Camp ( キャンプ ) ……

Camp ( キャンプ ) と云っても、学生時代に甘酸っぱい想い出と共に“蚊に刺されてボコボコになった”とか、テントに穴が空いていて“寝袋がびしょ濡れになった”etc.のキャンプではなく……………

高名なアメリカ人作家で、主にエッセイストとして活躍したスーザン ソンタグさんの代表作品『 キャンプについてのノート ( 1964 ) 』のお話であります。

スーザン ソンタグさん ( Susan Sontag : アメリカ , 1933〜2004 )

誠に失礼ながら、私はスーザン ソンタグさんの作品を読んだ経験はありませんが、昔からファッション業界で云う“キャンプ”は、例えば“ドラァグ クイーンの方々によるフォーマンス”に代表される、謂わば“悪趣味一歩手前の芸術表現”であると認識しております(飽くまでも主観)。

当ブログでも過去に取り上げた“世界一有名なファッション パーティー”『 MET GALA ( メットガラ ) 2019 』が、先日開催されましたが、今回のテーマが“Camp”でありましたので、良い意味でも悪い意味でも“例年以上の話題”となりました……………

「 モスキーノ 」のメタリックドレスに、“シャンデリア付き”で登場のケイティー ペリーさん。

“オスカー女優”ルピタ ニョンゴさんは、「 アトリエ ヴェルサーチェ 」の“モスラ付き(?)ドレス”。

「 バーバリー 」のピンストライプスーツをカッコ良く着こなし、相変わらず“中性的魅力爆発”のエズラ ミラーさん。但し、メーキャップに関しては、敢えて“ノーコメント”とさせて頂きます。

❇️ ココで改めて、『 MET GALA 』についてオサライを……………

「 VOGUE ( ヴォーグ ) USA 」編集長であるアナ ウインターさんが1995年から幹事を務める『 MET GALA 』は、アメリカ東部時間“5月第一月曜日夜”に、毎年ニューヨークのメトロポリタン美術館にて開催。

因みに、招待客以外が参加する為には“一席ならば約300万円、テーブルをキープしたいならば約3000万円が必要”でありますが、最も重要なのはソレが単なる“セレブ パーティー”ではなく、メトロポリタン美術館並びに関連機関にとっての、“資金調達”を主な目的としている点で御座います。

実際のところ、『 MET GALA 』は毎回“ン千万円”の収益を生み出しており、メトロポリタン美術館関連事業の立派な“有益資金”となっております。

「 クリスチャン シリアーノ 」のアートドレスがお似合いのジャネル モネイさん。

ゼンデイヤさんの「 トミー ヒルフィガー 」シンデレラドレスは、何とグレーからブルーに変化する“超ハイテク素材”。

「 ディオール 」レインボードレスのカーラ デルヴィーニュさん。ヘッドピースには何故か“入れ歯、目玉、バナナ”が……………

「 ブランドン マックスウェル 」のシルクタフタドレスで登場したレディー ガガさんは、見事な“4変化”を披露。

❇️ 上記は“ほんの一例”で御座いますが、“豪華絢爛さの一端”は感じて頂けたかと思います。“アメリカらしさ&目的の崇高さ”に関して存在意義が高い『 MET GALA 』でありますが、今年はそれぞれの“Camp”を堪能させて頂きました。

但し、スーザン ソンタグさんが提唱された“Camp”には、富や権力に対する“ある種のレジスタンス性”が含まれていたのでは?……………

つまり、“贅の限りを尽くした宴会でのCamp”を見て、おそらく天国の御本人はさぞ“御立腹”かと推測致します。

何れにしても『 MET GALA 2019 』が、我が国の年末某歌合戦に於ける、かつての“小林幸子さん現象”に見えた変態オッサンでありました!

『 MET GALA 2019 ー 男性セレブのド派手ルック 』

( 画像は全てネットから拝借。)

罪と罰 ……

2017年度末から本年度に掛けて発生した事件で、“進展”もしくは“終息”を待って御紹介したいと考えていた“ある案件”がありましたが、マス メディア並びに在米メル友からも新情報が提供されませんので、本日ココに取り上げさせて頂きます。

2017年、ハリウッドの超大物プロデューサー、ハーヴェイ ワインスタインさんが“セクハラ問題”で失脚。余波は世界中のあらゆるジャンルへと飛び火して、現在“世界的 #MeTooムーブメント真っ只中”なのは御存知の通りでありますが、今回の案件は“バイ セクシャル問題”も含んでおり、事態はチョット複雑であります(以下引用)……………

 

 

【 今度の性被害者は男性モデル!ヴォーグ誌が著名写真家を「クビ」に 】( Newsweek )

