“機械式道具”としての魅力……

80年代初頭、東京でヘアメイクとして御一緒させて頂いた著名写真家の方々は、繰上和美先生を始めとして殆どが「 Canon F-1 」を使用しておりました(最近の繰上和美先生はLEICAを御愛用との事)。ところが渡仏してみると、パリの著名写真家は35mmカメラに関して“100%Nikonユーザー(主にF、F2を使用)”である点に驚きました。

今にして思えば……………

当時の日本はファッション雑誌と“ファッション(アート)系広告写真”の全盛期であり、優しい色調のカラー写真ニーズに「 Canon New FD レンズ 」が最適だったのだと思います。対してヨーロッパでは、60〜70年代にNikonが“世界一頑丈なカメラ”とか“カメラのPORSCHE”と呼ばれて圧倒的評価を確立、報道やファッションetc.ジャンルを問わずに“Nikon神話”が浸透しておりました。しかしながら、複数の著名写真家に「Canonをどー思う?」と訊くと「膨大なレンズ資産があるのでメーカーを変更するつもりは毛頭無いが、F-1は良いカメラだしデザインもスタイリッシュ。機会があれば使ってみたいと思うし、今後デビューする若いファッションフォトグラファーはCanonに移行するかも知れないね。」と仰っておりました。

実際に「 Canon F-1 」は、まるで金属から削り出した様な質感と屈強さ、ピアノ光沢の硬質塗装も素晴らしく、もしロバート キャパ先生がもっと長生きしていれば、ひょっとして「 Canon F-1 」を使っていたのでは?とさえ感じます。

約6年前に他界した父親の遺品「 Canon F-1 」(76年マイナーチェンジ後の後期型)。シャッタースピード、ISO(ASA)感度云々というスペック詳細は、こんな変態オッサンのブログではなく“カメラ系有名ブロガーさん”の記事を読んで頂くとして……………

メイン機として使っている「 SONY α7II 」と同時に「 Canon F-1 」も使ってみたい気分になり、札幌の“某有名カメラ店”にオーバーホールを依頼したら、ケッコーな料金を取られた上に大部分が“修理不能”のまま戻って来てしまいました(修理を担当したのは別業者)。そこで“日本を代表するオールドカメラ修理の匠”吉崎義明さん(青森)に御願いして数週間、先日“甦った「 Canon F-1 」”が無事帰還致しました。

吉崎義明さんが凄いのはそのポリシーであります。オールドカメラは既に部品生産が終了しており、通常は同型機の所謂“ジャンク品”から部品を移植するのがポピュラーな修理方法。ところが吉崎義明さんは「1個直すのに1個壊したのでは意味がない。」と、自ら旋盤機で部品を自作してしまいます。

( 修理工程説明用として同封された写真の数々。中央写真が“吉崎義明さん自作”による今回のキーパーツ。)

正確に云えば「 Canon F-1 」は作動に電力(電池)を必要としますが、ソレは“内蔵露出計”を作動させる為であり、私の様なド素人ではなく“体内露出計”をお持ちのベテランにとっては“100%機械式カメラ”として使用可能。つまり毎年価値が下がり続けるデジタル一眼レフと違い、機械式腕時計同様に“機械としての価値”は普遍であり、吉崎義明さんの様な“ハイパー主治医”さえ見つかれば価値は一生下がりません……………

( やはりフィルムカメラには“モノクロフィルム”。ISO100の「 FUJI ACROS 100II 」とISO400の「 AGFA APX 」を用意。但しAGFAは地元の写真屋さんで現像不可能との噂。)

他界した父親は「 Canon Auto Boy 」も所有していたので、普段はもっぱらそちらを使用していたと思われます。よって父親の代わりに「 Canon F-1 」を大事に使ってやろーかと思います!

❇️ 生前の母親曰く(確か81年頃)。

「パパが“Nikon F2”買って来ると張り切って出掛けたけど、買って来たカメラには“Canon F-1”って書いてあるのよねぇ。コレって同じカメラなのかしら?」……………

( 写真は自身のInstagram、その他devilota撮影による。)

夢・夢のあと …… 追悼 高田賢三様。

中学生時代(70年代後半)、レッド ツェッペリンやデヴィッド ボウイ等“洋楽ロック”を通してファッションに興味を持った私ですが、当時の私にとってロックやファッションは即ち“白人文化”そのものであり、間違っても“アジア人(日本人)”は一生進出不可能なジャンルだと思っておりました。

