( VICE ) / 監督 : アダム マッケイ 』の様な作品に、是非とも主要各賞を授賞して頂きたいと切に願います!

『 バイス ( VICE ) / 監督 : アダム マッケイ ( ADAM McKAY ) 2018 』

❇️ 2019年4月5日(金曜日)、「 TOHOシネマズ日比谷 」他で全国一斉ロードショー。

( 画像は全てネットから拝借。)