米ヴォーグ誌が、セクハラ疑惑の渦中にある著名なファッション写真家2人を「クビ」にした。13日にニューヨーク・タイムズ紙は、写真家のマリオ・テスティーノ(63)とブルース・ウェバー(71)のセクハラを告発する多くの男性モデルの声を伝えた。これを受けてヴォーグのカリスマ編集長アナ・ウィンターは、テスティーノとウェバーには「当面の間」仕事を依頼しないと発表した。

テスティーノに対しては13人の男性モデルおよび元アシスタントがセクハラ被害を訴えているほか、ウェバーに対しては15人の男性モデルから、性的な行為を強制されたほか、撮影の最中に必要もないのに裸にさせられたとの声が上がっている。ウェバーは、カルバン・クラインのセクシーなCMを撮影したことでも知られる。「セクハラは絶え間なく続いた」と、テスティーノと90年代に一緒に仕事をした元アシスタントは述べている。( 2018年1月15日 )

 

 

当ブログではスッカリお馴染みのブルース ウェーバーさん。

今現在“存命している写真家”の中で、ファッション フォトグラフに於いては間違いなく“世界の頂点に君臨する写真家”で御座います。

 

 

左からブルース ウェーバーさん、アナ ウィンターさん ( ヴォーグUSA 編集長 ) 、ラルフ ローレンさん ( デザイナー ) 、何とも豪華な“モード界 大御所3ショット”。

 

そんなブルース ウェーバーさんと“双璧を成す存在”のマリオ テスティーノさん。

[ Mario Testino : ペルー ( 現在はイギリス国籍 ) , 1954〜 ]

 

 

ブルース ウェーバーさんの芸風が“グラマラス”や“スキャンダル”という表現に象徴され、“緊張感”と“説得力”を強烈にアピールした写真であるのに対して、マリオ テスティーノさんの世界観は、“ブルース ウェーバーさんを若干ソフトにした感じ”と云えば分かり易いかと思います。故に“2大ファッション フォトグラファー”と称されるお二人でありますが、マリオ テスティーノさんに関しましては、故 ダイアナさんのポートレイトが特に有名かと……………

 

 

『 DIANA / MARIO TESTINO  1997 』

 

 

因みに、ヘアメイク時代の私にとってマリオ テスティーノさんは、ブルース ウェーバーさん同様に“憧れのスーパー フォトグラファー”として、極めて特別な存在でありました。

 

 

『 GUCCI / MARIO TESTINO  1996 』

 

『 MICHAEL KORS / MARIO TESTINO  2015 』

 

 

現時点では“アメリカ版のみ”でありますが、ブルース ウェーバーさんとマリオ テスティーノさんが“天下のVOGUE誌”から締め出されたという事実は……………

 

❇ メジャー リーグ ベースボールに例えた場合。

「 ニューヨーク ヤンキース 」さんと「 ロサンゼルス ドジャース 」さんの2球団が、ペナントレース中に“協会を不可逆的脱退”に相当。

❇ F1 グランプリに例えた場合。

「 フェラーリ 」さんと「 メルセデス AMG 」さんの2チームが、シーズン中に“連盟を不可逆的脱退”に相当。

 

つまり、モード界の歴史に残る大事件であると同時に、ファッション エディトリアル界にとって“前代未聞の大損失”なので御座います!

 

 

『 British Vogue / MARIO TESTINO  2016 』

 

『 French Vogue / MARIO TESTINO  2016 』

 

『 American Vogue / MARIO TESTINO  2015 』

 

 

確かに“セクハラ”は許し難い重大犯罪でありますので、ペナルティーとしてソノ後一定期間の活動禁止は妥当な処分かと思われます。

しかしながら、一部マスコミ報道で炎上している様に“数十年前の行為をほじくり返して、当該人物の全功績を否定する”のが、はたして妥当な“罪と罰”でしょーか?……………

 

 

『 British GQ / MARIO TESTINO  2015 』

 

『 VANITY FAIR / MARIO TESTINO  2014 』

 

 

マリオ テスティーノさんによる作品群は、例えどんな事があろうとも“翠玉の如く輝き続ける”と、信じて疑わない変態オッサンでありました。

 

 

『 MICK JAGGER and KEITH RICHARDS / MARIO TESTINO  2014 』

 

 

 

 

 

( 写真2〜5はネットから拝借。写真1、6〜14はマリオ テスティーノさんのTwitterから拝借。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