ところがある日、KENZO TAKADA(高田賢三)さんという日本人が“モードの本場パリで大活躍している”というドキュメント番組を見て、ヒジョーに衝撃を受けました。しかも、作風はかつて見た事も無い民族調(アジア、アフリカetc.)、おまけに“ド派手でファンキーな色柄”にも拘らず、基盤はトラディショナルで極めて上品。“こんな凄い日本人が居るんだ?” と本当に驚きました。

“高田賢三さん並びにKENZOブランド”に興味を持った私は、ヘアメイクを目指して上京しますが朝食はパン一枚、夕食はインスタントラーメンで仕送りを節約し、年2回の西武デパート バーゲンで高田賢三さんの服を買う生活。しかしながらKENZOブランドに限らず、当時の有名デザイナーズ ブランドはメンズラインを展開していない場合が多く、したがって“メンズっぽいレディース クローズ”を毎回購入しておりました。

今にして思えば、当時の私は“感覚、気力、体力”が充実しておりましたので、色々な運が回って来た様に感じます。ヘアメイクになって2年後、パリの有名ヘアサロン兼ヘアデザイナー エージェンシーに所属するだけでもラッキーなのに、師匠が高田賢三さんと公私に渡って付き合いがあり、何と高田賢三さんのパリコレでヘアを担当させて頂いたり、お酒やお食事をご馳走になったり……………

私が帰国後も、東京にいらした時には何度かお会いして食事したり、クラブに御一緒したりと、楽しい思い出が沢山あります。

Kenzo in Paris, 1994.

大きな家に住み、PORSCHEを乗り回して“有頂天”になっていた私はやがて破産廃業し、ソノ後はスッカリ疎遠になってしまいましたが、LVMH(ルイ ヴィトン モエ ヘネシー グループ)に会社を売却したとか、“約25億円で建設した豪邸を手放した”とか、“酔っ払い運転で公道を逆走して逮捕された”とか、現役を引退したとか、復帰して会社を設立したとか、高田賢三さんの情報は常に気になっておりました……………

❇️ “天下のサンローラン”からパリコレの大トリを奪った男。

❇️ “フォークロア(民族調)、スーパーレイヤード(重ね着)”を普及させた男。

❇️ “コットンの価値”を再認識させた男。

「例え同じ素材、同じ染料、同じ型紙を使ってもパリと東京では全く同じになる訳がないよ。だってパリと東京では“空の色”が違うもの。」と仰った高田賢三さん。

多くの日本人クリエイターがパリに魅了されましたが、高田賢三さん程“パリから愛された日本人”はもう2度と現れないと思います。

心より御冥福をお祈り致します。

そして、本当に有難う御座いました!

( 画像は全てネットから拝借。)

写真散歩 ……

心臓弁膜症という病気になってから、PM8:00には寝てしまう習慣が身に付き、以前の様なブログ記事が書き難くなってしまった変態オッサン。

東京に住んでいた頃から写真が趣味だった私は、30年以上に渡り“熱心なNikonユーザー”でありましたが、北海道ド田舎のスナップ フォトを撮るに当たり「デジカメの命はイメージセンサーなので、“イメージセンサー世界一”のSONY製カメラが世界一なんじゃねーの?」と思った訳でありまして、2年前に無理して「α7II」を購入してみたら、コレが小型軽量でLEICAに迫るミニマル デザイン。加えて“超高性能”で凄いの何のって……………

個人的な感想としてNikonは天然色、Canonは理想色、対してSONYは独自の“SONY色”。赤と青の表現力は間違いなく“世界一美しい”と感じますが、ソノ代わりに肌色の表現力がイマイチ。但し、極めて“中毒性の強い色調”故に熱心なファンが多いのも肯けます。スッカリ“SONY菌”に感染してしまった私は、サブ機として「RX100」まで購入してしまいましたら、1型センサーにも拘らず「君ってAPS-Cだっけ?」とツッコミたくなる程の、謂わば“手のひらサイズ超高性能”。

通勤バッグに入れて毎日持ち歩き、バイト帰りに夕陽撮ってますわ。

そんなこんなで、本日は最近撮影したスナップ フォトの一部を御紹介したいと思います。

そんでもって、RX100で撮った“夕陽シリーズ”がコレ。

「写真散歩」……………

健康にも良いので是非ともオススメ致します!

