ヘアメイク時代に各自動車メーカーさんCMを担当させて頂き、広報の方から貴重な情報をお聞きした際、特に印象的だったお話がありました。
「大型セダンよりもスポーツカーの方が企画、製作、製造に関してお金が掛かります。加えて、購入層が限定されるので売り上げは低い。つまり、FERRARIさんやLAMBORGHINIさんの様な“小規模専門メーカー”ではなくて、“大手大衆車メーカー”がスポーツカーを発売する事自体、実はビジネス上“非常にリスキーな行為”なんですよ。」……………
例えるならば「大型旅客機よりも戦闘機の方が企画、製作、製造が大変だから高価になってしまう。」原理に近いのだと思います。
故に、“グループ企業内で共同開発、並びに共通パーツを多く使用する事でコストを削減する”という方法が、世界中でポピュラーになりつつあります。
❇️ 記憶に新しいところでは「 Lamborghini Huracán ( ウラカン ) 」& 「 AUDI R8 V10 」……………
「 Lamborghini Huracán Performante ( 2017 ) 」
「 AUDI R8 V10 ( 2016 ) 」
お互いのメーカーさんが公表している情報は極めて限定的でありますので、詳細の程は明らかではありませんが、上記の2台は“パワートレイン、シャシーetc.”を共用しております(Lamborghiniさんが製作)。それぞれが“自社流”にアレンジしているとは云え、謂わばれっきとした“兄弟車種”であり、ドライブ フィーリングもさぞ近いのでは?と想像出来ます。
御存知の様に、LamborghiniさんとAUDIさんは共に“ Volkswagen グループ”に所属しておりますので、共同作業は比較的スムースに行われたと思われますが、資本無関係メーカーの場合は、あらゆる意味で困難が伴うに違いありません。
BMWさんとTOYOTAさんが「次期BMW Z4とTOYOTA SUPRAは、共通プラットフォームを使用した素晴らしいスポーツカーになる。」と発表して話題になったのは、確か2014年頃だったと記憶しております。但し、コンセプトは同様ながらも両社の間にはかなりの温度差があったらしく、ドイツ モータースポーツ関連誌には、幾度となく「BMWとTOYOTAによるプロジェクトが頓挫した。」的な記事が掲載されました……………
❇️ 昨年、BMWさんから「 新型Z4 」が正式発表された後も「やはり“兄弟車種”SUPRAは無しか?」と噂されておりましたが、先日やっと公の場に登場致しました。
誠に失礼ながら、「 先代プリウス 」あたりからTOYOTAさんのデザインは方向性が変わり、“攻め方が間違っているのでは?”と感じていた私は「 新型SUPRA 」が、“TOYOTAさんの原点に立ち戻ったデザインになる”と勝手に期待しておりましたので、こんな“超マッチョ「 新型SUPRA 」”には、正直なところ“違和感満載”で御座います……………
確かに「 SUPRA 」は、“抑揚のあるデザイン”が特徴でありましたが、2019年デザイン トレンド及びTOYOTAさんの“スポーツカー戦略”に当てはめた場合、いささか“視点がズレている”と思えて仕方ないのであります。
❇️ 因みに、兄貴分の「 BMW Z4 」は……………
“BMWさんとTOYOTAさんの違い”と言ってしまえば、確かにソノ通りでありますが、“一歩先のデザイン”を踏まえた上で、敢えて“半歩先のデザイン”を選択するデザイン ポリシーは、BMWさんを筆頭として“ドイツ勢”の方が進んでいると感じますし、ソレは“ジャーマン デザイン”に共通するセオリーなのかも知れません。
何れにしても、予価は「 新型SUPRA 」が“約500万円〜”、「 新型BMW Z4 」が“約600万円〜”と云われておりますので、そんなシロモノを気軽に購入可能なのは、当サイト プロデューサーの“秀津風親方さん”位であり、私には全く無縁の物体で御座いますが……………
❇️ ジャーマン デザインの特徴は、“引き算による美しさ”だと改めて実感した変態オッサンでありました。
( 写真は全てネットから拝借。)