摩天楼の聖夜 ……

例えファッションに興味のないお方であっても、「 メットガラ ( MET GALA ) 」という言葉は御存知かと思われます。

ニューヨーク メトロポリタン美術館に於いて、毎年5月の第1月曜日に開催されている“地球上で最もファッショナブルなパーティー”でありますが、ソノ注目度と影響力は凄まじく、「 メットガラ 」に招待される事が“世界一流セレブの証”となっております。そんな大注目ファッション イベントに成長したのは、映画『 プラダを着た悪魔 ( The Devil Wears Prada ) / 監督 : デヴィッド フランケル  2006 』のモデルとなった“VOGUE USA編集長”アナ ウインターさん ( Anna Wintour : イギリス , 1949〜 )が、1995年に「 メットガラ 」の主催者に就任したのがキッカケであります。

因みに、アナ ウインターさんは“大英帝国勲章”を授与されておりますので、“Dame Anna Wintour DBE”とお呼びするのが正解で御座います。

( 余談ですが変態オッサンは、ヘアメイク時代の1996年にニューヨークでエージェンシー廻りをした際、アナ ウインターさんに「ブック(作品ポートフォリオ)を見て頂けませんか?」とお電話したら、数分間待たされた挙句「3〜4ヶ月後に又電話してちょーだい。」と極めてアッサリ断られた経験があります。)

 

先日「 メットガラ 2018 」が開催されましたが、今回のテーマは何と“キリスト教がファッションに与えた影響”……………

 

 

ケイティ ペリーさん ( ドレス : VERSACE )

❇ “大きな羽”のお陰でリムジンに乗れず、御自分でオープンカーを運転して会場入り。

リアーナさん ( ドレス : MAISON MARGIELA )

❇ 帽子は“ティモシー ドーラン枢機卿からお借りしたホンモノ”。

スカーレット ヨハンソンさん ( ドレス : MARCHESA )

❇  MARCHESAデザイナーのジョージナ チャップマンさんは、セクハラ事件で有名になった“ハーヴェイ ワインスタインさんの奥様(離婚調停中)”。

ゼンデイヤさん ( ドレス : VERSACE )

ブレイク ライブリーさん ( ドレス : VERSACE )

❇  “裾の長さ”故に大型バスで会場入り。

 

 

私は、1996年に一度だけニューヨーク メトロポリタン美術館を訪れましたが、ヨーロッパの美術館を見慣れていた私は、チョットした違和感を覚えました。

失礼を承知で言わせて頂ければ、メトロポリタン美術館の第一印象は“巨大なアンティーク ショップ”でありました。つまり、金にモノを言わせて“世界中から買い漁った臭”が余りにもキョーレツで、ヨーロッパの美術館に蔓延する“歴史的重厚臭”を全く感じなかったからであります。加えて、素晴らしい文化財が多過ぎる事が災いして、結局のところ“美術館なのか博物館なのかよー分からん”という消化不良感。

ところが、巨大な館内を一通り見終わって外に出た瞬間、不思議と印象が好転しているのに気付きました。何故なら、昔のアメリカ人(ニューヨーカー)が、如何に本気で“ルーブル美術館(パリ)を追い越せ”と奮闘したのかが伝わって来て、ヨーロッパの美術館とは違う魅力を感じたからであります。

もしかしたらメトロポリタン美術館は、何事も“世界一を目指し続けたアメリカ人”にとって、誇らしい“記念碑”なのかも知れません。

 

“アメリカン スピリット溢れるメトロポリタン美術館”で開催される、豪華絢爛な「 メットガラ 」……………

 

 

リリー コリンズさん ( ドレス : GIVENCHY )

❇ “御大ロック ミュージシャン”フィル コリンズさん(ジェネシス)のお嬢様。

アン ハサウェイさん ( ドレス : VALENTINO )

 

 

モード、ファッションに関しまして、パリが“本家”である点は永久に不変であります。

しかしながら、ニューヨークにメトロポリタン美術館がある限り、メトロポリタン美術館で「 メットガラ 」が開催される限り、モード、ファッションの“本場”は今後もニューヨークであり続けると思います!

 

 

『 The Metropolitan Museum of Art : 1000 5th Ave , New York , NY 10028 , USA 』

 

 

ところで、私の大好きなスティーブン ソダーバーグさん監督で大ヒットした『 オーシャンズ 』シリーズ最新作、『 オーシャンズ 8 ( Ocean‘s Eight ) 』が我が国でも8月10日に公開されますが、誠に残念ながら監督はスティーブン ソダーバーグさんではなく、ゲイリー ロスさん ( Gary Ross : アメリカ , 1956〜 )で御座います。

 

但し、今回の舞台は「 メットガラ 」でありますので(上記登場のリアーナさん&アン ハサウェイさんも出演)、「 メットガラ 」の入門教材としては最適かと……………

 

 

『 OCEAN‘S 8 / 監督 : Gary Ross  2018 』

2018年8月10日(金曜日) 全国一斉ロードショー。

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)