( 写真1〜6は「α7II+Carl Zeiss Sonnar FE2,8/35」、写真7〜9は「RX100」で撮影。 )

大いなる音楽遺産 ……

御無沙汰しております。

お陰様で持病(心臓弁膜症)は安定しておりますが、病気による“早寝”並びにバイト先の繁忙期につき、ブログ更新が極めて滞っている変態オッサンで御座います……………

以前、アメリカ人メル友が「“ジャズの本場”ニューオリンズでさえ、現在はジャズを教える音楽スクールが皆無であり、若者のジャズ離れは“深刻な問題”だと考える。このままでは、ジャズと云う音楽は後世に残る事なく音楽史に埋没してしまう。」と嘆いておりました。

マイルス デイヴィスさんの人生を描いた映画『 MILES AHEAD / アメリカ : ドン チードル監督 ( 2016 ) 』も興行的に成功したとは言い難く 、アメリカのみならず“世界中”でジャズに対する冷風が吹いている様に感じます。

そんなアメリカ人メル友から先日「ヒップホップも良いけれど、我が国には“ジャズと云う世界最高峰の音楽文化”があるんだよ、と息子に教えてやったら、ケッコー楽しそうにマイルス聴いているわな。」とのメールを戴きました。御存知の様に音楽は“音を楽しむ”と書きますから、父親の趣味を押し付けられた子供さん(年齢不詳)は若干お気の毒だと同情致しますが、上記の現状を考えてみれば“ジャズに触れる良い機会”だったと思います。

「 Miles Davis – The Martin Committee Trumpet in B Flat, model T3460 ( 2019年、“約3000万円で落札”されたマイルス デイヴィスさんの愛機 ) 」

因みに、父親はエルビス プレスリー、母親はアルゼンチン タンゴという音楽環境下(?)に生まれた私は、中学でレッド ツェッペリンやディープ パープル等の“ブリティッシュ ロック”にドップリ浸かり、高校ではマイルス デイヴィス、ウェザー リポートetc.に浸かりかけましたが、何故かロックに比べて熱中する事はありませんでした。

今にして思えば当時“ロックは思春期の音楽、ジャズが分かって初めて大人と認める”とか、“BGMとしてジャズが流れている店はオシャレな店”的な社会的風潮があり、ソレらがジャズを好きになれなかった大きな理由かと。

ところが、今年に入って何故かマイルス デイヴィスさんが無性に聴きたくなりました。しかしながら、我が家のオーディオ セットは御臨終状態であり、よって高校時代に購入したアナログ盤は再生不可能。かと云って、東京時代に購入したマイルス デイヴィスさんのCDは、全て友人にあげてしまったので再購入を決定……………

そこで再購入盤として選んだのは、マイルス デイヴィスさんにとって“すこぶる評価が低い晩年の作品”で御座いました。

『 The Man With The Horn / Miles Davis ( 1981 ) 』

ここで、簡単にマイルス デイヴィスさんの“オサライ”をさせて頂きます。

1926年に誕生して1945年にデビューしたマイルス デイヴィスさんは、1970年頃からバンドにエレキギター、キーボード他“電子楽器”を取り入れ、自らのトランペットにも電気的エフェクターを好んで採用。コノ時代は所謂“エレキ(エレクトロ)時代”と呼ばれており、コアなファンからはヒジョーに低評価なのが現実であります。

1972年に愛車「 LAMBORGHINI MIURA ( アイキャッチ画像参照 ) 」を運転中に、車を全損する大事故(グローブボックスのコカインを同乗者が始末した逸話あり)を起こして以降は体調、メンタル面で極めて不安定になってしまい、1975年頃から5〜6年間“雲隠れ期”に突入(ドン チードルさん監督、主演の作品は主にコノ時期を描いている)。

『 The Man With The Horn 』は、そんなマイルス デイヴィスさんの華々しいカムバック アルバムで御座いましたが、ロック&ポップ色が濃いサウンドは、“マイルス信者”から総スカンを喰らいセールス的にも大失敗……………

マイルス デイヴィスさん ( 本名 Miles Dewey Davis III / アメリカ、1926〜1991 )

例えどんなに器用なクリエイター(アーティスト)であっても、ファン(支持者)が求めるサウンドと、自分が創造したいサウンドに相違点が生じるのは仕方ない事態であり、故に“駄作”と呼ばれる作品が登場してしまうのですが、反対に云えば“評価の低い作品=駄作(本当にダメな作品)”という図式が必ずしも成り立つ訳ではなく、改めて聞けば“新しい感動を伴う名作(迷作)”を発掘出来る可能性もあります( DEEP PURPLEさんの『 Come Taste the Band ( 1975 ) 』が好例 )。

『 The Man With The Horn ( 1981 ) 』もジャズ、ロック、ポップの垣根を超えた謂わば“マイルス デイヴィス ミュージック”の真骨頂。特にマイク スターンさんのギターが凄まじく、むちゃくちゃ“ロックっぽい”のに、トランペットやベースとの絡みは如何にもジャズそのもの、何とも新鮮で心地良く耳に残ります(マイク スターンさんは後のインタビューで「マイルスからは常に“ジミヘンっぽく弾け”と言われて疲れた。」と語っておりました)。

