日本とJAPANの違い ……

変態オッサン、若かりし頃の体験談……………

外国(特にヨーロッパ)に住んだ経験をお持ちのお方なら、誰もが以下の様な“違和感”を感じた経験があるかと思われます。

 

❇️ 1 ) 自動車、オートバイ、家具、家電、腕時計etc.販売されている“日本製品”のデザインが、日本で販売されている製品よりも優れているのでは?と感じる。

❇️ 2 ) 映画、音楽etc.公開されている“日本芸術作品”の広告デザインが、日本版よりも優れているのでは?と感じる。

 

結論から云えば、上記は何も“正解”で御座います。

1 ) に関しては、かつて色々な企業の広報さんに尋ねたところ、「国や地域によって“求められる機能やデザイン”が異なります。確かに“欧米輸出用デザインの方が良い”と仰るお客様もいらっしゃいますが、欧米仕様をそのまま国内で発売致しますと、実は意外と評判が悪い場合も多くて、“全世界統一デザインは難しい”というのが率直な感想です。」

2 ) に関しては、映画業界の方曰く「地域性を尊重するという観点から、公開地域の制作会社に“プロモーションを一任する”のが一般的なヤリ方です。」との御言葉。

 

ビジネスを展開する“国や地域の需要”に合わせて、商品機能や仕様を細かく変更するのは重要な戦略でありますし、“ジャパンらしいホスピタリティー(おもてなし)”であるとも言えますが、しかしながらコレによって、同じ“MADE IN JAPAN”なのに複数のバージョンが存在してしまう、謂わば“ねじれ現象”が生じてしまいます。

つまり、我々が国内で見ている“日本”と外国の方々が見ている“JAPAN”の間には、常に“若干の相違点”がある事を知っておく必要があります……………

 

そんな“若干の相違点”を理解するのに最適なエキシビジョンが、4月から“ロングラン開催中”でありまして、訪れた友人から「貴重な資料がお手軽料金で見られるのでオススメ。」との報告あり。

よって、本日はココに紹介させて頂きます(以下引用)。

 

 

【 黒澤明監督の世界30か国の映画ポスター84点が国立映画アーカイブに集結、『七人の侍』『羅生門』など 】( FASHION PRESS )

展覧会「国立映画アーカイブ開館記念 没後20年 旅する黒澤明 槙田寿文ポスター・コレクションより」が、旧・東京国立近代美術館フィルムセンターの国立映画アーカイブにて、2018年4月17日(火)から9月23日(日)まで開催される。

「旅する黒澤明」展では、世界的な映画史上の巨匠・黒澤明監督作品のポスターを、黒澤明研究家である槙田寿文の所蔵品より84点紹介。西欧諸国やアメリカをはじめ、東欧、アジア、ラテンアメリカ、中近東など世界30か国のポスターを一度に見られる貴重な展示となる。また、黒澤明監督と海外との関わりを示す資料など61点も展示し、その卓越した国際性にフォーカスを当てる。展覧会最大の目玉は、日本初展示となる、1962年の作品『七人の侍』の8枚組ポスター。西ドイツの名デザイナー、ハンス・ヒルマンによる、238×332cmにも及ぶ大作だ。( 2018年4月3日 )

 

 

『 蜘蛛巣城 ( イタリア版 )  1959 』

 

『 羅生門 ( 西ドイツ版 )  1959 』

 

『 酔いどれ天使 ( ポーランド版 )  1960 』

 

『 赤ひげ ( キューバ版 )  1966 』

 

『 生きる ( アルゼンチン版 )  1950年代 』

 

 

正に“我が国が世界に誇る”黒澤 明さん作品の「 外国版ポスター展 」。

“黒澤 明”さんと“AKIRA KUROSAWA”さんの違いが分かる、実に興味深い作品展でありますし、例え“日本版オリジナル”を知らなくとも、充分に見応えのある“歴史的 アート ポスター ラインナップ”……………

 

是非とも、コノ機会に御覧頂きたいと思います。

 

 

【 開催概要 】

会期:2018年4月17日(火)~9月23日(日)
❇️ 休室日:月曜日、8月7日(火)~12日(日)、9月4日(火)~7日(金)
開室時間:11:00~18:30(入室は18:00まで)
会場:国立映画アーカイブ ※旧・東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室(7階)

住所:東京都中央区京橋3-7-6
料金:一般 250円(200円)/大学生 130円(60円)/シニア・高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、MOMAT パスポート所持者、東京国立近代美術館及び国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料 ※( )内は20名以上の団体料金。

❇️ TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)

 

 

ところで1985年、パリ サンジェルマンでのお話。

偶然入ったBARのトイレで『 戦場のメリークリスマス / 監督 : 大島 渚  1983 』のポスターを発見。

余りにもカッコ良く、何ともディープ インパクトだったのを今でもハッキリと覚えております。

 

 

『 戦場のメリークリスマス ( FURYO : フランス版 )  1983 』

 

 

因みに、東京から来ていた当時の彼女が「戦争映画なのに、何でタイトルが“不良”なのか理解不能。」と言っておりましたが……………

“不良”ではなく“俘虜 ( フリョ : 捕虜と同意語 )”でありますので、今にして思えば“彼女こそ理解不能”で御座いました!

 

 

❇️ 本日のオマケ。

 

 

『 戦場のメリークリスマス ( MERRY CHRISTMAS MR. LAWRENCE : イギリス版 )  1983 』

 

 

 

 

 

( 画像は全てネットから拝借。)

 

 

“日本とJAPANの違い ……” への2件の返信

  1. 仰る通りですなぁ…
    確かに日本で販売されている製品とよく似ているので「もしかしてパクリ!?」かと思えば、製品にはきちんと「Made inJapan」の文字が…。メーカーの各国の事情に合わせたきめ細かな対応が感じられますなぁ。
    昔は、映画のポスターと言えば、専ら絵画やイラストによる媒体だけでしたので、実際に映画館で見るとポスターとのギャップが大きく、時々落胆する場合も多かった様に思います。
    戦場のメリークリスマス、とても懐かしいですなぁ。私もてっきり「不良」かと思っていましたが、デビッド・ボウイさんの名シーンが今でも記憶に残っております…。

    1. そう云えば……
      私はパリ時代に、ムチャクチャおしゃれな“SONYさん製 目覚まし時計”を使っておりました!
      確か“MADE IN UK”だった記憶がありますが、何れにしても日本のSONYさんは昔も今も“目覚まし時計”は製造していないハズ……
      つまり、アノおしゃれな“SONYさん製 目覚まし時計”は“ヨーロッパSONY オンリー商品”だったと思われます。
      やはり、欧米版の方がカッコイイ場合が多過ぎますなぁ!!
      ところで、当時流行っていたパリの某ディスコで、“和服姿の大島 渚先生”が「 愛のコリーダ 」でノリノリに踊っていたのを見た経験があります……………

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