但し、初めて聴いた際“曲順がおかしいんじゃねーの?”と違和感を覚えましたが、今聴き直してもやはり同感なので“シャッフル再生”を強くオススメ致します。何れにしても、むしろ“ジャズに興味の無いロック ファン”に是非とも聴いて頂きたいアルバムと云えます。

ところで、マイルス デイヴィスさんを再考される上で“最も重要なポイント”を申し上げます……………

『 Sorcerer / Miles Davis ( 1967 ) 』

『 On the Corner / Miles Davis ( 1972 ) 』

『 You’re Under Arrest / Miles Davis ( 1985 ) 』

上記のアルバム ジャケット シリーズを御覧になれば一目瞭然。

とにかく“アルバム ジャケットのセンスが悪い”ので御座います。特に『 You’re Under Arrest ( 1985 ) 』に於かれましては、マイケル ジャクソンさん、シンディー ローパーさんの名曲カバーを収録する“激ポップ アルバム”にも拘らず、黒装束でライフルらしき物体を抱えた物騒さ……………

誠に失礼ながら、ジェフ ベック先生を凌ぐ“世界一アルバム ジャケットのセンスが悪いミュージシャン”の称号を贈呈したいと思います。

ですから皆さんは決してジャケットに惑わされない様、くれぐれも宜しく御願い致します!

『 Miles Davis & Chaka Khan : Human Nature ( Live in Montreux 1989 ) 』

( 画像1、2、4〜8はネットから拝借。画像3は自身のInstagramより。)

デザイン温故知新 ……

2004年、六本木“某BAR”でのお話。

カウンター席で隣に“アメリカ人らしきカップル”がおりましたが、男性が上着の内ポケットから取り出した携帯電話に“目が釘付け”になりました。

金属を多用した“高級な質感と激薄デザイン(当時のSAMSUNGさんよりは厚かった)”に圧倒されたのを、今でもハッキリと覚えております。

以前から“スペックよりもデザイン重視”で、NOKIAさんのSIMフリー版etc.外国メーカーの端末を使用する機会が多かった私にとって、「 Motorola RAZR ( モトローラ レーザー ) 」はソノ瞬間“次期購入端末”に決定致しました。実際の購入には更に2年間待たなければなりませんでしたが、結果的には“色違いで2台所有する”程のお気に入りに……………

本国アメリカに於いても、「 iPhone 」に追い抜かれる迄“売上No.1”を誇った業績を考えると、「 Motorola RAZR 」は間違いなく「 iPhone 」登場以前のスーパースターでありました。

そんな「 Motorola RAZR 」が所謂“ガラケー”の魅力を充分に残しつつ、何と“折り畳みスマホ”として復活したので御座います。

因みに、先日発売されたSAMSUNGさんの「 Galaxy Fold 」は、欧米レビューサイトの評価が“概ね好評”にも拘らず、何故かイマイチ話題になりません。

ソノ理由の一つに“中途半端なサイズ”が挙げられると思います。「 Galaxy Fold 」は開いた状態では「 iPad 」より小さく、タブレットのヘヴィーユーザーが乗り替えるには不十分でありますし、閉じた状態では“大きめ(厚め)のスマホ”になってしまいます。結局のところ、“タブレットの利便性”も“スマホの利便性”も相殺されてしまった感が拭い切れません……………

対して「 Motorola RAZR 」のポイントは、スマホをタブレットに近付けようというアプローチではなく、“折り畳みディスプレイ”を飽くまでもギミックとして捉え、“デザイン アプローチの一部”として採用した点で御座います。

このMotorolaさんによるアプローチは、「 Galaxy Fold 」よりも確実に注目を集めるかと思われます。

但し、アメリカ人メル友によれば「Motorola RAZRは大手キャリア“Verizon独占販売”であり、数年間はSIMフリー版はおろか、“外国キャリアを含む他キャリア版”も発売不可能との噂。」

『 Motorola RAZR Official Trailer ( 2019 ) 』

加えて、当サイトのプロデューサーである“秀津風親方さん”の御指摘通り、現地価格“約1500ドル”という価格も気になりますが……………

ただひたすら、“docomoさんからの発売”を祈るばかりの変態オッサンでありました!

( 画像は全てネットから拝借。)

限界が見えた“Apple型モデルケース” ……

❇️ その1 「 デザイン 」

今春、“Apple チーフ デザイン オフィサー”であるジョナサン アイブさん( Jonathan Paul Ive : イギリス , 1967〜 )と、“影のチーフ デザイナー(?)”マーク ニューソンさん( Marc Andrew Newson : オーストラリア , 1963〜 )が「共に2019年限りでAppleを退社する。」と正式発表されました。

御二人は正に“現代を代表する工業デザイナー”であり、しかも「 大英勲章 」まで授与されている文化人。そんなビッグネームが“時価総額世界一の企業”を揃って辞めるにも拘らず、後任人事その他が全く話題にならないのは誠に予想外であります……………

“全面タッチ スクリーン”が主流になった現在のスマートフォン。正直なところ“誰がデザインしても同じでは?”という本音が、Apple社内にあるのかも知れません。

( 因みにジョナサン アイブさんとマーク ニューソンさんは、デザイン会社「 LoveFrom 」を設立する事が既に発表されております。おそらく今後は“スマートフォンやタブレット以外の工業デザイン”で、斬新な作品を発表してくれるでしょう。)

❇️ その2 「 機能 」

確かにAndroid OSを採用している他社製品に比べて、“自社製専用iOS”を搭載したiPhone並びにiPadは、依然としてセキュリティーと作動の両面で安定感があり、ソレがApple製品“最大の魅力”である点は今も変わりありません。しかしながら、相変わらずAndroid OSに比べてカスタマイズの自由度は低く、Appleさんが主張する“直感的な操作性”に於いても、Android勢に追従されつつある現実。

❇️ その3 「 Appleの未来 」

“最先端ガジェット開発及び販売会社”としてのAppleさん。

実際にはSAMSUNGさんetc.に部品の製造、アッセンブリーを丸投げしており、ソレによって様々なリスク軽減に成功致しましたが、昨今の国際事情を考えた場合、特に“アジア諸国の企業”に丸投げするのは、むしろリスクが拡大するのは承知の事実。よって今後のAppleさんは、所謂“ネットビジネス企業”にシフトチェンジするのが妥当と考えられます。

そんなAppleさん。

先日“恒例の新製品発表イベント”が開催され、「 iPhone 」「 iPad 」「Apple Watch 」の新型が発表されましたが……………

去る9月10日、「 スティーブ ジョブズ シアター 」でド派手に開催された発表イベント。

相変わらず大盛況で“Apple人気健在”を印象付けましたが、発表された新製品を改めて拝見すると、何ら“驚きや発見”が無い余りにも“無難な製品”で御座いました。

私は決して“熱心なApple信者”ではありませんが、iPhoneとiPadに関しては初代モデルから2年毎に買い換えて来ました。但し今回(今年)は買い替えを控え、来年以降に再検討する事と致しました。

何故なら現在のAppleさんは、昔の様に“所有欲を刺激する特別な製品”を生み出す企業ではなく、Apple製品も又“持つべき特別な製品”ではなくなってしまったからであります。

スマートフォン、タブレットがデザインと機能面で“倦怠期”に突入した今だからこそ、“野心的なスタートアップ企業”がクラウドファウンディングで資金を調達して、スマートフォン業界に新規参入してくれれば、業界が活性化されて俄然面白くなりますが、利益優先で“世間のニーズ”を気にし過ぎる最近のビジネス傾向では、“心に訴える面白いツール”は永遠に生まれないのでは?……………

❇️ ー “客が欲しい物ではなく自分が欲しい物を造る” ー

“かつてのSONYさんライクな企業”の出現を切に願う変態オッサンでありました!

『 Breaking Convention With The First WALKMAN / SONY 2019 』

( 画像1、6、7はネットから拝借。画像2〜5はAppleさんのウェブサイトから拝借。)

賢者 VS 巨大企業 ……

FERRARIさんと云う企業は、“市販車販売部門”よりも“レース部門”の方が実質的な経営規模が大きく、よってF1運営元のFIA(国際自動車連盟)によれば、F1に於けるFERRARIさんは“レース専門企業”の扱いでありまして、現在の“ワークス チーム(自動車メーカー直営チーム)”は、“RENAULTさんとMERCEDES-AMGさんだけ”との見解で御座います。

オリンピック同様に、“近代F1”が商業主義にドップリ浸かっているのは皆さんも御存知の通り。しかしながら本来のF1は、“上限のないスポーツカー実験室”的な側面が強く、誠にピュアなモーター スポーツでありました。

FERRARIさんが、“孤高のレーシング集団”としてモーター スポーツ史に存在を確立出来たのは、マス企業ではなく“小〜中規模プロフェッショナル集団”であった点が大きく、時代の流れetc.を考慮すると、FERRARIさんライクな“モーター スポーツに特化した企業”は、今後2度と現れない様な気が致します……………

そんなモーター スポーツ史の中で、1960年代に“打倒FERRARI”に全身全霊を掛けた「 小規模プロフェッショナル VS 大規模マス カンパニー 」の構図があったのを御存知でしょーか?……………

一般大衆車で大成功を収めたFORD社が、更なるイメージ向上の為に“モーター スポーツ”進出を決定した際、FORD社の目玉政策は何と“FERRARI社買収”でありましたが、“全イタリア国民”の反対により断念。そこで自社製レーシング カーによる“打倒FERRARI”を画策。舞台に選ばれたのが「 ル マン24時間レース ( 24 Heures du Mans ) 」でした。

その“トゥルー ストーリー”を描いた書籍はいくつも存在し、映画化権を所得したという話も何度か聞きましたが、何故か今迄映画化されなかったので御座いますが、コノ度“超一流キャスト&スタッフ”により待望の映画化が実現。

『 フォード VS フェラーリ ( FORD VS FERRARI ) / 監督 : ジェームズ マンゴールド 2019 』

❇️ 2020年1月、全国一斉ロードショー予定。

1996年の「 ル マン24時間レース 」、“FERRARI 330P3とFORD GT-40Mk.IIの死闘”を描いた本作品。

カー エンジニアのキャロル シェルビー(「 AC コブラ 」生みの親)役がマット デイモンさん。レーサーのケン マイルズ役がクリスチャン ベイルさんという、“どー転んでも面白いに違いない”と断言出来るキャスティングであります!

因みに私は、“映画館すら無いド田舎”に住んでおり、試写会にも参加出来ません。よってトレーラー(予告編)を観た個人的な感想に加えて、本編を観た欧米人メル友の感想を参考にした、謂わば“独自の無責任オススメ”をウリとしております。ソレにしても本作品。公開時期がアメリカ本国で12月と迫っているにも拘らず、いつも以上に“事前情報に乏しい”のでありますが、公開中の“公式トレーラー”を観ただけでも、充分に面白さを“予感”させてくれます。

『 FORD VS FERRARI / James Mangold ( 2019 ) 』

ところで……………

「 ル マン24時間レース 1966 」の資料を調べてみましたら、8台のGT-40Mk.IIがワークスマシンとしてエントリー。5台のGT40Mk.Iがプライベーターマシンとしてエントリーしており、最終的には、“ブルース マクラーレン(F1 マクラーレン チーム創設者) / クリス エイモン組”のGT-40Mk.IIが優勝しております。

つまり、主人公クリスチャン ベイルさん演じるケン マイルズ選手、実は優勝していない訳でありまして、ソノ辺りのストーリー展開が如何なものかと、ヒジョーに気掛かりな変態オッサンで御座いました……………

( 画像は全てネットから拝借。)

不便のススメ ……

1988年頃のお話。

イギリスのファッション誌「 i – D 」が、東京のストリート ショットをメインとした“東京特集”を企画しました。当時、私が御世話になっていた某 有名写真家さんから、光栄にもヘアメイクとしてのオファーを戴いたのですが……………

残念ながら、本国編集部と日本側スタッフの間で“バジェット(撮影総予算)”が折り合わず、結局のところ企画自体が消滅してしまいました。

ちょうど欧米の“ジャパン ブーム”が一段落して、色々な意味で“日本の真価”が問われていた時代でしたから、もしもファッションを通して“本当の日本”を打ち出す事が出来たのならば、ソノ後の数年間は“欧米から見たジャパン”が違っていたのでは?と考えると、今でもヒジョーに残念でなりません。

ところで「 i – D 」は、「 UK VOGUE 」の若手アート ディレクターだった テリー ジョーンズ ( Terry Jones ) さんが、1980年に創刊したファッション誌であります(有名ファッション誌の中では後発)。どちらかと云えば、ファッション(モード)よりも“カルチャー”にフォーカスした“最先端情報誌”的要素が強く、明らかに「 VOGUE 」「 ELLE 」「 Marie Claire 」etc.とは異質な“先進性”をウリとしております(カヴァーショットではモデルがいつもウインク)。

実はそんな「 i-D 」さんが、2017年に“次世代注目フォトグラファー”として紹介していた方々の“ある共通点”が、2年後の現在“極めて身近な流行”に繋がっているので御座います……………

『 i-D Meets : Next Gen Photographers / 2017 』

“先進性の「 I-D 」”がチョイスしたフォトグラファーの特徴は、共に“フィルム カメラ”をメインとしている事であります!

当ブログ“登場回数No.1のフォトグラファー”ブルース ウェーバー先生は、未だに“フィルム カメラ”をメインに使用されておりますし、多くの映画は未だにフィルムで撮影されている現実。プロフェッショナルにとっては、“求める世界観”を具現化する為に“古い機材”を用いるのは良くあるお話。

ところが昨今、“フィルム時代”を全く知らない世代の間で、“フィルム カメラ”が密かなブーム。

例えば……………

❇️ 唐田えりかさん ( Erika Karata : 女優 , 千葉県出身 , 1997〜 ) の作品。

❇️ 芳根京子さん ( Kyoko Yoshine : 女優 , 東京都出身 , 1997〜 ) の作品。

上記のお二人は、我が国が世界に誇る“若手本格派女優”の代表格でもあり、ヨーロッパ人メル友にもケッコーな知名度を誇ります(因みに芳根京子さんは、北海道ローカルのドラマやCMに出演されているので、“北海道出身”だと思われがちですが“東京出身”で御座います)。

そんなお二人がハマっている“フィルム カメラ”という世界。

私も知人から度々「息子がフィルム カメラを欲しがっているので、オススメ機種を教えて欲しい。」と訊かれますが、何故今、“フィルム カメラ”は若い世代を魅了するのでしょーか?……………

美しい写真を“最も簡単に撮影するツール”は、間違いなくスマートフォンのカメラであります。にも拘らず、わざわざフィルム カメラで撮影するのは、謂わば“便利過ぎるツール”に対して、何かしらの不満を感じているからだと思われます。

つまり、フィルム カメラで撮影して、カメラ屋さんに現像依頼するのも、私の様にフルサイズ ミラーレス機にオールド レンズを装着するのも、敢えて“不便な思いをして趣味性を高める”、ある種の“サディスティック行為”なのかも知れません。

ソノ快感故に、“オールドレンズ沼”から抜け出せない変態オッサンでありますが、「 YASHIKA – CONTAX 」さんの“ZEISSレンズ”が欲しいなぁと……………

( 画像1、12、13は自身のInstagramより。画像2〜6、9はネットから拝借。画像7、8は唐田えりかさんのInstagram、画像10、11は芳根京子さんのInstagramから拝借。)

本年度最高の笑撃作品 ……

皆さんは、松本清張さんや江戸川乱歩さん原作のTVドラマを観て、“ツッコミが足りない”とか“ヒネリが足りない”と感じた経験はありませんか?……………

又は、我が国を代表する作家の代表作を“外国人脚本家さん”が手掛けた映像作品を観て、“悔しいけど良く出来ている”と感じた経験はありませんか?……………

結局のところ、同国人として“偉大さを知り尽くしている日本人”よりも“単にファンである外国人”の方が、客観的に躊躇なく扱える故に功を成すのだと思います。つまり、当事者以外だからこそ可能な“文化の拡大解釈”が常に存在し、ソレは“政治的局面”に於いては時として大問題となりますが、エンタメ芸術表現に関しましては、“第三者にしか成し得ない痛快暴挙”となるのであります。

本日は、そんな第三者による“笑撃(衝撃)作品”を御紹介させて頂きます。

『 アイアン スカイ / 第三帝国の逆襲 ( Iron Sky / THE COMING RACE ) : ティモ ヴオレンソラ監督 2019 』

❇️ 2019年7月12日(金曜日)、「 TOHOシネマズ日比谷 」他全国一斉ロードショー予定。

2012年公開の前作『 Iron Sky ( アイアン スカイ ) 』は、「第二次世界大戦後に“月へと逃げたナチス”が、月面に巨大基地を形成して地球侵略を企てる。」という、余りにも斬新で“奇想天外”なストーリーだったと記憶しております。さぞ“興行的大失敗”かと思いきや、予想外に“ヨーロッパ人メル友の評判が良かった”のには驚きましたが、まさか“続編”が制作されるとは思いませんでした……………

しかも今回は何と、ヒトラー、ビンラディン、サッチャー、チンギス ハーン、ローマ法皇、スティーブ ジョブズetc.が“キー キャラクター”として登場致します。

触れてはいけない“大人の事情満載”の映画界で御座いますが、上記の様な“錚々たる面々”をおちょくり捲り、正正堂堂と“パロディー化して笑い飛ばせる”背景には、本作品がアメリカやイギリス等の所謂“映画先進国製”ではなく、“フィンランド製”である点が大きく貢献しているのでは?と思われます。

特に私が注目したのは……………

❇️ 1 ) コメディー作品にも拘らず、フィンランドとドイツの“お堅い映画財団”が1,300万ドルを制作費として提供。

❇️ 2 ) クラウドファンディングで、“コアなファン”から100万ドル以上の資金調達に成功。

❇️ 3 ) “ハリウッド系メジャー作品”に比べれば遥かに低予算ながらも、極めてハイレベルなVFX(特殊効果)を実現。

因みに、オリジナル版はフィンランド語。英語版並びにドイツ語版は“アテレコ(吹き替え)”となっておりますが、全く違和感を感じない完成度との事。

❇️ 我々世代(50代)にとってフィンランドと云えば「 ムーミン、NOKIA(携帯電話メーカー)、ミカ ハッキネン(元F1ドライバー) 」が“三種の神器”で御座いましたが、今後は“フィンランド映画”から目が離せない変態オッサンでありました!

『 Iron Sky / THE COMING RACE ( 2019 ) 』

( 画像は全てネットから拝借。)

Camp ( キャンプ ) ……

Camp ( キャンプ ) と云っても、学生時代に甘酸っぱい想い出と共に“蚊に刺されてボコボコになった”とか、テントに穴が空いていて“寝袋がびしょ濡れになった”etc.のキャンプではなく……………

高名なアメリカ人作家で、主にエッセイストとして活躍したスーザン ソンタグさんの代表作品『 キャンプについてのノート ( 1964 ) 』のお話であります。

スーザン ソンタグさん ( Susan Sontag : アメリカ , 1933〜2004 )

誠に失礼ながら、私はスーザン ソンタグさんの作品を読んだ経験はありませんが、昔からファッション業界で云う“キャンプ”は、例えば“ドラァグ クイーンの方々によるフォーマンス”に代表される、謂わば“悪趣味一歩手前の芸術表現”であると認識しております(飽くまでも主観)。

当ブログでも過去に取り上げた“世界一有名なファッション パーティー”『 MET GALA ( メットガラ ) 2019 』が、先日開催されましたが、今回のテーマが“Camp”でありましたので、良い意味でも悪い意味でも“例年以上の話題”となりました……………

「 モスキーノ 」のメタリックドレスに、“シャンデリア付き”で登場のケイティー ペリーさん。

“オスカー女優”ルピタ ニョンゴさんは、「 アトリエ ヴェルサーチェ 」の“モスラ付き(?)ドレス”。

「 バーバリー 」のピンストライプスーツをカッコ良く着こなし、相変わらず“中性的魅力爆発”のエズラ ミラーさん。但し、メーキャップに関しては、敢えて“ノーコメント”とさせて頂きます。

❇️ ココで改めて、『 MET GALA 』についてオサライを……………

「 VOGUE ( ヴォーグ ) USA 」編集長であるアナ ウインターさんが1995年から幹事を務める『 MET GALA 』は、アメリカ東部時間“5月第一月曜日夜”に、毎年ニューヨークのメトロポリタン美術館にて開催。

因みに、招待客以外が参加する為には“一席ならば約300万円、テーブルをキープしたいならば約3000万円が必要”でありますが、最も重要なのはソレが単なる“セレブ パーティー”ではなく、メトロポリタン美術館並びに関連機関にとっての、“資金調達”を主な目的としている点で御座います。

実際のところ、『 MET GALA 』は毎回“ン千万円”の収益を生み出しており、メトロポリタン美術館関連事業の立派な“有益資金”となっております。

「 クリスチャン シリアーノ 」のアートドレスがお似合いのジャネル モネイさん。

ゼンデイヤさんの「 トミー ヒルフィガー 」シンデレラドレスは、何とグレーからブルーに変化する“超ハイテク素材”。

「 ディオール 」レインボードレスのカーラ デルヴィーニュさん。ヘッドピースには何故か“入れ歯、目玉、バナナ”が……………

「 ブランドン マックスウェル 」のシルクタフタドレスで登場したレディー ガガさんは、見事な“4変化”を披露。

❇️ 上記は“ほんの一例”で御座いますが、“豪華絢爛さの一端”は感じて頂けたかと思います。“アメリカらしさ&目的の崇高さ”に関して存在意義が高い『 MET GALA 』でありますが、今年はそれぞれの“Camp”を堪能させて頂きました。

但し、スーザン ソンタグさんが提唱された“Camp”には、富や権力に対する“ある種のレジスタンス性”が含まれていたのでは?……………

つまり、“贅の限りを尽くした宴会でのCamp”を見て、おそらく天国の御本人はさぞ“御立腹”かと推測致します。

何れにしても『 MET GALA 2019 』が、我が国の年末某歌合戦に於ける、かつての“小林幸子さん現象”に見えた変態オッサンでありました!

『 MET GALA 2019 ー 男性セレブのド派手ルック 』

( 画像は全てネットから拝借。)